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シャーネーナー。俺も少し見てくるから、ここは頼むわ。
[そう言って少しばかり歩を進めたところで、猫を追いかけていく集団を見つけた]
?
何だ?
[そう呟き、彼もまた猫の後を追いかけ始めた]
[先ほど弾かれた自分の銃を拾い上げ、埃を払って、懐のホルスターへ。左腕の小型拳銃の仕掛けは取り外し、しまう。]
[荷物の中から一本のコンバットナイフを取り出すと、無造作にシャロンの血だまりに突っ込んで、適当な布で拭く。]
[まだシャロンが生きているのは分かっていた。]
[向かうすがら、また違う気配が揺らぎ。思わず紅が弧を描く。]
皆血が滾っちゃってるのかしらね?ま、こんな状況じゃぁ当然なんでしょうけど。
[目的の部屋にたどり着けば、出て行く1匹+αが見え。気にかかったが先にこちらをと部屋を覗けば。]
派手にやっちゃってるのね……遺体すらないだなんて。
[思わずため息。]
参ったなぁ……これでうまくやれるかしら?ま、やるしかないんでしょうけども。
[もう其れは死体とも云って良いものだっただろう。
猫の舐める感触など、伝わる筈も無い。
只、ただ。
其れはある種、奇跡とも云えるのか? それともただの、反射なのか。
守るべきは、カードではなかった。
まだ其処に居る裏切り者の手に、彼女が誤ってかかってしまわないように。
守る様に、動いた。
紅の瞳は白を映す。――動けたなら、口唇だけでも動かせたなら。
否、其れを認識して居るのか居ないのか、其れすらも判らぬままに。
エドガーが、生に気付いて居ても居なくても。
そして突き立てられたナイフに、
*もう、何の奇跡も、起きるわけはなくなった。*]
[力の衝突を感じ取り目を細める。そして騒ぎ出す白猫]
ふぅん、続けざまに事が起きるなんて。何だかんだ言って皆暴れたかったんじゃないの?
どうやら、その子も何か感じ取ったようだね。ついていこう
[そして駆けていく白猫についていった]
[だが同時に止めも必要無いと分かっている。]
[もって数分だ。何か余計な事を出来るほど力は残っていまい。いつもなら、痛み止めを射ったりや懺悔を聞いたりした所だろう。が、彼女は殺しの標的ではなく敵だった。勝者が敗者にそんな事をすれば、余計に彼女の最期を安らかならぬものにしてしまう。]
[だから、何処からともなく現れた猫も、ただ見ているだけにした。]
―自室―
[衣装を外し、浴室へと入る。
シャワーを捻り、水と石鹸とでザッと肌を流す]
このままじゃ巻き込んじまうからネェ。
[香気を香気で押さえ込む。
抑え切れないそれで周囲を巻き込むのは本意でなかった]
[猫は彼女に守られたかったのではなく、彼女にただ笑ってほしかっただけなのだが。
それは叶わず、洞へと閉じ込められてしまえばそれは嫌だとば仮にかりかりと洞の中から爪を立てたけれどそれは開くことはなく]
[ややして、廊下から部屋にバタバタと幾つかの足音が届き始めるだろう。
眉は鉄錆の匂いによって歪められ、やがて彼らは白羊卿の座所へと辿りつくだろう]
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