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は?
[オトフリートの前で止まった上層部の人間は、オトフリート、ではなく彼が腕に抱くベアトリーチェにであった。
絵師が描いたものかどうかわかる。などというのはわからなかったが、ベアトリーチェが疑われたというのはわかって、思わずエーリッヒを見る。
最もその表情は陰になって見えなかったが]
仕方ない…なんて言いたくない
[静かに静かに呟く。ただベアトリーチェが盗んでないとかさえ知らなくて
すまないとも。ごめんともいえなくて]
ベアトリーチェ。
[それでも何も言わずに見送ることも出来なくて声をかける]
大丈夫…だから、な?
[それは、戻せるといったエーリッヒにも言うように。告げて]
ん?おばあちゃん?…ああ、わかった。ミリィ先生にいっとく。
[少しでも安心を与えれたならよかったと思う。ただそれは己の自己嫌悪を紛らわせるためなのかもしれないと心が晴れるまでには至らないが]
[そうこうしているうちに上層部の連中が選び出したのは]
んな!? ……あいつら、あんなちっちぇ子に疑いの目向けやがんのかよ!!?
[苛立たしげにそう呟き、エーリッヒへ封じの依頼をするためこちらに来た連中に口を開きかけるも、エーリッヒに制止される。]
な!? 兄ちゃん、何で…………くっ。
[文句を口にしようとするも、こちらを見るエーリッヒの視線に口を噤む。
そうして、抗弁の間もジッと怒りに満ちた眼で上層部の連中を睨んでいたが、周りから漏れ出る肯定の囁きにとうとう沸点をオーバーし、]
……っざけんな!! てめぇら、自分さえよければいいんかよ!?
こんなちっちぇ子を寄って集って………くそっ!!
[そう言うと、苛立たしげに広場をあとにする。
無論、その苛立ちの中には何も出来なかった自分への怒りも多分に*含まれていた*。]
[ふらり、歩いていると
上層部の人間が歩いていくのが見える。
その中に、絵師の金髪が見えた気がしたのだけれど、
ごきげんよう、と声をかけても勿論振り返る訳も無く。
少女は籠を持ったまま、眉をさげた。]
…ちくしょうが!!
[絵師と一塊の集団が消えるのを見送ってから毒づき、地を蹴る
ユリアンが自分より一足先に感情を横でむき出しにしていたからこそ止まれたのかもしれないが]
忘れねー内に…いかねーとな。
ミリィ先生。診療所にいるかなぁ。まあブリジットはいるだろうし
[気を静めながらも言われたことをと思って、広場から診療所目指して歩き出す]
[民衆のざわめきの中に混じって、その顛末をただ見ていた。
幼馴染みの怒鳴る声が聞こえる。
ぐ、と拳を握り締めた]
…僕は、何を。
[言ったところでどうにもならないと知っていて、それでも何もできなかった己に歯痒さが生まれた]
―診療所―
…ども。…あ、ブリジット。いやいや、別に怪我でも体調悪いわけでもねーよ。
んあ?暗いって…いや、なんてーか。…広場で何があったか知ってる?
[とブリジットに聞けばミリィ先生から聞いたといい同じように表情を暗く。少ししてすぐ気を取り直したようにする。ってことは]
で、ミリィ先生いるんかな。ちょっと頼みてーことがあって、奥にいるんだ。調査?
[そういっていた。そして何か実験をしていたとも]
若くなるための実験…だったりして
[怒られますよ。と苦笑するブリジット。直後、悲鳴でもないが、驚いたようなミリィの声があがる]
[アーベルと、ユリアンの怒声。
肩を竦め、籠を抱いて周りを見回した。]
……いや。
[小さく、口の中で呟く。
ふるふると頭を振って、きゅと目を瞑った。]
[『絵師』と少女を含めた一団が去り。
集まっていた人々も、徐々に解散して行く。
彼らが口にするそれは無責任な噂であったり、誰かへの疑いであったり。
その中でただ独り、アトリエのある方向を見て]
兄さん…
[ちらと見えた横顔を思い、言葉は小さく揺れた。
それから俯いて、自宅へ**]
[驚くこちらを余所に、またですか。というようにしているブリジット。
そして奥の部屋を開ければ、その部屋には広がる黒と。唯一染まっていないミリィの体が横たわっていて]
ちょっ!?ミリィ先生!?
[ブリジットとともに駆け寄る。かすかに呼吸をしていてるようだが、ブリジットがいうには眠りとな似て異なるというものらしく]
そりゃよか…いや、よくねえけど…ブリジットは何してたかしらねーの?
[それは知らないといって首を振る。
そこで何をしていたか知れば、調べたものの一部が見つかるのかもしれないが、それを知らぬ...はミリィを抱え寝台に運んだ。]
どうすりゃ…いや、とにかくしっかりしねえとな。わかんねーけど
なんとなかなる。だよなっ。ブリジット
[暗い空気をなくすように言って]
あ、そういえばなんだが、ベアトリーチェにおばあさんに薬をとかいわれたんだが…知ってる?
[聞けばそれは知っているらしく。任せてよいようなのでほっとしたところに患者が運ばれてくる。
この事件によって起きた諍いで起きたけが人であるらしく]
ぁー…大変そうだし、治療とわかんねーけど、手伝えることある?
[そこから手伝うことになり、ミリィのことを聞かれたらわかることだけ説明しながらブリジットの指示を聞く。そんな患者や薬をもらいに来た人間より、ミリィが原因不明で意識を失っている。と広がるだろう。…若返りの薬を作って失敗したとも少し広がるかもしれないが、なれない仕事に四苦八苦している...には*知らぬこと*]
─広場/封じを受ける前─
[アーベルと、ユリアンの返事。
それに感じたのは、強い安堵。
二人なら、弟をしっかり支えてくれるだろう、と感じつつ、上層部の者たちを見やる]
……ちょっと、待てよ。
[掲げられる理論に、口をついたのは悪態。
それから、声を上げようとするユリアンを制し、自身が口を開く]
いくらなんでも、強引すぎるだろうが!
この子は、何度かアトリエに出入りしてるし、俺の描いた『絵』も何度か見ている。
だから、筆跡を追えたとしても不思議はないはずだ!
[さすがに横暴だろう、と食って掛かるものの。
アトリエに出入りしていたのなら、絵筆の場所を知っていてもおかしくないのでは、と逆に反論されて]
……ちっ……。
これだから、古い連中はっ……。
[苛立ちと共に吐き捨てた後、唇を噛み締める。
このまま、こちらの我を通すのは容易いが、しかし、それがどこへ繋がり、何を導くか。
それは、容易に察する事が出来て]
……わかった。
[零れたのは、低い呟き]
[こちらを真っ直ぐに見つめる幼馴染、その目を静かに見つめ返し。
そちらには何も言わず、少女の傍らに膝をついて]
……ごめんなぁ。
少しの間だけ、我慢してくれ。
[ため息まじりの言葉は、消え入りそうなもの。
その後、アトリエへと戻り。
初めて生者を描いた事による消耗は、死者のそれを描いた際とはかけ離れていた]
……悪いが。
少し、一人で休ませてくれ……。
[絵を描き上げ、監視と称してついてきた上層部を追い出した、その後の記憶は*途切れたまま*]
[怒る者、悲しむ者、去る者、残る者・・・・全ては遠くその目に映る]
馬鹿げているな。
[くちゃり、と蜜蝋を奥歯で噛み締めて。男は空を・・・・空を閉ざす岩の天蓋を見つめて嗤った**]
―広場―
ビーチェが?
なんで?
[きょとんとして、
それから、ああと思い当たった。]
「お前もあれ怪しいと思ったのか?」
あれ?
違うよー。さっき泣いてる子がいたから
「なるほど。まあそんなとこだ」
サンキュ!
─封じを受ける前─
わ、わ、わ――司書さん?!
だいじょうぶだからっ、ごめんなさいっ!
[オトフリートに抱きあげられ、頬が赤くなる。
ふい――と、横をむいた]
……あたし。もう12さいだよ。
抱っこされて喜ぶ齢じゃないし……。
[そして眼前へやってきた一団、
何となしか地位などは雰囲気から察せられた]
[彼らよりつきつけられた罪状に対しては]
あたしが?絵筆を?
はあ。
しらないよ?
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