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[厨房の入口近くで立ち止まり、ヘルムートがブリジットに向かって、詰問めいた問いを投げるのを見る。
彼女が部屋から出なかったのは、自分に止められたからだと口にしたなら、否定するように首だけを振った。
その行動は、彼女に更なる不安と恐慌をもたらすものだったかもしれない]
ヴィアベルさん!
[パニックに陥ったらしいブリジットが投げつけたナイフがヘルムートの腕に朱を散らすと、案ずるように声をあげる。
否、真実少年は案じていた。
追いつめられた人間は、何をするか判らない、ヘルムートが万一返り討ちにでもあってしまったら、目的が果たされない]
[だが、案じる必要もなく、ヘルムートは外へと逃げ出したブリジットを追い......やがて闇の中に、朱い血が散り、命が散る]
ああ......
[外まで彼等を追った少年は、その瞬間大きく目を見開いて、ふるりと身体を震わせた*]
─ 団長の部屋 ─
え? やるぞ、って……。
あー、あ、うん。
[青ざめていたらいきなり促され>>2:61、訳もわからないまま頷いた。
それが掃除の手伝い、と気付いたのは状況を把握してからの事。
亡骸に直接触れるよりはいいか、と割り切りそちらは他者に任せ、道具が揃うと床の赤を落としにかかる]
こんなになっちゃうと、内装入れ替えとかしないと使うの辛いだろうなあ。
でも、村予算にそこまでの余裕あるっけ……。
[なんでそんな事まで知ってんだ、的な呟きをもらしていると新たな発見>>2:74が伝えられ、なになにっ!? と声を上げた直後に後ろ頭をべしられた。>>2:80]
……ひどいやにいさん。
[ぶつぶつと文句をいうものの、誰も聞いちゃいなかった]
中央教会って、案外いいウワサ聞かないんだよねぇ。
意外と黒い事してるとか、そういうのは……おっと。
[教会からの書簡と、そこから導き出された結論に何事かいいかけるものの、さすがに現職の神父もいるし、とそれ以上は自重した。
いろいろないみで遅いかも知れないが]
んん?
ぼくの推測では、あの人は色々と訳アリの様子だから……。
[その後、エーリッヒから振られた話題>>2:99は、色々と気になる相手が絡んでいた事もあり、色々と交えた自説を語り出す。
半分以上流されている事には全く気づいた様子もなく]
う……。
す み ま せ ……。
[口が止まったのは、頭を鷲掴みにされてから。>>2:105
向けられるいい笑顔に抗う余地はなく、その後は黙々と掃除を終えて]
あ、じゃあ、ぼくは……。
[掃除が終わり、道具の片付けはエーリッヒが引き受けてくれるというので、少し考えて]
ちょっと、調べものしてきまーす。
[そう言って足を向けるのは三階の図書室。
その後、階下で起きる事に気付く事はなかった。**]
[ヘルムートが唱えた言葉を聞き取ることは出来なかった、けれど、小鳥の囀りの如き声に、はっと周囲を見渡す]
小夜啼...鳥...?
[小鳥の姿はどこにも見えなかったが、先のヘルムートの言葉を思い起こさせる現象に、その名が口をついて出た。
死をもって判ずる者......ブリジットに向かって彼がそう宣したのを改めて思い出す]
ヴィアベルさん...
[こくりと、喉が鳴る。逃げ出そうかとするように、じり、と足が一歩下がるが、踏み留まって。
じっとその背を見つめる]
[心に、身体に震えが奔る。ブリジットの零した朱に白い指先を染めた、その姿が]
[恐ろしく、そして]
[余りにも、美しくて]
─ 集会場・外 ─
[ゆらゆらと、ブリジットの上で揺らめく純白の羽を見つめる。
所詮お伽噺だから、と。
特別な力など、残っているはずもない、と。
そう言って、幻燈歌の暗唱以外の事は教えてはくれなかった亡き父の言葉とは裏腹に、発現したそれは複雑なものを胸中に呼び起こす]
……いや、今はそれどころではない、か。
[背後に感じる、こちらを追って来た者たちの気配。
は、と一つ息を吐いて、ゆっくりと立ち上がった]
……死を持って、見極める者として。
小夜啼鳥に、問うてみたのだが。
[静かに紡ぎつつ、深紫はゆるり、少年へと向けられる。
そこにあるのは、静かな──静かすぎる、ひかり]
……君は、確かに。
彼女が人狼である、と判じた……のだよな?
[確かめるよに問う声は。
瞳と同じく、静かな響き帯びたもの。**]
─ →1階 ─
[1階へと降りる前、必要になるだろうから、とリネン室からシーツとタオルを引っ掴む。
替えのシーツとタオルなくなっちまうんじゃねぇの、などと場違いなことを思いつつ、裏手の扉──勝手口のある厨房の方へ]
上から外が見えてたんだけど…何であんなことに?
[当事者からはまだ遠い位置。
向かい合う形のヘルムートとウェンデル以外にそう声をかけ、事情の説明を求めた*]
― 厨房 ―
あ、エーリッヒさん。
ブリジットさんが人狼だって、ウェン君が言って。
そしたらヘルちゃんが、動いたの。
[すべてが終わった後。
事情の説明を求める画商に振り返り、知る限りの事情を彼に告げる。
離れた場所で対峙する2人の会話まではまだ、ここまでは届かない]
……そのシーツ、ブリジットさんの為に?
[答えに是が返るならば、その手伝いを申し出た**]
─ 厨房 ─
[問いに声を返してくれたのはカヤ>>31。
要点を纏めたそれを聞き、エーリッヒは対峙するようなヘルムートとウェンデルを一度見た]
ウェンデル君がブリジットさんを人狼と言って、か。
[カヤに視線を戻しながらの呟き。
ヘルムートが手を下したのはこの目で見ているため、その行動の起点となったことを知り、やや合点のいったような表情をする]
でも、ヘルムートさんは「誰かが誰かを人狼だと言っても、直ぐには信じられない」みたいなこと言ってなかったっけ?
それなのにそれを信じて動くだなんて。
[行動の矛盾を指摘して再びヘルムートを見遣った]
あ、うん。
丁度リネン室の傍に居たから。
きっと必要になると思って。
[シーツを指摘されて、カヤに一つ頷きを返す。
手伝うと言われて是を返し、外へ向かうために勝手口の方へと近付いた]
ヘルムートさん、タオル要る?
[怪我をしたことは知らないが、事を為したことで必要になっていないかと声をかけ。
必要と言われるなら持って来ていたタオルを一枚渡す]
後でで良いから、ちゃんと話聞かせてくれるかな。
[それはヘルムートとウェンデルの両方に向けた言葉だった]
─ 外 ─
[勝手口から外へと出て、浜辺に横たわっているブリジットの骸へと近付く。
掻き切られた喉が痛々しい。
カヤに頼んでシーツを広げてもらい、その間にタオルでブリジットの顔や服に付いた紅を可能な限り拭い取った。
そうしてからブリジットを抱え上げ、広げられたシーツの上へと運び、包み込む]
ってて……
下まで運ぶのはまだ無理かな…。
[シーツに乗せるまでは我慢出来たが、運ぶとなれば足がまだ持ちそうにない。
クレメンスが居るなら手伝いを願うのだが、彼はどうしていただろう]
― 一階 ―
[ヘルムートとウェンデルの会話に、男は口を挟まない。
けれど、結果を知る為に男は後をついていき、厨房から一歩外へと出る。
彼女の最後の時には小さく聖句を紡ぐ。
それが今、男にできる事だったから。
エーリッヒに気が付くと、小さく手を振って、気が付いたことを示した*]
.........ねえ、ヴィアベルさん、人狼は、人間を喰らいたくてそうしているのだと思いますか?
[祈りを捧げる姿勢のままで、静かに問いを投げる]
もしかすると、人狼も、人を喰らうことが嫌で、悲しくて、でも喰らわずには生きられないから......そうしているのかもしれない。
僕は、そんな風に思うんです。
[そう言って、再びヘルムートを見上げ、微笑みを浮かべる。その頃には、エーリッヒ達も近付いてきていたか]
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