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墓守 ユージーン が参加しました。
─嘆き島・墓地管理小屋─
はい、どちら様でしょうか?
[彼は読んでいた本に栞を挟み、立ち上がって扉に向かいながら問うた。薪ストーブが、こじんまりとした、必要最低限のものしか置かれていない小屋の中と、ストーブの近くに置かれたケトルを暖めていた。
小屋の中には、随分年月が経った木製のベッドと、机と椅子、調理場所が収められ、黄色い裸電球に照らし出されていた。全てを後ろにして、彼は扉の前に立ち、開けた。]
自衛団員の方ですか。こんな夜更けにどうしましたか?
[彼は内心驚いたが、海を渡ってきたばかりの自警団員の青年の苦労が理解り、労わるように尋ねた。]
夜更けに来なくてはならない事が、起きたんですか?
[ケトルにいれてあるお茶を勧めたが、
青年は断り、概要を話した。]
これを書いておけという話だったか……
[手に持たされた紙を見やり、ため息を一つ、落とした。
なんだってこんな状況に。
そう思うも、手は静かに、紙を机に置いて、動き始める。]
―集会所―
今晩は。
[見知らぬ人物への警戒心と、同じ用件で呼ばれたであろう人物への猜疑心を混ぜ合わせたような気持ちが起こる
挨拶以上の言葉が思い付かず、体の前で軽く手を合わせて少しだけ礼をした。
青年が調書を書くのを少し遠巻きに眺めている]
■1. 名前:ハーヴェイ=N=H(Harvey=N=H)
■2. 職業:サーカスの一団の一人。21歳。
姉:リーシュは島に入った数日前より、島の中をうろついていた。そのせいで女装して演技する羽目になったが。彼はといえば、ずっとテントのそばにいた。
彼女と違うのはピアスの位置と髪の長さのみなので、彼女を見かけた人は見間違える可能性は高い。男にしては細身。
姉はバーなどにはいっていたと思われるが、どこに出没していても問題ありません。
─嘆き島・墓地管理小屋─
私が容疑者の1人…
確かに、その日は日用品の買出しに渡りました。図書館にも行きました。
[青年が投票と処刑の話を切り出すと、彼は黙り込んだ。]
―集会所―
[書き終わるとペンを置く。彼は、挨拶を返してくれた彼女を見て、
その警戒に苦笑した。]
だめだな、エンターテイナーとして失格だ。
はじめまして。おれはハーヴェイと言います。
サーカス、ご存知ですか?
─嘆き島・墓地管理小屋─
[殆どの事を聞き終わると、
黙り込んだまま一点を見つめた。
青年が連行の旨を伝えると、彼は漸く口を開いた。]
今すぐは無理です。
代わりの人を、誰かに頼まなければいけません。
時間を下さい。
―集会所―
エンターティナー。
[ネリーは自分の心情に場違いな言葉が唐突に現れた事に、少し眉を顰めて思案する]
サーカス、ですか。
そういえば、最近何か来られているようですが…すみません、私はあまり、そういった物を観に行く時間が無いもので。
―集会所―
おれはそのサーカスに属してるんです。
そうですね……
[それから、時間がないとの言葉に思案する。
今、やれる芸といったら……]
皿、かな?
[ぽつり、呟いてポケットを探し始める。]
クラウンの方…ですか?
[ハーヴェイを眺める。
改めて見ると、線が細く中性的な印象だ。少し女性的と言っても良いかも知れない、等と考えながら]
あ、はい。
お皿、が必要ですか。確か、此処には簡単な台所が在った筈です…取って参りますね。
─嘆き島・墓地管理小屋─
…はい、はい。
お願い出来ますか?
…はい
何時になるか分かりませんが、お願いします。
詳しくは……はい。自警団の方に。
[電話を置くと、カチャンと小気味いい音が鳴った。]
自警団から詳しい話を聞いて欲しいと伝えたので、こう名乗る人が来たらお願いします。
[青年に氏名と年恰好諸々が書かれたメモを渡した。]
―集会所―
[当然そんなことを思われているとは、考えることもしないで微笑った。]
ええ。うんと高級なのでも大丈夫ですよ。
ありがとうございます
[いいながら、バッグの中に手を伸ばす。腰にかけておいたバッグの中身がこんなところで役に立つとは。
三十センチほどの小さな黒い棒を取り出す。それの端と端を引けば、一メートルほどの長さになった。くるりと手でまわして、満足げに笑う。]
こういうのは久しぶりで、楽しいものだ。
─嘆き島・墓地管理小屋─
用意をするので、外で待っていて下さい。
15分程で終わります。
少し、独りになりたいんです。
[周囲は海で逃げられる心配もなかった。
自警団員の青年は頷くと、外に出る。
地面の底から響いてくるような海の音と、遠くにぽつりぽつりと灯っている本土の電灯が目を楽しませるが、別の方向に目を向けるとそこは墓地だった。]
―集会所―
[なんだか困惑しているネリーから皿を受け取る。久々に棒を通した感覚に、口元にやわらかい微笑が浮かぶ。
そして一礼。
皿を放り投げるようにして、棒がそれを拾う。
見た目にはとても簡単そうに、くるくるくるくる、皿が回る。]
─嘆き島・墓地管理小屋─
[彼は青年が出ていくのを見届けると、ベッドに仰向けに倒れこみ天井を暫く見つめた。
それから立ち上がり、水をコップに注ぐと一気に飲み干した。それからまた暫くしてコップを洗い、食器かけに逆向きにして置く。
後で来る代わりの人に対しての、毎日の細々としたしなくてはならない事や、小屋の何処に何があるのかを紙に書きつけ目立つように机の上に置いた。
それから見渡して、図書館から借りた本と着替え等を鞄に詰めた。10分程で、彼が小屋に居た事実は、筆跡だけになってしまった。]
逃亡者 カミーラ が参加しました。
−波打ち際−
[砂浜に、白い泡混じりの波が打ち寄せる。
月明かりだけが照らす暗い海岸は、白い砂と白い波。
それは一見、海草の絡みついた流木に見えたかもしれない。
だが、よく見ると黒い襤褸から突き出していたのは、枝ではなくしなやかな褐色の足。
波打ち際に横たわったまま、それでも弱く息をしている。]
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