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─スタート地点─
[続いて到着したのは地エリアに居たライヒアルト・ナターリエ組]
お、お疲れさん。
キーアイテム、ちゃんと取って来たかぁ?
[少しばかり呆然としてしまったが、慌てて詠唱を再開する]
…その身は鉛の如く。
―― Slow.
[水精の気配に気を取られたか。
俊敏を性とする風の動きが魔力に引きこまれて大きく鈍った]
これはまた。
[魔法を発動させると改めてブリギッテの前に浮かぶ弓を見た。
唇は弧を描き、菫色も輝いている]
[白い霞は彼女の手に集まり、彼女はそれをシルフに向ける。
その霞の正体はいわゆる霧。ひんやりとした空気が彼女とシルフを結ぶ。
そうして、指三本で拳銃の形を作ると、]
バン。
[同時、パンと言う音とともに衝撃波がシルフを襲う。]
─スタート地点─
[今までほぼ暗視だけで物を見ていたせいか、スタート地点の柔らかな光も少しだけ眩しく思え、天鵞絨僅かに細め]
取ってきましたよ。
……これで、間違いないんでしょ?
[導師に答えつつ、示すのはトパーズオーブ]
いくらなんでも、これでフェイクがある、ってのはないでしょうし。
[それ、どんな認識ですか]
[ウンディーネの足元の泉から、水の塊が盛り上がる]
[塊は一気に、泉に元々あった量の数倍に膨れ上がると、全てを押し流すタイダルウェイブとなった]
[同時に二人には対処できないならと、まとめて押し流すつもりなのだろう]
.oO(だが!)
―はぁっ!
[踏み込みから、一閃]
[剣尖から紅蓮の雪崩のごとき火炎がほとばしり、津波とぶつかり合う]
[炎は水を蒸発させるとともに高熱の水蒸気爆発を起こし、水の壁を吹き飛ばして相殺する]
[いや、それだけではない]
[風の援護を受け凄まじい勢いをもった炎は、津波を乗り越えなお威力をもってウンディーネへ達した]
─スタート地点─
ん、間違いないな。
まー、わざわざ偽もん作る奴も居ないだろうし。
[機鋼学科の参加者が居ないのでまず無理だったりする]
流石にフェイクは置かねぇよ。
フェイクを置くんだったら、もっと違う内容の試験にしてるさ。
そんじゃそれ、あそこの祭壇の窪みに嵌めてきな。
[先と同様に、中央にある大理石の祭壇を示し促す]
[動きを阻害されたことで更に怒りを増したのか。
ブリギッテから放たれた衝撃波と交錯するように飛んでくる風刃]
マナよ刃となりて貫け。
―― Energy Bolt!
[左肩口を浅くなく裂かれながらも攻撃を優先した。
逆の肩の上で、みゅうという鳴き声。
畳み掛けての攻撃にシルフの動きが速度だけでなく鈍り始める]
[続けざまに、ぱんぱんと破裂音が響き、後に残るは形状維持もままならないシルフの姿。]
[今の現象。これはいわゆる水蒸気爆発の応用である。
霧状の水分が高温の媒体によって一気に膨張することで、周りの空気を押しのけることで衝撃波を発生させると言うもの。
ちなみに高温触媒は圧縮空気。]
[もちろん、彼女が原理を理解しているわけでなく、『やってみたら出来た』程度の認識度。
かつ、発動に時間が掛かる&威力に容赦が出来ないため、対人実戦ではとっても使い勝手が悪いのである。]
ふう、おわったよー。
[そう言ってにっこりとカルメンに笑いかける。
先程の所業の後だけにちょっと怖い。]
作れたって、作るヤツなんかいるんですかと……。
[思わず突っ込んだ]
ま、あれだけ色々仕掛けてあってその上で、ってなったら。
さすがにやり切れませんけど。
[色々と埋もれかけた事を思い返しつつ、大理石の祭壇に向かい、オーブを嵌め込む。
ふわり、と。淡い色の光が舞い散った]
……で。
後は、全部そろうまで、休憩時間、ってとこですか。
[ブリギッテの起こした衝撃波はシルフの姿を散り散りに。
流石に冷や汗が一筋頬を伝ってゆく]
はぁい、お疲れさま。
[笑い返す表情が強張っているのは怪我のせいか。
それとも何とも言えない恐怖心のせいだろうか]
凄いわねぇ。
まかせっきりでも平気だったかしら。
[ゲルダの一撃のおかげだろう。ゼルの牽制に使われていた職種のような水が引き、受け止めるべく壁となっていた。しかし、風の加護を受けた一撃は水の壁すら打ち砕き、ウンディーネに達した]
と、あれはまずい。
[おそらくあの一撃は生半可のものではないだろう。恐らく下位精霊であれば一瞬で蒸発してしまうと思われる。さすがに精霊の危機にゼルはウンディーネを保護するために簡単な精霊力の譲渡を行い、ウンディーネが死なないように手を打った]
ウンディーネがいなくなったら、近辺のバランスも崩れるしね。
[その言い訳は誰に言ったのやら]
昔やった馬鹿が居てなー。
勿論、本物じゃないのは直ぐ解る。
試験に対するあまりの不真面目さに、トラップ倍増して本物取りに行かせたことあったっけ。
[さらりと言って、懐かしーなー、とか言っている。
トパーズオーブが祭壇へと嵌められ、光が散るのを確認してから]
ん、全員揃うまでは休んでて良いぞ。
集まったら下へ移動する。
「―!!」
[火炎を受けて、ウンディーネの動きが一瞬止まる]
[その隙を見過ごす筈もなく一息に距離を詰めると、躊躇なくその胸に軍刀を突き立てた]
動くな。
安心しろ、炎は消してある。
[二言目はゼルギウスに向けて]
[さらに、己の胸に突き立てられた軍刀を見つめ、身じろぎもできないウンディーネへ告げる]
水には鉄の刃は通じまい。しかし、今この剣に炎を纏わせれば、どうなるか、分かるだろう?
…勝負ありだ。
[とそこでカルメンの肩口から流れている血に気付き、]
あー、カルメンさん怪我!?
うわ、ごめんなさい。コレ、制御に頭使うから、周り見ている余裕なくて。
[申し訳なさそうにそう言いつつ、カルメンの肩に手を当て、治癒魔術を唱える。
任せっきりでもというカルメンの言葉にはブンブンと首を横に振ると、]
滅相もない。カルメンさんのフォローがないと、あんな準備とてもじゃないけど出来なかったですから。
風属性はもう少しやりようがあるんですけど、こっちはなかなかうまいこと使えないんですよねー。
[炎は消してあるという自分に向けられた言葉に、本当にヤレヤレと嘆息した]
っとに、ゲルダさんは……。すんません。役に立ってなくて。
[そう言いながら、ウンディーネに近づいていき、なるべく優しく語りかけた]
本当に騙すなんて考えてない。この人も、俺の頼みを聞いてくれた。優しい人なんだ。絶対約束は守る。どうかオーブを貸してもらえないかな?
……いたのかよ。
[思わず、素で言った。
その後の処置の話には、そうだろうなー、とか思いつつ]
わかりました……んじゃ、大人しくしときます。
[導師の言葉に一つ頷くと、壁を構築する木の一本に寄りかかって座り込む。
ガーディアン戦の傷(自傷含む)の治療をまだしていなかったりするのだが、その辺りは多分誰かに突っ込まれるまで*自覚なし*]
さてさて、他も終わったところかな。
[各所を繋いでいた次元に視線をやりつつ、そう呟き。
新たに手刀で裂け目を作ると、手を突っ込んで何やらごそごそ]
ん、これで良いか。
[何やってるかは内緒]
.oO(絶対に、「優しく言っとるうちに出すもん出さんと…分かっとるやろなぁ?ああん!?」という風に見えるだろうなぁ。)
[隣でウンディーネと交渉するゼルギウスを横目で見つつ、思っていた]
ああ、いいのよ。
最初に失敗したのは私だしねぇ。
[治癒魔法を掛けてもらい、ホゥと息を吐く]
うん、ありがと。
上手くタイミング計れてよかったわぁ。
まさかそんなに凄いのが出てくるとは思わなかったけれど。
[クスクスと笑い]
得手不得手は誰にもあるもの。
その場での最良を選んでいけばいいんじゃないかしら。
さてと。肝心のオーブはどこかしら。
シルフが力取り戻す前に探して戻りましょ。
[ゲルダの考えどおり、ウンディーネは「さっさとしないと、お前、ここから無事にかえさねぇよ? もちろん色々ひどい目にあってもらうぜ。ヒッヒッヒ」と見えていた。
結果――]
『ど、どうぞ』
[ゲルダはターコイズオーブを手に入れた!]
な、何で俺をスルーして……。
[ゼルは心にとんでもない大ダメージを受けた!]
よし。とりあえずの応急手当程度ですけど、これで大丈夫だと思います。
[そう言って、手を離す。ちなみに、]
(うわー、お肌綺麗だ。ああ、こんな綺麗な肌に傷を付けちゃうなんて私もまだまだだなぁ)
[とか思っていたとか。
クスクス笑いに少し頬を染めながら]
いえ、本当に助かりました。
まだ、先は長いですけど宜しくお願いします。
っと、そうですね。えーと、どこですかね。
[そう言って辺りを見渡す。]
くっくっ…
[ぺしぺし、と強めにゼルギウスの頭を撫でながら、帰途につく]
[しばし歩いて]
ああ、さっきのことだがな。
役立たずなんて思ってないさ。
むしろ意外なほど連携が取れていて驚いたよ。正直、最初は戦闘は一人でこなすつもりだったんだが。
まぁ、今後とも頼むよ、相棒。
[ほんの少し笑顔を浮かべながら、手を差し出した]
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