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……ふん、こんなもんか。
[『調査』を終え修道士の首元から右手を離した]
[支えを失った修道士の身体は力無くまた壁へと凭れかかる]
[その場に立ち上がると、咥えていた手巻きタバコを右手で摘み]
[ふ、と短く紫煙を吐いた]
……死の差し迫ったお前に一つ冥土の土産を聞かせてやろう。
思想と言うものは人の数だけその形があってな。
人はいつ生まれ、いつ死ぬのか。
その概念もまた捉え方でいくつかの違いがある。
一つ目は肉体的な考え方。
この世へ肉体が生まれ出づるを生とし、肉体が滅ぶことを死とするもの。
二つ目は精神的な、言わば霊魂を基軸とする考え方。
これは輪廻思想の類に良く見られる。
肉体が滅んでも魂は消えず、次の肉体へと宿り再びこの世へと降り立つと考えられるもの。
魂が輪廻する限りは死ぬことは無く、魂が消滅して初めて死んだと考えるらしい。
そして三つ目。
俺はこの考え方が最も興味深いと思ってる。
[淡々と二つ目までの説明を為し]
[三つ目の話をし始めたところで一旦言葉を切る]
[手巻きタバコを口元へと戻し、紫煙を吸い込み再び吐いて]
[また口元から手巻きタバコを離してからようやく言葉を紡いだ]
…記憶により生死の概念を考えるもの。
誰か一人にでもその人の記憶が残って居れば、その人は生きていると言う考え方。
この世の誰にも記憶されなくなって初めて、その人は死ぬのだと言うものだ。
一見馬鹿げたような考え方だが、考えてみれば人に限らずこの世のものは誰かに『認識』してもらわなければその存在として見てもらえない。
仮に誰の記憶にない「もの」があるとして、それはこの世に存在すると言えるだろうか。
生き物であれ物質であれ、『認識』されて初めてその場に存在すると言えるのではないか。
『認識』とは即ち記憶に刻まれること。
記憶に刻まずして『認識』は成り立ちえない。
人の生死も然り。
誰か一人でもその「人物」の記憶が残って居れば、その「人物」はこの世に存在したと言う証明となり、その人の中で生き続ける。
存在するもの全てに『忘れ』られてしまった時、その時初めて死が訪れるのだと。
そんな考え方をするんだとよ。
肉体が滅んでも記憶に残れば、ってことらしいが、俺としては似たような霊魂的な考え方よりはこっちの方が数段面白いと思ってる。
結局のところ、輪廻しちまえば前の人間ではなくなっちまうからな。
輪廻後の人間を輪廻前の人間と同一視出来るかっつーと、土台無理な話だ。
さて、土産話はここまでだ。
邪魔したな。
[そこまで言うと、再び手巻きタバコを口元へと戻す]
[見下ろした修道士に今の話は届いているのだろうか]
[届かぬのなら届かぬで構わない]
[喋るだけ喋って区画から出ようと踵を返す]
[そうして背を向けたまま]
…ああ、言い忘れてた。
今お前の頭を覗いた『失われた右眼《テュフェルザウゲン》』ってのは厄介な代物でな。
覗いた記憶を半永久的に蓄積しやがるんだ。
だからてめぇが嘘の証言をしようとしたって、記憶を引っ張り出して照らし合わせて見抜くことだって出来る。
下手に足掻かん方が良いぜ。
[修道士の様子では足掻くこともしないだろうが]
[けれどその言葉で己の中に修道士の記憶が半永久的に残ると言うのが伝わるだろうか]
[土産話の内容を彼がきちんと聞いていたとしたら]
[男の言わんとするところが伝わるかも知れない]
[振り返らぬまま、じゃあな、と声をかけると]
[そのまま外へと出て行った]
[『調査』の最後に読み取った記憶]
[それは己と修道士が出会い共に過ごした時の記憶]
[己の記憶はいつか掻き消えてしまう可能性があるが]
[『右眼』で読み取ったものはまた後で引っ張り出すことが出来る]
[彼の記憶として読み取ることで]
[かつての記憶を保存したのだった]
─外─
[収容所を出ると手巻きタバコをふかしながら]
[黙したまま歩み続ける]
「……まぁた失ったのかい? お前は」
…煩ぇよクソ婆。
また俺の右眼介して覗いてやがったな。
[聞こえて来た声に足がぴたりと止まる]
[眉根を寄せ、忌々しげに言葉を紡いだ]
「ふぇっふぇっふぇっ、その右眼はあたしの眼でもあるからねぇ。
で、今回の仕事は上々ってとこかい?」
まぁ一応はな。
どうせとっ捕まるまでのも全部視てたんだろうが。
いちいち聞くんじゃねぇ。
「つれないねぇ、仕事の上司としての確認の言葉じゃないか」
[声の主は苛立たしげな己の声を意に介した様子も無く]
[マイペースな軽い口調で返してくる]
「まぁ良いよ。そしたらついでに祭りの取材もしてから帰っておいで。
そこの花祭はなかなか人気があるからねぇ、特集を組むとするよ」
ちっ、面倒な…。
祭り関係は俺の担当じゃねぇだろうがよ。
「文句お言いで無いよ」
[その言葉と共に『右眼』に皺くちゃな年寄りの顔がアップに映った]
げ、顔近付けんのは止めろとあれほど言っただろうが!
…ったく…わぁったよ、やれば良いんだろ。
「よろしい。それじゃあ楽しみに待ってるよ」
[楽しげな言葉と共に、声と『右眼』への映像が途切れた]
………あんのクソ婆。
[苛立ちを込めた紫煙混じりの呟き]
[舌打ちと共にそれらを漏らしながら、再び足は動き始める]
[歩む先、詰所のある方角で小規模の爆発騒ぎがあったこと知るのは]
[もう少し*先の話*]
/*
すまん、うっかり別の作業しながら意識飛ばしかけてt
ヴィリーもお疲れ。後でゆっくり読むよ!
その前にこれだけはやっとかないとな。
[追加資料の束を放り投げて*おいた*]
/*
これは 飴を投げざるを得ない(ノд`)
最後の婆ちゃん噴いたけど。
明日は多分あんまり来れないから補完頑張るんだぜ。
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