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6人目、神学生 ウェンデル がやってきました。
[家族の物と一緒に、役所に保管されていた名簿は、整った文字で書き直さている]
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■名前:ウェンデル・セネット Wendel Sennett
■年齢:24歳
■職業:神学生
■経歴:村出身、村育ちの青年。
二年前に家族と共に街へ移ったが、一月前に戻ってきた。
街に居る間は、寮制の神学校に通っていた。
様々な書物を持ち帰っており、現在は其れらを貸し出し、食い繋いでいる。
寝起きは悪く、起こすと不機嫌になる。
尚、身長は■■■■――
滞在期間:三ヶ月の予定
────────────────────
[塗り潰された痕跡も残っている**]
7人目、宿屋の息子 アーベル がやってきました。
―宿屋―
〜〜♪
[ふんふん、と鼻歌を歌いながら床を掃除する。
これも青年に任せられた仕事のうちだ。]
……んぉ、いらっしゃい。
[宿屋へとやってきた人>>12へと声をかけ、宿帳への記帳と前金を受け取ると、
部屋の一つを割り当ててそちらへ向かってもらった。]
[青年について、役所にこう記載されている]
――――――――――――――
■名前:アーベル・アレッサンドリ
■年齢:23
■職業:宿屋の息子
■経歴:昔からこの村に住んでいる青年。
割と人当たりはいい。
―――――――――――
[再び、ふんふん、と鼻歌を歌いながら掃除をし始めた**]
8人目、小説家志望 ブリジット がやってきました。
……。
[最早日課といっても差し支えない程に通い慣れた道です。
だから今更道に迷うことなんてないのですが、僕は時々立ち止まります。
立ち止まった僕は大抵考え事をしていて、他の人が近づいてきても気づかない事も多くて、そのせいでよくぼんやりしている、なんて言われているみたいです]
[もしも役所で僕の情報を見ることがあったなら、そこにはきっとこんな風に書かれているはずです]
■名前:ブリジット・バール Brigitte=Baal
■年齢:13歳
■職業:--
■経歴:共に村の出身である両親と暮らす少女。小説家を目指しているらしい。
年の割に大人びたところがあるが、気づかれることはあまりない。
[さて今日も何度も立ち止まりましたが、無事に目的地まであと少しのところまで来ました。
目当ての人は今も仕事の最中でしょうか。それとも休憩に入っているでしょうか]
……んー。
[最後に少しだけ立ち止まって考えてから、僕はそれがわかるところまで近づいていきました**]
9人目、彫刻師 カルメン がやってきました。
[作業台の上には彫刻の為の道具、切り出した翡翠の原石。
隣の机には置き場の無いほど数多のデザイン画が重なる。
繊細な花の彫刻が施された指輪はつい先ほど出来上がったばかり。
陳列棚に並ぶ作品がまた一つ、増えて、減るを繰り返す。
扉代わりに垂らされた布が衣擦れの音と共に揺れ
そこより顔を出したの見慣れた顔]
今日も?
毎日来るなんてほんとあなたも大変ね。
[背の低い陳列棚に頬杖ついて女は軽く首を傾ける。
折られた腰から脚のラインは長いスカートに隠れているが
女性らしいフォルムを描いていた]
彫刻師 カルメンが村を出て行きました。
9人目、彫刻師 カルメン がやってきました。
[来訪者は客ではない。
両親が娘を案じて毎日様子を見に来る実家の者]
毎日見に来ても変わらな――…
[日課のような台詞を口にしかけるが
何か思い出したかのように言葉が途切れた。
嬉しそうな笑みを浮かべて女は棚に並べたばかりの作品を指す]
今回は月下美人の花をモチーフにしてみたの。
如何かしら。
一度、本物の花が咲くところをみたいのだけど、難しいわね。
[悩ましげな吐息を混ぜ眉を下げて来訪者を窺う。
他愛ない話に興じるのも、また日課であった]
[役所に保管されている女についての書類には
以下のように記される]
────────────────────
■名前:カルメン・ラハナーCarmen Lachner
■年齢:24
■職業:彫刻師
■経歴:翡翠の原石を仕入れ加工する彫刻師。
くりぬいて彫刻を施した翡翠の指輪や腕輪は
繊細な作風で定評がある。
旧家の娘で8年前から工房兼住居で一人暮らし。
勉強は家庭教師にみてもらっていた。
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[両親が過保護であるなどの主観的要素は
無論そこには記載されていない**]
10人目、未亡人 ノーラ がやってきました。
― 広場 ―
眩し。
[同道した村の住民と一緒にランプを消して、頭上を振り仰ぐ。
淡い光に手を翳して呟くと笑われてしまった]
覚えていたより洞窟が長かったのよ。
ありがとう。
[恥ずかしそうに顔を戻して睫を伏せる。
荷物を背負い直し、ここまでの同行者と別れて宿屋に向かった]
■名前:ノーラ=クヴェレ Nora=Quelle
■年齢:26歳
■職業:美術商
■経歴:6年前、出入りする美術商の妻として滞在したことがある。
夫は昨年他界。跡を継いで訪れた。
― 宿屋 ―
商売の他にも用事があるんです。
これが壊れてしまって。
[見せた腕輪は枠が歪み、翡翠の細工も欠けていた]
ここに住んでいる細工師さんに作っていただいた品なの。
大切なものだから、直していただければと思って。
[少し寂しげに微笑みながら、部屋の鍵を受け取った]
─ 洞窟内・湖泉 ─
[水音に聴き入っていたのはどれほどの時間か。
半ば伏せられていた翠は数度瞬いた後、滴を零す天井へと向けられて]
……そろそろ、いいか。
[小さな呟きの後、水に浸しておいた袋を引き上げる。
中に入っているのは、磨き上げた玉と、同じ形に揃えた水晶。
磨き上げた後に、原石の眠る水の中で清めてから、細工にかかるのがいつものやり方。
呪い的なものを重視するのは、異国由来の技故か。
それと、十分な精神統一を図らねば細工にかからぬ気質のため、同じく翡翠細工を作る事を生業とする他の者と比べると、作り上げる作品の数は圧倒的に少ない]
後は、月の気を取り込ませて、と。
……何とか、間に合うかな。
[細工にかかるのは久し振りだが、今回は大分力が入っている。
生まれてくる子のためのお守りを、という依頼。
そんな、願いや想いを託された細工にはやる気が出る。
……逆に言えば、金銭のために、という仕事には全く気が乗らないともいうわけで、その辺りで苦労しているのは、余談]
……とりあえず。
少し、陽に当たってから、戻るか。
[すっかり冷えた身体にぽつり、と呟いて。
玉を収めた袋と灯りを手に、広場の方へと戻ってゆく。**]
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