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[一度は空いていないと云いましたが香のよい料理が置かれたものですから、イレーネの近くに腰掛けるとすぐさま食べようと手を伸しました。]
でも、ユリアン。
話しかけようともしていないように見えるんだ。
[そんな態度もお構いなしに続けるのですが、注意をそちらに逸らした拍子に、うっかり小さな手が熱い鉄板に触れてしまいました。]
あ。
[なのにベアトリーチェは慌てた様子もなくて、まるで感じていないみたいに、少しの間を置いてからようやく退けたのでした。鉄板に触った箇所は、赤くなってしまっています。]
えっと、冷さなければいけないのだっけ。
はい、それでいいです。
[どんなものかイマイチ想像できていなかったりするが]
千花って食べ物の名前だったの?
[聞き返したが彼は忙しそうに動いていたので返事を諦める。
声が上がったのに気が付いてそちらを見れば、少女が赤くなった手を見つめていて]
火傷しちゃったの?
そうだね早く冷やした方がいいと思う。
[少し悩むように首を傾げてから。
ハンカチを取り出して水に濡らし、少女にそれを差し出してみた]
[降りてきたブリジットに気がつき、視線を移すと目だけで会釈をした。
火傷をしたベアトリーチェの声に少しビクっと驚いたが、対応をされているのを見てまたハンバーグへと目を移した。]
[ベアトリーチェは自分には癒しの魔法は使わないのでした。
差し出されたハンカチと眼の前の人とを交互に見てから、ぺこりと頭を下げました。]
ありがとう、とても助かる。
千花はアマンダの相棒で、大切な存在(もの)だよ。
[しっかりと聞いていたようで、そう答えながら濡れた布を受け取ると、小さな手にくるくるて巻きます。]
ああやっぱり。あの人が連れていた子のことだったのね。
『それなのに食べようとしていたの?』
[ベアトリーチェの答えに小さく手を叩く。
イレーネ自身に感じた違和感と合わせて、内心首を傾げつつも目の前の少女が器用にハンカチを巻くのを見て]
ええとたしか、ベアトリーチェ。
痛くない?大丈夫?
おーっす、また邪魔するぞー。
[勢い良くドアを開け、ずかずかと定位置へ。]
メインディッシュはオススメメニュー。デザートは……
今日のオススメデザート『ストロベリー七変化』と
特大ベリーパフェな!
[大声で注文。どうせ常連が知っているんだ、隠す必要もないだろう。]
―回想・昼頃の森―
[アマンダの足音が遠ざかってゆく]
[ミハエルは、身を起こして土と木の葉を払った。
寝たふりなどという技術を使ったのは初めてだった。]
…せめて。
何故この街にこんなに沢山の者達がひしめき合っているのか訊ねておけば良かっただろうか。大方は鍵の書とかいう噂に惹かれて集まった好事家であろうとは思うが…。
[Kirschbaumへ向かってから
人と会うことを億劫に感じるようになった。
そもそもが他人と接触を持つ生き方をしていなかっただけであり、今までもきっと同じ事を感じたのだろうが。]
[そもそもが居る筈の世界は白銀の世界であり
触れ合う事、会話を交わすことといった習慣は薄い。
人間界を彷徨い歩くようになり、人と関わる事を覚えたとは言え、団欒とは未だ無縁であった。]
溶けてしまいそうだ。気分が悪い。
[...はハインリヒの方に首を向けた。大きな声。]
…ごちそうさま、美味しかった。
[,,,はいつもの癖で食器を重ねて厨房の方へと運びいれた。
ブリジットの怪訝な視線なども感じつつも、どう返したらいいものか、どう話しかけていいものかも分からないのでとりあえず*自室へと階段を上がっていった*]
[ブリジットの考えている事はわかりませんから、疑問に答えは出来ませんが、問い掛けにはこくんと頭を上下させました。]
うん。
大丈夫だよ、ブリジット。
[たしか昨日そう名乗っていたのでした。]
ブリジットは、旅の人だよね。
ブリジットも、桜を見に来たの?
[それからどかどか入って来たハインリヒに眼を向けると、「こんばんわ」と挨拶しました。]
─教会─
[日が沈もうとしている。間もなく夜─私の領域─が訪れようとしている
そんな今は世界が紅く染まる逢魔ヶ刻]
嗚呼、やっと調子が出てきましたわ
[くるくると手を翻していたが]
さて、そろそろ補給をしておいた方がいいかしら?
[そう呟くと、礼拝堂にいたクレメンスに声を掛ける]
では、神父様。私はちょっと『食餌』をしてまいりますわ
夜遅くなってしまうかもしれませんので、戸締りなどはお任せいたします
私は戸が閉まっていても部屋に戻るのには不自由しませんからね
[そう言うと教会を出、賑わう街の雑踏の中へ消えていった]
……っと、おお?
[ブリジットの視線に気付く。]
そうかそうか、パフェを食いたいのか。
マスター、追加注文でもう一個特大ベリーパフェを頼んでも構わねえか?
[問題は、ブリジットが完食できるかどうかだが。
……ま、残したら俺が食えばいいだけの事。
甘いものは別腹って奴だ。]
そう、旅の人。
この町に来たのは何となくだったけど、このお店に来たのは桜のことを聞いたからだよ。
本当に綺麗だよね!
ベアトリーチェはこの町の人?
[にっこり笑って少女に尋ねた]
…。私が此処へ居てはお前達に良く無いだろう。
いまは冬では無い。
[木々に触れぬよう、木立を縫って森を出た。
一旦宿へ顔を出し、図書館へ向かい
そこで陽が傾くまで幾つかの本を眺めて過ごした。]
―夕刻/西/ふるい桜の樹の下―
[ひらり ひらりと 舞う桜]
[三ツ花 ふわりと 樹に触れる]
またなの、はな?
今日はもう、すぐに戻っておいで。
氷が明け方、やってきたことにも気づいていなかったんだから……
やっぱり離れた後の、供給は、はなが一気に取っていくから辛いんだよ。
[どうやら土の精が辿り着くまでそこにはいなかったらしい。]
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