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―――…あ、れ?
[夜空に咲く花にも気を止めずに、…ふと、何かを探すように視線を巡らせて。
しかし、一寸前に声を掛けた少女から返事が返ってこれば
何でも無かったかの様に視線を戻して、へらりと笑みを浮かべる。]
うん、こんばんは!
……あ。そーだ、ミリィも一緒にご飯食べにいかない?
[どんどん増えていく道連れ。]
いやー、ほんっと…今日は代わってもらってすまねっす。
明日からはちゃんと見回り当番出れるっすからー。
[今日の当番を代わってもらったナイトハルトさん(29歳、左官屋の次男)に差し入れを渡し、再び喧騒の中へ。]
[窓の外が、空に上がる光球の影響で明滅する。
明滅からさほど送れず響く低音。]
[青年はそんな中、黙々とカツレツを食べていく]
[空に開く、花火を見やりつつ、一つ、嘆息]
毎年の事だけど、どんどんハデんなってくなぁ……。
[ぽつり、呟き。
リディがミリィを誘うのを聞けば、今夜も盛り上がるなぁ、と思いつつ]
ま、みんなで食いに行った方が盛り上がるしなっ。
一緒に行くかー?
…
[見上げた眸に映る、大輪の華]
[それに見とれてか、行き交う人波の中ぼんやりと立ち尽くす]
[先程見掛けた姿の事等、忘れてしまった様だった]
−酒場−
[ひょこっと覗き込んで、カウンターの隅で食事中のターゲット発見、ロックオン。]
ぉ、アリさん居た居た♪
[とっとこアーベルのところへ。]
…………
[少女は、夜空を見つめていた視線を、ゆっくりと地上に戻す。その瞳は、未だ天空の花の光を映したように煌めいて、そのまま、たっぷり一分ばかりの間を置いて]
…ごはん?
[返事と言うには、あまりにも微妙な返事を、誘ってくれた少女に返す]
[祭り見物に席を立つ人は多くても
今時分、入店するもの珍しい奴はいない。
………………いない筈なのだが…なにせ、相手がエーリッヒ…]
……………エーリッヒ……
[昨日背中にあった重さを思い出し、
”また背負うはめになるのはゴメンだ”とばかりの渋い顔で
青年はエーリッヒを迎え(?)た]
[相変わらずの白の装具を纏えば階下へと。
酒場となるこの場は相変わらず賑わっていて。
カウンターに青髪と金髪の青年を見かけるも、先日も同じようなところで見かけたようなと思うだけで声をかけることもなく。
主人に部屋の鍵を預け、扉の外へ]
…うわ。
[昼よりも遥かに増えたように見える人並みに、思わず声が出た]
[――ふる、と頭を振り、先を急ぐ。
やがて、なんとか辿り着いた家では――主は既に帰った後だと言われて、呆然。]
どう…しましょう……。
[一人で帰れると言い切ったらしい主を探しながら、きょろきょろと歩く。
――その手を、誰かが掴んで。小さな悲鳴。]
そっ!ご飯。夕ご飯……には遅いから、夜食?
[勧誘から一分の空白を物ともせずに、ニコリと笑みを浮かべて。
ほぼ引っ張るような形で相手の手を握れば、脳内勝手に道連れ決定。
…もしこのまま着いていってしまえば、巻き添え決定だろう]
よーし、皆でご飯だー!ベアちゃんも行くぞー!
ユリアンにぃ、何処に食べに行くのっ?
[皆で、との言葉に歩を進めつつも、
何処へ行くかは知らなかったらしい。行き先を問い]
[…人が増えてきた気もするが、今座っている所は少し道から外れているし、腰も掛けれるし…花火を見るにはなかなかの特等席である。
ホットドックを食べ終えると、その包んであった紙を畳んで丸め…]
…
[ふと、ここ数日で見慣れた少年が視界に入る。
…立っていて辛くはないだろうか。
おーい、と声をかけるも、この喧騒じゃ届くかは分からなかった]
[ベアトリーチェの言葉に、一つ、瞬いて]
あー、舞姫かぁ。
あ、でも、どーせ広場に行くんだし。
儀式もすぐには始まらないはずだし、まずは腹ごしらえしとこーぜ?
[ぽふ、と頭を撫で。
それから、リディの問いに]
あー、いつもの酒場。
あそこが一番味がいいからなっ。
[にぱ、と笑って言い切った]
空?……あぁ、花火ね!
[ベアトリーチェの言葉に、上を見上げて。
納得したように一つ頷けば、少女の頭を一撫で]
じゃあ、後でおいでねー?
風邪を引いたり、迷子にならないように気をつけて、
知らない人には、物をもらってもついていったりしちゃダメだよ?
物……は、貰ってもいいかもしれないけど。
[あれよあれよという間に片手を引っ張られる。しかし少女のぼんやりとした頭に状況は浸透していない]
夕御飯…じゃなくて、夜食なの?
ああ、でもリディ!
[少女の瞳に初めて不安の影が過る]
こんな時間に食べたら、太ってしまうわ!
[大問題らしい]
[人波に暫し圧倒されていたが、上空に光を感じて空を仰ぐ。
途端、光に遅れて走る音]
花火……また、盛大だな。
[そう言ってまた、表情が緩む。
消えた華を追うように次々と火の華は天上を彩って]
[リディの言葉に、子供はこくこくとうなずいた。
何か少し、わたわたしている。]
大丈夫です。
迷子になったら、施設に、戻ります。
風邪も、気をつけます。
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