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[今し方くぐった扉をまた出て行こうとユリアンに背を向けた。]
翠樹がふたつ?
いや、問うよりも行った方が速い。教会か。
[オトフリートの苦笑に、返す言葉なく夜の通りへ駆け出した。]
[駆け、通りを抜ける。]
― →広場―
[マッピングを忘れていた事に気付き、モンスターを警戒しながらも
マッピングをし始めた。
途中までのマップなら、エーリッヒの所にも置いてきたのだが。
……出来れば、そのままの場所で待っていてほしいと思う。
はぐれそうだし。]
[剣や棒の技術があるわけではない。
それでも苗床の足は、たっと床を蹴る。
バランスの取り難い体は、しかし、蔦の力でうまくバランスを取り、]
ならば僕の望みどおりに
[茎を横に払うように、その胴を凪ぐように]
さっさと鍵を出したらどうだい
ううん、違う。
これは翠樹じゃない。
[焦った心を落ち着けるように呟いて]
あっ。
[皆が出てゆくのを見て慌ててその後を追いかけた。
扉を出る前に一度だけ、ベアトリーチェの方を振り返って]
……ああ。
[虚空を見つめて、小さく声をあげます。]
ベアトリーチェも、行こう。
[ブリジットを見返しますと、べつだん急いだ様子もなく、外へと向うのでした。]
[アマンダの耳に届いたのは、ティルに何かあったらしいこと、そして教会という言葉]
神父、が…? ――っ、ユリアン!?
[素性と気配が怪しいと言えば怪しすぎて、むしろ怪しくないのではと考えていた人物。彼もまた、アマンダの愛する平穏の一欠片。
けれど、確かめる事など後回し。
感情荒れ行くままに暴走しそうな対が扉の悲鳴残し消えたのを見て、急ぎ追いかけようとする]
[茎が横に払えば、その茎を剣先で払い返し、胴を薙ごうとすれば、僅かに下がって避け、同じ様に胴を薙ぐ。揃いの剣舞のようにも見えたかもしれない]
[その剣舞は、しかし、
苗床の意識がコエに一瞬乱されることで崩れる。
迫る刃を防ぐために、何の躊躇もなくあらわれるは蔦。
背より現れたそれは、剣の前に身を躍らせる。]
―広場 →教会―
…お前が…常日頃から、身の証を立てられないような言動ばかり取るからいけないのだ。
[オトフリートへ追い付いて、彼を見ないまま小さく言う。
時計塔のまわりを廻って、教会へ。開いた戸から、礼拝堂へ駆け込む。]
[そこで目にしたのは、二人の]
…なっ
[鏡写しの剣舞に、立ちすくむ]
っ――
[蔦の出現に顔がゆがみ、そしてその切っ先が、
切り裂く。
身を、切り裂かれるに等しいような。
その痛みの中で、自らの力を呼ぶのは、当然だっただろう。
ちりと「鍵はない」と言ったかれを、何かの眼差しで見ようとしたけれど、
それよりも先にほどける、封じ]
─広場─
……そりゃどうも、申し訳ない。
[小さな声に、返す笑いはやや乾いていたか。
やがてたどり着いた広場で、不意に感じたのは、疲労]
……まだ、本調子じゃない、か。
[呟いて、まずは時計塔の横で一度立ち止まる]
時の旋律……俺に、虚の申し子に、力を。
[手を触れた時を刻む音色は、その力を、時の竜へと。
ある程度の力を得てから、踏み込んだ礼拝堂で見たものに]
……悪趣味野郎。
[たった一言、ぽつりと]
[きられた蔦は力なきも、
持っていた棒が力をうけて、ぐんと伸びる。
その先が向いていたのは同じ姿をした魔。
それはありえぬほどの勢いで。
びしびしと音のするは、雷がおらぬからか。
無造作に左の手が振るわれたは、反応が遅れるだろうかれをしとめるためか]
[彼女の足では速度にも限界があり。
息を切らせて駆けつけた時には]
ティルッ!
[姿形はそっくりな二人が。
けれどその手に握るものは違う二人が戦っていて。
開放された力が空間の中で渦巻いていた]
―教会―
[皆の後から教会に足を踏み入れた...の目の前には――二人のティル]
ってなんだよ!これ!
クレメンツさんも若作りしすぎだから!
それに明らかにティルじゃないし!
[なにやら困惑のまま叫ぶも、彼には違いが歴然]
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