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忠告は感謝する。
私としては、影でも赤でも、どちらでもいいのだが。
もし、他者に見られては面倒だろう。
[残念がる様子を見やりながら、端末を片手で弄る。
奴、が誰を指すか――齟齬らしきものには気づいたが、面倒だと思ったのか、敢えて訂正する事もない。]
それは失礼。
[声には、短い謝罪。
沈み行く影を見送り、ストラップを指先で弾いた。]
…ああ、えっと。ご丁寧にどうも。
エーリッヒです。――エーリッヒ=ハイゼンベルク
[こちらこそよろしくお願いします、と。
頭を下げられ、慌ててつられたように軽く会釈を返して。
握り締めたままだった端末についた鈴が、チリリと音を立てる。]
廃墟の中の娯楽施設、か。…何かあるんですかね。
まぁ、探してみるだけの価値はあるかな。
[青年の言葉に、ゆるりと首を傾げて考え込む。
危ない目に会うのは、好ましくないのだけれど――
暇つぶしを探すのも、良い暇つぶしだろうし。]
ゲテモノですか。
――それは、きっと向いてませんね。僕。
ここのクリーチャーたちも、なかなか面倒でしたし。
[何を思い出したか、小さく溜息。]
ま、何がどんだけ残ってるかは、わからんがね。
廃墟ん中は、クリーチャーの気配もねぇから……ま、あれだ。
急な崩落にだけ気をつければ、危険はねーし。
[予測がつかない分、クリーチャーより厄介な感もあるが。
そう言った部分も含めて、廃墟群というものには慣れているせいか、口調は軽い]
ここのクリーチャーは、まだ、素直だろ。
突発災害級と比べれば。
[ここで戦ったものを思い出しつつ、呟く。
比較対象は、絶対間違っているが]
[アーベルの惚けた声に、フフっと微笑むと]
娯楽……そうですね、何かいい物があるといいですね。
[しかし、一転。表情を曇らせると]
ゲテモノ……ですか。私もきっと向きませんね。『狩り』には。
[そう言って、たははと苦笑い。]
まぁ、宝探しみたいで面白そうですし?
近々暇なときにでも探してみます。
――崩落は、あれです。其のときは其のときで。
[運次第ですよね、と。何処かお気楽な返事。
慣れている訳では無さそうだが、ただ危機感が無いのか
軽い口調に釣られたのか、へらりと笑みを向けて。]
…素直、なんですか?
突発災害級は、出会ったことないんで判らないですけど。
[それはそれで凄そうですね、と小さく呟いて。
何処か楽しげに、液晶の壊れた端末を軽く放り投げる。
繋がった小さな鈴が、微かに白金の音を*鳴らして*]
あの廃墟が、いつのものか、にもよるだろうが……。
場合によっちゃ、お宝もあるかもね。
[壊れた理由が『変異』の破砕か抗争の破壊かでは、時代的なズレも多少はある。
当然、前者の方が歴史的価値の高いものは多いわけで]
……っていうか、そも、あんたの場合は、荒事自体が向いてない気もするが。
[苦笑するナターリエに、素で突っ込みを入れつつ]
ま、そうとも言う。
[エーリッヒの運次第、という言葉は、さらっと肯定した]
ああ、素直で直線。
突発災害級は……ま、文字通りのモンだからな。
[何度か狩ったそれを思い出しつつ、ちょっと遠くを見やってため息一つ]
……さって……。
いつまでも、冷えるとこで立ち話、ってのもなんだし。
俺は、そろそろ戻るけど……お前らは?
[軽い口調で、二人に向けて問う。
返る二人の返事がどうであれ、建物まで戻る事は変わらず。
……戻ってイレーネに探し物の結果を聞き、襲われた話を聞いたなら。
無事を安堵しつつ、多少、*小言は言うかも知れない*]
[ふと、垂れた翼の隙間に紅い色を見留める。
先程の怪鳥の血がまだ残っていたようで]
――っ。
[ばさばさと、嫌な思い出でも払うかのように乱雑に羽根を振るう。
やっている内に何だか遣る瀬無くなってきたのか、
完全に汚れが落ちたのにも気付かずその動作を続ける。
その姿を帰ってきたアーベルが見たなら、
どうしたのかと問うだろうか?
そうすれば、探し物が見付かった事も、
その後怪鳥――コカトリス――に襲われた事を話すだろう。
小言には、自分は悪くないもんと最初は愚図ったが、最後には
不注意で接近を許した事は自分の非として*理解しただろう*]
[荒事自体が向いていない気が、と言われ]
……そうですね。私なんてここに集められた他の方々と比べれば。
[そう言って、僅かに顔を伏せる。]
[突発災害級。予知越しに見た事はあれども、籠の鳥であった私は、実物を見たことはなく。
その実際の威圧感は感じたことはない。しかし、聞く限り]
……怖いですね。そんなものが人を襲うなんて。
[そう言って、肩を掻き抱く。]
[そして、そろそろ戻るというアーベルの言葉に頷くと]
そうですね。戻りましょうか。
[そう言って彼に付いていくだろうか。
イレーネから結果を聞いたアーベルがイレーネに小言を言えば、おろおろと2人の間を右往左往し、イレーネが非を認めた頃には、おろおろとしながらも*仲裁に入るだろう*。]
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