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…暑いし。意味分かんないし。面倒。
『暑い?お前、暑いのが嫌なのか』
そもそも、お前が嫌だ。
[それを言ってしまっては身も蓋もない。
だいたい、何のためにこの部屋で扇風機を回しているのだとこのひよ子は思っているのだろうか。
ところが、ひよ子は何かを思いついたように画面の中で!とマークを飛ばした。
変なところまでこだわるひよ子だ]
『暑い。暑いとな?それならば、私がどうにかしてやろう!』
……は?
[胡散臭いといったらありはしない。
けれど、ひよ子は相変わらず腹を突き出すようにふんぞり返って何やら自信ありげにピヨピヨ騒ぎ出す]
[使い魔の主は上でうとうとしてたり、別所で優雅にティータイムしてたりする訳だが。
当の使い魔たちは、のんびりと遊んでいたりしたのだが。
……真白と翠、来訪者に動きをぴた、と止めて。
じいいい、とそちらを観察]
[音がしたほうを見る。
真っ白だが羽根の先だけ赤い鳥と。淡い翠色の毛玉がいる。見たことないだけで知らない生物だろうか。少なくとも腕のほうの空想上の生き物よりは受け入れやすいが。
人を見ても逃げようとしないのは]
飼われてんのかね。
[物珍しさで驚かせない程度にゆっくりと近づいてみた]
[たん、たん、たん。
長めの石段を軽快に駆け上がる。一段飛ばしで石段を登りきると、一度辺りを見回してから、境内へと足を踏み入れた]
…まだ、集まっては無いかな。
っと…?
[境内に見慣れた人影。にま、と笑うと、こそーっとその背後へ近付こうとする]
[真白と翠、近づかれても動かずに。
翠の方は、腕に巻きついているものに視線が行ってるかも知れない。
触られたなら、それらが似たような力を宿しているのは容易く知れるだろう]
[普段なら背後の幸貴に気づきそうなものを暑さと意図的に気配を消してるのと
目の前の見慣れない動物に気を取られてるため気づかずに]
…逃げんのだな。警戒心を持て。いや俺はなんもしないけど
[素行の悪いのに見つかったらどうするんだという態で。
翠の毛玉の視線に見えてるのか?と思って己の腕に巻きついてる蒼龍を見れば、そいつも何か毛玉と鳥を見ていたが、すぐにそれが関係があると頭に回らず…というかそんな事態ではない。蒼龍のうろこが反射して写し見えた存在を認識して
戦闘態勢…というか逃亡態勢で距離をとろうと]
[こちらに気付いていないらしい恭也にゆっくりと近付いて行って]
なーにしてんだよっ!
[と言いながら、己の腕を相手の首の後ろへと回し、がしっと一方的に肩を組むような形で捕獲しようとする]
『だから、どうにかしてやろうと言ってるのだ!
ありがたく思え』
絶対いやだ。
『何をー!!』
[アイスを食べ終え、皿にスプーンを置いて片付けようと立ち上がりかけたところで、携帯の画面が目に入り思わず動きが止まる。
画面からひよ子の姿が消え、ひよ子はベッドの上に、もすん、と埋まっていた。
デジタルからぬいぐるみになった、ぐらいしか思わなかったのだが、そうも言ってられない事態になる]
『───南天老陽火之気 火和火 火即木成』
[さっきまでデジタル音声で聞こえてきたのとは全く違う声が、頭の中で、わあん、と梵鐘のように響く。
まるで沸騰した鍋の中身のように膨れ上がった赤い炎が体を包み込んだような、赤い光がちかりと煌くのをどこかに見たような気がしたのだが。
は、と気がついたときにはひよ子はデジタル画面の中ですっかりへばっていた]
『…ど、どーだ。涼しくなった、だろう』
[言われてみれば、確かに先ほどまでのむっとした暑さを感じない。
感じないどころか、まるで春先のような快適さ。
思わず、扇風機のスイッチを足で止めてしまうほど]
『さー、神社に、行け』
…結局それかよ。
[しかし、かくして30分後───。
携帯をカーゴパンツのポケットに突っこんで、石段の下に少年はいた。
非常に不機嫌そうな顔をして]
−自宅→瑞雲神社・石段下−
[結局気づくのは遅すぎた。ついでにいえば暑さと道のりまでので動きも鈍くなっていりであっさり捕獲され]
だーー。暑苦しいはーユキタカー
神社で何か聞けるとか璃佳から連絡あったから来たんだよ。
[しっかり捕獲されてるためじたばたしても逃げれないと既に知ってる…というか下手に暴れたら更に痛みが追加されるので口調とは裏腹に大人しくしている]
ああ、あの電話か。
ってそうじゃなく。
下見て何してんの、ってこと。
[ユキタカ呼ばわりはいつものこと。元来そう呼ばれても気にしない性質であるために、恭也を捕獲したままからからと笑う。腕はしっかり首をホールド出来る位置に持ってきているため、暴れないのは正解。
恭也が見ていたであろう場所に視線を移すと、ふわもこが2つこちらを見上げていた]
おろ、こいつら……。
―女子寮―
「けーちゃーん、でんごーん」
[ちびっこい三年生(これでも前寮長様なのだが)に呼ばれ、転寝モード解除。生欠伸を殺しながら部屋から出て]
はいな、なんでしょ。
「りかちゃんがね、瑞雲神社にきて欲しいって」
リカ?ああ、あの一年生ですか。
ふぅん。瑞雲神社にね。
[二人の顔を思い浮かべ、ちょっと物騒な笑みが唇に浮かびかけたりして]
[こういうときだけユキタカと呼ぶのはいつものことであったりとかで]
下見てって。なんか見慣れないのがいたから見てただけで何もしてない。
[まあまだ捕獲されてなかったら触れるぐらいしたかもしれないが]
なんだ?見たことあるの?まあ飼われてるみたいだけど。
というかそろそろ離してくんない
[石段を見上げれば、ポケットから携帯を取り出せば、ゴロゴロ全力でくつろぐひよ子の姿。
軽く殺意を覚えたが]
…本当にここでいいんだろうな。
[これ以上喋られても困るので声ではなく文字でリアクションさせる。
携帯には知らないうちに飾り紐状のストラップがついていて、おそらくそれはひよ子の自己主張だと思われた]
『ここだ。さあ、行け!』
…行け、じゃねえよ。
この福岡銘菓。
『東京銘菓だ』
[くだらない押し問答が面倒になり、これ以上自分の機嫌が悪くならないうちにと携帯を閉じて石段を登り始める]
「何かあったの?」
[じーっと見上げる前寮長様にはパタパタと手を振って]
いえいえ、何でもございませんですのこと。
誰から連絡来るか分からなかったんですよ。
じゃ、ちと行ってきます。
[外出申請の紙をヒラヒラと見せて玄関へ。
提出箱に突っ込むと、軽快なリズムを刻んで走り出す。
ポロシャツにジーンズというラフな格好。両の手首には細い腕輪のような金属が光を*反射していた*]
ふぁ……。
[零れ落ちるのは、どこか間の抜けた欠伸。
数度瞬いて視界をはっきりさせたなら、眼下には人の姿]
ああ……集まってきたか。
[呟く声は、どっか人事めいた響きを帯びていたかも知れない]
いや、見たこと無い姿してるなぁと思って。
[しれっと事実と異なることを返したり]
飼われてるんかこいつら。
確かに随分と人馴れしてるみたいだけど。
と、ああ、悪い悪い。
[解放を要求されると素直に腕を相手の首から取り払った。その流れに乗じて、一瞬視線が木の上へと向かっただろうか]
―宝条家―
[痴話げんかの途中で抜け出したので、よもやヒビキも不運命共同体と気付いてませんでした。運が良けりゃアズマんから連絡行ったかもやけど、それはうちの知らん話。
連絡し終えるのに気力体力使い果たし、ダウンするコト小一時間。
そろそろ時間だよと起こされ、寝ぼけ眼で礼を言って、少しだけ日差しの和らいだ外へと足を向ける]
うわー、あっつー。
ちょい時間設定早かったかなー。
でもあんまり遅いと寮の門限にかかるししゃーないやんなー。
おケイはんには寮の人経由でかけてるし、いい訳きかんもん。
[結局、普通に呼ぶと言う選択肢は放棄された挙句、三回転半捻りで着地した模様です]
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