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[ からからからーん。
そんな乾いた音を耳に地面に突っ伏していたが、
かけられた声に反応してか、がばっと起き上がる ]
……目の前で星が飛び散ったぞ、今。
[ が、走る痛みにまたごろごろと悶絶 ]
おわ、急に転がんなや!
[慌てて出した手を引っ込め、スカート抑えて飛び退く。
しばし悶絶姿を観察。
まーアレだけ動けるなら骨はいってないだろうとか結論付けた]
─瑞雲神社・境内─
[境内に立つ一本桜。
春ともなれば桜の名所として賑わうそれは、今は、緑の立ち木。
その枝の上、真白を肩に乗せて座り込み]
……これは、思いの他……。
[結界に接触する『気配』。
何事なくすり抜けるものが圧倒的に多いわけだが、中には文字通り『引っかかる』ものもいるわけで]
特定はしやすいが……。
[文字通りの意味で『頭が痛い』。
精神的な痛覚ではあるのだが]
あー。
色気のない女の見ても喜ばんから安心しろ。
[ 失礼この上ない台詞を吐きつつ、
電柱へと向かおうとするリカを見る。
が、やはりぶつかった様子に、碧の眼を丸くした ]
……んだ?
[ 自分が“ぶつかった”原因を把握していなかったので、
驚きは余計に大きい ]
[痛みが脳に達するより先に、失礼な台詞が到達しました]
高一なりたてなんて中学に毛ぇ生えたよなもんなんに、色気なんかあるか! や、生えたらもう大人なんかも知れんけど!
[額撫でながら、爽やかな朝に相応しくない文句少々。
しかし、なにやら驚いてる様子に状況理解。見えない壁に手を突く]
んー、案の定こっちもってトコやね。
…で、アズマんも行かれへんっぽいと。違うてる?
[ いつまでも地面と仲良くしていても仕方ないわけで、
第一暑いわけで、地面に手を突いて立ち上がる。
打って変わって、彼女より高い位置から見下ろして ]
最近の高校生は、割合、発育いーもんだけどなー。
[ じーっと見た。
眼鏡の奥も若干ながら、見えようか ]
行かれんってか、自転車だけが行ったってか。
[ 持って行かれた恨みに、半眼になりつつ先へと視線を移す。
そんな二人の脇を、子供がボールを追いかけ通り過ぎていった。
まるで何の障害もなく ]
……まぁ、ここでうだうだしてても変わらないか。
他のところどうなってるか確かめつつ足りない分の走り込み、っと。
[来た道を引き返し、別の道を確かめようと移動を開始する]
[自分で言った通り高一になったばかり。しかも元から背は低め。年齢的3年男子になんて、旋毛とか見下ろされてます。
が、眼鏡の奥が見えそうと気付けば、慌てて指二本揃えてブリッジを押し上げたり]
んな個人的努力で埋められん差はほっといて。
やっぱ、行かれへんのかー。なんでやろ…ええー!
[目の前を子供が駆けてって、思わずびっくり仰天。
もう一回確かめるべく壁べしべし。掌が赤くなるくらいべしべし]
[ 何事もなかったかのように、ふっと視線を逸らす。
壁を叩き続けるリカの手を無造作に取り ]
止めとけ、痛めるだけだろ。
[ 台詞は冷静ですが、さっき子供にガンつけた人です。
そのままくるりと後ろを向いて ]
「こっちも」つってたよな?
てことは、一箇所じゃないと。
行けない範囲を探れば、何かしら解るんじゃないか。
[ 自分の来た方向、即ち、「行ける道」を見る。
電柱の傍に転がっている自転車を見ないため、もあったが。
拾って貰い損ねたのなんて知らない、知らない ]
……さて、どうしたもんか。
[なんか色々と頭痛感じつつ(べしべしされると、ちょっと痛いらしい)、肩に止まる真白を見る。
自身の力を分けて生み出された使い魔は、くるる? と鳴いてゆるく首を傾げた]
……取りあえず、町内の様子見て来い、紅鴛。
翠麟も走り回ってるらしいしな。
[短い指示に真白はこく、と頷いて。
青い空へ向けてぱたた、と飛んで行く]
うー、でも腹立つねんもん!
バイトの面接ぱーやわ。
[かと言って正面衝突の被害者仲間に八つ当たりする気はなく。
大人しく取られた腕で、自分の来た方角を指差して見せる]
そ、少なくともタマキちゃんトコから南にいくらか進んで壁。
だいたいコッチまで同じ感じで無理やった。
[「行ける道」へ同じように視線を向け、首を傾げる]
……線引かれてるんかな。それとも円なんかな。
そりゃ、縁がなかったな。
大人しくしとけば、違って見えそうなのになぁ。
もちっと可愛くは。
[ 手を離し、僅か見えた眼から受けた印象を零して ]
……と、一応、撮っとくか。
すぐに見られないのが不便だが。
[ 鞄を開いて破損がないのを確認。
取り出したカメラで、事故現場をその場に収める ]
円だと、中心割り出し易くて楽なんだが。
線だと……世界一周しないと逆側いけないだけとか?
とりあえず左手の法則、でもやってみるかねえ。
[ 言うなり、壁に沿うようにして歩みだす。
自転車が惜しくないと言えば嘘になるが、
通れる誰かが来るのを待つのも、非効率的だった ]
可愛いのうてええもーん。
[顔を明後日に向けて、眼鏡の横から写真を取る姿を盗み見る。
外見だけで可愛い言われるのはうんざりだ。むしろ内面に反して大人しく見えるのが嫌とか、眼鏡になってちょい地味になった機会に髪ばっさり切って両親嘆かせたとか、彼とは違った苦労があったり]
…透明なもん写して見えるん?
心霊写真とか取れるんやったら凄いけど。
[昨夜もさり気なく逃げたカメラを見て呟き、さっき自分もやってた通り左手の法則する後姿に付いて行く。
その前に自転車に目を向けたのは未練だ。あれがあったら足があって楽やのに、とか。もちろん自分は乗せてもらう側]
……ま、タマキちゃん家がこっち側なんは良かったわ。
世界の果てまで行っても会えないんは辛すぎるもん。
[餌付け目立ちすぎてるけど、実は子供の頃から懐いてます]
[走り込みに使う川原の土手。そこを引き返しながら、途中架橋を渡り街の方へと。そこからまた隣町へと続く道路を進み、また壁にぶち当たる]
こっちもダメ、か。
[壁に触れる体勢で居ると、横の道路を車が普通に駆け抜けていった。良く見れば歩行者も自転車も、自分以外の者は難なく壁を抜けていく]
……え、なに、アタシだけ通れないの?
[驚いた表情で瞳を瞬かせたのは言うまでも無い。来た道を戻れば、しばらくの間ちょろちょろと小道を進み、壁伝いにどこまで続いているのかと、他に同じ状況になっている者が居ないかを探す。ちなみに左手の法則は知らないらしく、壁を右手側に置いて移動中]
ま。見てくれだけ可愛くても仕方ないしな。
[ 揶揄うように言ったものの、
外見に拘りたくない、というのは自身の格好からも現れている。
だから、それ以上深く突っ込むこともなかった ]
ん?
アレとかソレとか写る事はあるけど。
見えるはずのモン撮ったら見えないとかな?
[ 何処まで冗談か否か解らない口調で言って、
彼女と同じ行動をしているなんて気付かぬままに歩んでいく。
結果的に生徒会会計と鉢合わせて、
昨日の事がフラッシュバックされ、反射的に身を引くことになった ]
[進んだ先で見えたのは、昨日生徒会室に殴り込み(違)をかけてきた男子生徒と、見慣れぬ女子]
あれ、昨日の。
なに、デート中?
[全く見当違いのことを言ったり。当の幸貴はと言うと、ハーフパンツにTシャツ、首からタオルをかけているいでたちから、運動していたと言うことは分かるだろうか]
てかそんな会っていきなり引かんでも。
[反射的に身を引かれて少し呆気に取られた]
あー…… えーと。
[ 元は同じ学年だったのもあるし、
曲がりなりにも相手は生徒会役員。
見覚えはあるが名前は思い浮かばず口ごもる ]
まあ、反省してるってことで。
これは単に、家鴨の子みたいなもんと思って下さい。
[ 背後を指しつつ何とも微妙な紹介。
相手にも何をしているかと問いかけて、
姿を見て納得――が、右手の位置に瞬く ]
……て、あれ?
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