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なにを、
やって……
<<蠢く音>>
< そして、猫は、モニターに手をついて。
そこから。
しゅるり、と。
コードがのびて―― >
っ……!
< 嫌だと、いうことばは、声になりませんでした。その体は、しっかりと、コードに絡め取られて。
そしてその力も、コードがうばってゆくのでした。 >
―ファクトリーエリア周辺・通路―
[地下全体に響き渡る声に]
ようやくお目覚めのようですね。
でも、体は不完全だったのではなかったでしょうか。
こんなことなら、翼を近くまで運んであげておくべきだったかもしれませんね。
[その方が面白そうでした、と呟き声の発生源の方へと歩いていく]
失ったものを、求める。
それだけだ。
[呟きは聞こえたか否か]
[呼応するが如き、言葉]
話し合いは時間の無駄――……、かな。
強きが正義、とは言わないが。
手っ取り早いのは確かだね。
[右の手を横へと広げた]
< だけれど、その体は猫に変わり。
一瞬、目的をうしなったコードがおどり。
猫は、たっと、にげだします。
音を出す場所から、どこかへ――だけれど。
その白い小さな体を、今度は、ドロイドに見つけられ。
猫の体はしっかりと、それに捕まえられました。疲れていた猫には、けっして、さからうことなどできず。
左の手から、赤い血が、ぽとりと、おちました。 >
[ビシ、][ビシビシビシ、]
[幾つもの音が連なり、][背に生えるは、]
[ ―― 鋼の翼 ]
[流水の羽とよく似た][紛い物]
精神を司る者なれば、…魂の声を聴けば、記憶も辿れるのだろうが。
覚えようと、…思い出そうとしなければ。唯無くす一途だ。
[疾風の男の言葉に、静かに紡いで。
続く言葉に応じるように、部屋を出る。
カツ、と無機質な通路に出た瞬間――何か、蠢く力]
――…、 ”ネス”。
[僅かに眉を寄せて。一つ、名を呼ぶ。
ふわり。肩へと留まっていた鴉が、しゅるりと。
差し出した右腕の白銀の輪へと吸い込まれる様に収まって。]
―――『嘶け』
[鈍くサファイアが煌いて。
其れに応じる様に、銀の腕輪がシャラリと高い音と共に形を変える。
すぅと前方へ振った腕を辿り。弧を描くように白銀の羽根が並んで。]
失ったものよりも。
巡る螺旋の築く、新たなものには、惹かれない……?
[小さな呟きは、問いのようで問いでなく]
時間の無駄もなんも。
最初の一手の時点で、折り合いがつきゃあしねぇっての。
そも、話し合う気があるなら、最初っからそれできやがれってんだ。
[呆れたような言葉を投げ。
異音と共に開きし鋼の翼に、巻きつけていた光鎖をゆらり、自身の周囲に巡らせる]
[通路の壁から床から無数のコードが現れ獲物を狙う蛇の如くざわめく。]
上の方々全員相手にするにはまだ力不足ということですかね。
人以外の望みを叶えてあげようとはあまり思わないのですが・・・。
[襲い来るプラグは次々と凍りつきその動きを止める。]
ここまで求められると叶えてあげたいと思わなくもないですね。
『器』の意志は、即ち、僕の意志。
共鳴し、
共振し、
同調したが故に。
……いや、
そもそも、願ったのは――
呼んだのは、何方が先だったかな?
[半ば独り言ちるように]
止めたいのならば、僕を倒せば好い。
簡単な話だね。
─中心部・ファクトリーエリア─
[そこにたどり着くと同時、機鋼竜が目を開き、部屋中からコードが殺到する]
はっ。今更に取り込む気になったとか?
[そう呟くと、左手の銃でコードを迎撃]
―メンテナンスエリア―
[エーリッヒについてメンテナンスエリアに入り、彼がファクトリーエリアに戻っても尚、あちこち見て歩いて居た。小さな――それは臓器を思わせる、機器やパイプライン――それは動静脈を思わせる、を見て歩いた。不意に、辺り全体が騒がしくなり、ファクトリーエリアへ飛び出す]
[冷えた蒼を見据え。 指を鳴らす。
音に弾かれるように閃いた白銀が、
踊り来るコードを根元から切り裂いて。動きを止めた。]
―― 一先ず、ファクトリーエリアへ向かおう。
各々が散らばって行動していれば、其れこそ危ない。
力を持つ者ならば兎も角、それ以外の者は、危険だ。
(参ったな)
[補助を受けて形作った身体の中。
現況を把握しきれているとは言えない中。
それでも動きを見て思う]
(私じゃ支えきれない…)
[貴紫の瞳で機鋼が魔を、時空が竜を、雷撃が精を見る。
天聖の獣に支えられ、ただその遣り取りをじっと見つめる]
(でも…やらなくちゃ)
[僅か戻った力、それを緩やかに均しながら]
< 自らのに、よく にた、羽根。
アーベルの背にはそれがあって。
コードから逃げようと動いても、ドロイドは決してはなしてくれそうにありません。
人の姿だったら、にげられたかもしれない。
でもそう思っても、駄目でした。
モニターの音が、耳にうるさくて、猫は小さくなきました。ないたけれど、それは本当に音になったかは、わかりませんでした。 >
[戦いは、避けられぬように見える]
[けれど]
それは、本当に…
[鋼の瞳が僅かに揺らぐ。それは、二つの大きな力が動き始め、界の揺らぎがまた大きくなった、そのためだろうか?]
己を失って、
違う誰かに奪われるのは厭だ。
[忌避の感情。]
生憎と。
“彼”は話し合いの出来ない「子供」だったから、無理な話だね。
最初から、僕が“僕”として居られたのなら、
違ったのかもしれないが。
今更言っても、仕方の無い話だよ。
[鈍い光を抱く翼]
[窓を開け放ち]
幾ら壊れゆく世界とは言え、狭い場所で暴れる気は無いよ。
[外へ。]
[無数に現れるコードを通路ごと凍りつかせ、扉の前へとたどり着く。幾度か目にしたその扉を開くと。]
― →ファクトリーエリア・中心部 ―
こんばんは。ご機嫌いかがですか。
[ぺこりと一礼し、型どおりの挨拶を口にし部屋へと足を踏み入れる]
─中心部・ファクトリーエリア─
[幾多のケーブルが蛇か、蔦か――いずれにせよそのように見えるだけで、襲い掛かる。跳んで、かわす。
避けざま、ケーブルに触れてみたが]
……駄目か。
[命は、無い。
ミリィの銃撃に引きちぎられたケーブルが、断面で小さなスパークを起こしながらのたうつ]
ミリィ!起きた?
リディ達まで食べられちゃう?
……翼。
[ふと、ここに来た時の機鋼王との会話を思い出す。
あの時点ではまだ、『器』に翼はなかったと]
『器』の意思と同調……その翼は、『器』の望みか?
[もしそうだとしたら。
『器』の望みは、自身が幼き日に抱いたそれと同じなのだろうか。
飛べぬ片翼に嘆き、飛翔を望んでいた頃の]
……どっちが願ったにせよ、どっちが呼んだにせよ。
結論がそこなら……俺は、それをやるだけだ。
[零れたのは、決意の呟き]
あれ、メイドさん、
こんばんはーってそんな呑気なこと言ってる場合じゃないでしょ!
[通路側から、冷たい空気が流れ込んだ]
[だが、見えない右側の反応はどうしても鈍く
右側から襲い掛かったコードが左手の銃を弾き飛ばし、右手に絡みつく
目的は、彼女の力の元である右手の翡翠の勾玉
そこからコードは力を吸い取る]
くっ……あああぁぁぁぁっ!!
思い出そうとしなければ…記憶には留まらない。
人も、竜も、同じなんだな。
[違うようで、そうじゃない。そんな印象を受けた]
[通路ではコードが踊り狂っている]
…ついに始めた、ってか?
さっきまでは大人しいもんだったのにな。
[部屋に居た方が安全かと扉の奥を覗き見れば、壁から同じようにコードが伸びていて。どこに居ても同じだと理解する。考えているうちに隣で白銀が煌いた]
同感だ。
纏まった方がまだ対処出来る。
[頷き、ここに僅かに集まる風精を把握する]
--Der Schleier des Windes--
[身を護るように風のヴェールを纏う。移動の際、足手纏いにならないように]
ちと耐久力は低いが、少しは防いでくれるはずだ。
行こう。
[その場のコードが再び動かないうちに移動を開始した]
『魂』なき『器』に願いがあるかなど、
――知らないよ。
ただ、或いは、……呼応したのだろう。
[自由になりたいと、願ったが故に。]
[しかし、それは口にせず]
[鋼鉄の翼]
[飛ぶ事など叶わぬと思われるそれ]
[けれど、]
[読み込んだ記憶(データ)]
[風の流れに働きかけて]
[それをも可能にする]
[ちからそのものは無き故、]
[長くは持たねども。]
―廃棄エリア:モニターのある場所―
< そこはもしかしたら、
動き出したドロイドたちのせいで、粉塵爆発をおこした、食料庫のちかくだったのでしょうか。
どかーんと、音がしました。
大きな爆発の音でした。 >
どんな時でも挨拶は大事ですよ。
ご両親から教わりませんでしたか?
[真面目な顔で言って手の中の氷鏡を宙へ投げる。
鏡は空中で大きさを変え。そこには屋敷の光景が映し出されていた。]
あちらも終幕が近いようですし。
皆でゆっくり鑑賞しようかと思ったのですけど。
奪われる、とは、かぎらねぇだろうに。
[忌避への呟きは、どこか呆れを感じさせ]
……ま。子供云々以前に、『魂』が入ってねぇからな。
本能だけの存在に、話し合いを求めたのが間違いか。
……機竜卿も、大概読みが甘いんだよなぁ……。
[ぼやくよに呟いて。振り返るのは、傍らの『魂』]
セレス。界を支えるの、できるか?
「……うん。時空竜……」
心配すんな。
[笑って。視線は刹那、優しき麒麟へと向くか]
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