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[時空王様がフヨフヨと浮かぶ空。そこは切り取られた空間ゆえ、星も月もなく、おそらくこのままならば太陽も昇らないだろう]
[でもそんなの関係ねぇ(ぇぇっ]
…ん?
あれ、なんだこれ…。
[空間の揺らぎに気づいたのか目をあげて。
真剣な顔を台無しにするのは、ほっぺについた生クリーム。]
いったぁい。
[目を閉じて歩いていればある意味当然。まぁ、精霊なのに気配で避けられないのは微妙だったかもしれないが]
えと、こっちの方。
ミハエルさん、どこー?
[声を上げながら再び歩き始めた]
[なんだかボロボロになっているオジサンに近づく。
起き上がるときに手を貸したかもしれない]
たぶんね。何か変なことが外で起きているみたいね。
それよりオジサン、大丈夫?
なんか凄い負傷してるけど。
[知り合いに気を取られ、ハインリヒがボコられているのに全然気づいてなかった]
……はぅ……うん。
[優しい言葉に、こくこく、と頷いて。
不意に感じた二つの気配に、きょと、と瞬き一つ。
一つは知らぬ気配だが、もう一つは]
……あーべる。
[同じ属を持つ、魔の青年]
……っと。
[取りあえず、セレスは任せても大丈夫か、と。
思った矢先に感じたのは、嫌な話だが見知った気配]
……出やがった。
[扱いの酷さが半端ないです。
ともあれ、その後を追うよに、中へと]
[微かに感じた心の魔の気配は、新たなる声と気配――そして血の残り香にかき消されて。
先程とは違う意味の震えが、抱く仔に伝わる]
アーベル殿、その手は…!
[白より蒼白い顔色で、それでも倒れぬは心配が先に立つが故に]
[まずは、何かの力が開放された事に身構えたミハエルだったが、樹上であることを忘れていた。
滑り落ちたが、別の枝を掴んで落下を止めた。]
[ぶらーん]
[声がする]
……ブリジット?
……相変わらずよく食うね。
[もぐもぐ中だったダーヴィッドにはすこーしだけ呆れた声。起き上がる際、先程の青年に手を差し出されていることに気付くと礼を言いつつ手を借りる]
お、すまんね。
……まぁ、このくらいの怪我はある意味慣れたと言うか……。
[何か物凄く遠い目をした]
とりあえず死にやしねぇから大丈夫。
外に関しては、出てった連中に話聞くのが一番かね。
久しいね。
[仔竜への挨拶は短く、]
……君らだけでもなさそうだね。
随分と、知った気配が――……
[三対のうち、一つのちから]
[されど感じるのは異質さ]
ノイ、ではないか。
……嗚呼。 すまなかった。
“虚のいとし子”もいるのだろう。
事情は其方から聞く事にする。
[バツの悪そうに、若干、早まる口調]
[言うなり力の集う方角へと向かおうと]
うん、久しぶり。
[こく、と頷く。
見知ったものの姿に、大分落ち着いてきたようで]
……知ってるけど、知らない、力。
これ、『精神』?
ひゃっ!
[真上から降ってきた声と、姿。
流石にビックリして小さな悲鳴を上げた]
あっ、ミハエルさん!良かった!!
クレメンスさんまで涌いたから。
[直前の時空竜の言葉に思いっきり影響されました]
どうしようかと思ったー!
[そこで漸く息を吐いて。相手の姿に目をパチクリ]
…あれ、何でそっちの姿なの?
[ダーヴィッドの存在に今はじめて気がついた]
あ、ダーヴィッドさんまでいる。何だ、この屋敷。
それにしてもよく食べるね。
[目の前のオジサンと同じ感想を持った]
それにしても、オジサン。
その怪我に慣れちゃ、結構まずいんじゃない?
いつか死ぬよ…
きっともうすぐハーヴェイさんが帰ってくるから
そしたら詳しい事情を聞けばい――
[更に続けようとしたが、入口の方で声が聞こえて
振り返り、身体が強張る]
クレメンスさん!
[反射的にリックの前に出て、クレメンスから庇うような体勢を取る]
[悲鳴のよな問いに返る答えはなく。
機鋼の魔から零れた声に、その傍らにあるはずの心竜がおらぬ事にようやく気付いた]
ノイ殿…はお見かけしておりませぬ。
そなたも、逸れられ―…
[蒼白で途切れそな呟きは、バツの悪そな様子に途切れて。
去ろうとする背に手を伸ばすも、くらりと眩暈がして手は届かず]
[広間に入ってくる見慣れぬ男]
んあ?
確かにティーパーティらしいが…そちらさんは招かれた口?
いや、察するっつーことは知らずに来てるか。
[どーも、と軽く挨拶だけし。同じ力を繰るらしい青年に]
普段から危ねー仕事は舞い込んでくるからな。
お蔭で身体だけは丈夫になったよ。
[けらけらと他人事のように笑う。続く言葉に頷いたところで、隣の少年を庇うような動きに一度瞳を瞬いた]
ん、なに、知り合い?
[ただの知り合いでは無さそうだが、浮かんだ疑問を口にした]
[良かった、
と安堵でいっとき表情が緩んだが、ミハエルはまたいつもの仏頂面をして枝から降りた。]
クレメンス……?
あいつが沸いているのか。全く迷惑な奴だ。
まだ遭遇していないだろうな?
見つけても他人のふりをしろ。
……待て。
此処へは、それほど沢山のものが居るのか?
というか、此処は一体……
……。
……いや、この姿については私にも分からない。
[すたすたと、気配追うよに広間へ向かう。
前方に、あんまり見たくなかった姿を認めるのと、広間からその名を呼ぶ声が上がるのは、どちらが早かったか]
……ていうか、こんなとこで何してやがる。
[なんでかんで、一番気になっていた事がいの一に口をついた]
……だろうね。
個としての存在はともかく、
属としてだけ言うのなら、
君にも僕にも、遠くも近しいと言えるだろう。
[仔竜に答える間は歩みを止め]
[頽れる聖獣の姿に眉を寄せる]
……、……僕に出来る事は。
[触れるも得策ではないと思ったか距離を保ち訊ねる]
[にこやかな笑顔のまま、肩をすくめる]
そんなに警戒なさらないでください。別にあなた方に害を加えに来たわけではないですよ?
たまたま、散歩していたら、この館を見つけて懐かしい方々の気配に引き寄せられたというだけのことです。
…あぁ、ひさしぶ…
りー…。
[いつか見たような風の人たちとかに挨拶しつつ、
また見覚えのあるオッサンの姿に思わずフォークも止まったり。]
[魔の青年の答えに、自身のそれと対なる属のものがいる、と改めて感じ取り。
続いた問いに、保護者と彼とを見比べて]
……いたそうなの。
それ、なんとかしないと。
ナタ・リェ、傷、見るの、ダメだから。
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