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[くるり、回ると白いワンピースの裾が広がる。
袖も襟も飾り気も無いそれから覗く、裸足のつま先は跳ねるように歩く。
狭い小屋の室内に敷き詰められた、綿毛がふわふわと舞い、雪のようだ。]
♪ヴォレイ チェヴェロ
セシ ルアーラ
[小さな笑みと共に高く歌をを口から零しながら、簡素な靴を履き扉を開けて外へと出る。
彼女の住む小さな小屋はその背を岩壁につけ、後ろから大きな岩が屋根の上へとせり出している為辺りは薄暗い。]
[ぺたりぺたりと道を歩くと、白い綿毛がたっぷり並ぶ絨毯畑が彼女の目に見えてきた。
そちらへと向かう足取りは軽くステップを踏み、擦れ違う人は何時もの光景に目を逸らすか、じっと見る。]
♪レ アリシ スヴィルッパ
ヴェルソ イルシェーロ…
[調子づき声は少し大きく高く詠いながら、薄い笑みを浮かべて花畑へと足を踏み入れる。
青白く細い指は白い綿毛を千切ると布袋に入れる、それを何度も繰り返した**]
―都市の端:綿毛草の大きな畑―
─アトリエ─
[ふと、眠りから覚める。
時間の推移はわからないが、それはいつもの事で]
……さて……しまっとかんとなぁ。
[間延びした声で呟きつつ、眠る前に描いた絵を見る。
蒼穹の下で微笑む姿は穏やかで。
それは、老婦人の最期が穏やかであった事を、何よりも端的に物語っていた]
…………。
[しばし見つめた後、立ち上がって。
絵を抱えて、アトリエの奥へと向かう。
そこは、代々の『絵師』が描き続けてきた絵をしまう安置所。その一角に、新しい絵をそう、と置いて、外に出る]
さて……スケッチにでも行くかぁ。
[のんびりと呟き、スケッチブックを片手にふらりとアトリエを出る]
[ふらふらと、宛もなく歩いて行く。
途中、すれ違うものとは適当に挨拶を交わしながら。
足が向くのは、綿毛草の花畑]
─ →綿毛草の花畑─
……ここはいつも、明るいねぇ……。
[真白の空間を見やりつつ、ぽつり、独りごちた]
…あらぁ?
[布袋と畑を忙しなく行き来する手を止め、
少し向こうに、同じように綿毛を取る為に来たのではなかろう人物を認め、歌う声を止めて顔を上げた。]
こんにちはぁ。
[満面の笑みを浮かべ、手を振った。]
うふふふ。
お仕事、毎日これにいっぱい集めないとなの。
貴方も、お仕事かしら?
[両手で布袋をちょいと挙げて見せながら
顔を斜めに傾げると、肩から髪が流れ落ちる。]
いっぱいに、かぁ。
毎日大変だねぇ。
いんや、俺は、お仕事が終わったあと。
のんびり一休み、ってとこだね。
[軽い口調で言いはすれど。
彼の『仕事が終わった』という事は、誰かが死んだ、という事でもあり。
その点で、畏怖を抱く者も、少なからずいるのだが]
お仕事、終った所?
ならまたひとつ、なのねぇ。
[嬉しそうにしか見えない笑みは、不謹慎なのだろうけれど、彼女は気にしない。]
がんばって、ね。
誰にでも出来る『お仕事』じゃないのだもの。
そうだねぇ。
[またひとつ、という言葉に、頷く。
なんでもない事のように。
一見すると軽薄にも見える表情の下の真意は、容易くは伺えないが]
ああ、こればかりは、ねぇ。
俺がやらなきゃならない事だし。
ふふ、うふふ。
やらなきゃならないこと、ってのが、あるのは良い事だわ。
ね、素敵な事なの。
[笑うと、手元に持った袋から綿毛を取り出し。
ぱっと少し掴んで上へと小さく飛びながら投げると、白い雪のように、散る。]
よいこと、か。
[小さく呟いて、撒き散らされる白を見る。
この場所では、雪に接する機会は多くないが。
引き継いできた『記憶』の中には、それが降りしきる様子も残されていた]
綿毛はふわふわ、楽しげだなぁ。
楽しい、楽しいわ。
♪ネッスン ドローレ、
ヴォラレ ヴェルソ イルシェーロ…
[口を開け、目を閉じて高い声をあげて歌う。
この綿毛草の畑では、良く聞く歌声。
彼女は何時も楽しげに、嬉しげに、くるり、回る。
白いスカートの裾がふわり、広がった。]
貴方は、楽しく無いの?
よいことなのに、つらい?
[白の中、舞う、白。
そのひらめきと歌声に、僅かに目を細め]
んー。
絵ぇ、描くのは好きだけどなぁ。
[それから、肩を竦めてこう返す。
問いの答えになっているような、いないような、曖昧な物言いで]
だけど、なの?
それは、残念ね?
[笑みは崩さず、腰を曲げ彼の顔を覗き込むようにして
首を傾けた。]
でも貴方はお仕事をしないといけないのね。
ご飯を、食べる為?
[自宅からは離れた場所。
絵師のアトリエを尋ねた]
兄さん…、いないか。
[中へと声を掛け。
人の気配のない空間に、む、と眉を寄せ]
何処に行ったのかな。
[片腕に下げたバスケットに一度目を落とし、辺りを見回し。
道に出て行く人に尋ねれば、その示すほうに従って]
いやいやいや。
描くこと自体は、楽しいから、それはいいんだ。
[覗き込み、首を傾げる様子に苦笑を浮かべる。
『絵師』が特別な存在であるためか。
絵に関する生業は、都市では成立しずらい、と聞いた事があった]
まあ、飯もあるけど。
俺しかできん事、だからねぇ。
[目線は白から、頭上へ。それから地上に戻り。
漸く、先にいる人に気が付いて]
ああ、いた。
[その方向へ進む。
すぐ傍の花を揺らしながら]
……と。
[違う方向に、人の気配。
軽く瞬いて、振り返る先には、こちらへとやって来る見慣れた姿]
おんや。
よ、散歩か?
[投げかける声は、ごく軽いもの]
一人にしか出来ない事って、素敵。
ふふふ。
[笑みを浮かべ
くるり、回ると目の前の彼と同じような髪の色の
歳の若い少年が目に映る。]
…あら?
あらあら?
[掛けられた軽い言葉に、少し不満気な顔]
違うよ。兄さんを探してたんだ。
どうせ、仕事中はまともに食べてないだろうと思って。
[下げたバスケットを掲げ、目でも示し]
こんにちは。
[傍らにいる少女に向かう時には、笑みを浮かべた]
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