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―二階・個室―
恐らくは、そういうこと…だな。
[そこまでは先と変わらず、小さな声だったのだが]
…ん。
あ、嗚呼。
[上ずった声に顔を上げる。
裾から手を離して、蒼は隠れた]
なんだ、お前でもそういうコトを気にするのか。
[表情は何故か悪戯めいたものになる。
入口傍から離れ、オトフリートに近付いて]
―台所―
[ハインリヒとローザの遣り取りには忍び笑い]
ありがとうございます。
でも、旦那様に怒られてしまうわ?
[そんな冗談を言ったりもして。
広間に戻ればカップを配っていった]
─二階・個室─
……あのな。
普通、気にするだろうがっ!
[普段、意識しないようにしている反動か。
こういう時は、逆に動揺が出やすいようで]
……な。なんだよ?
[悪戯めいた表情に、何となく、嫌な予感が過ぎる。
廊下から聞こえる、ばたばたという忙しない音がそれを更に助長した]
お嫁にくるのでもお嫁にもらってもらうのでも、どっちでもー?
[ころころと笑いながら言ってるが、本人は本気なのだろう。
ウェンデルが走り去る様子には、驚いて幾度か瞬いて見送った。]
さて、よくわからんが、これ、届けてくるか
エルザ。俺のやつは適当に置いといて
[おねむなイレーネとその隣にいるフォルカーを一瞥後、エルザにそう一声かけて、封筒を手に、廊下。二階へと向かった]
―→二階―
―二階―
…で、なにやってんだ?ウェンデル
[なんだか部屋を一つ一つ空けて確認してるような
物盗り?とかいう単語がちらっと浮かんだが黙っておいた]
─広間─
[ぺち、と頬を叩かれると軽く眉根を寄せて。目を擦りながらゆっくりと起き上がる]
……喉、渇いた───。
[小さく要望を口にすると、丁度飲み物を運んできたエリザベートがホットミルクの入ったカップを持たせてくれた。そのまま口を付けて、一口喉に流し込む。熱すぎない程良い温度。一度口を離し息を吐くと、今度はゆっくりとしたペースで一気に飲み干した]
……は、ぁ。
[大きく息をつくと、カップを持ったまま縹色を何度か瞬く。今度こそ、目は覚めたようだ]
―2階・廊下―
オトフリートさんの部屋を探してるんです…!
[けっこう切羽詰まった声だった。
かなり危険だと思っているらしい。
しかし切羽詰りすぎて、あんまり声は高くなかった]
だって、危険なんですよね!
[開かないの確認して、次の扉へ]
―二階・個室―
ほゥ。
暫く見ないうちに色づきおって。
[廊下の慌ただしい音は聞こえていたものの、動きは止めなかった。
同い年の癖に妙に年を食ったような事を言いながら、目の前に立つ]
折角だから、少し遊んでこうか?
[にやにやとした表情から、冗談であることは伺えようか。
手を相手の顎に添え、顔を近付けたところで]
…ん?
[扉の方から音がして、振り返る]
あん?いや、そりゃ危険だが
オト兄の部屋ならそこだぞ
[慌ててる理由も知らずに暢気な態度で、ちょうど今ウェンデルが手をつけている扉の向かいの扉を指差す
でも危険といえばこうして皆の場所から離れてる俺らも危険だよなーとか思ってる]
反対…!
こっちですね!
[当然猫には気付かない。
言われるままに反対の扉に向かう。
そうして、遠慮なく、ノックもせずに、ドアを開けた]
ヘルムートさん、ご無事ですk――
─二階・個室─
……色づいた、って、あのな。
[冗談なのは表情からわかるのだが]
遊ぶって。
か弱い病人相手に何いってやがりますかと。
[こんな時だけ病人ぶるのか、と突っ込まれそうな事を言うのと、扉が開くのは。
果たして、どちらが先立ったのやら]
いいこだなー。ユエは。
[なでなで、ぬくぬくっとしてから]
どした?ウェンデル。そんな固まって
[そういいつつ、ユエをともに部屋の中を覗き込んでみた]
―広間―
ええ。いってらっしゃい。
[慌しいウェンデルには少しだけ緊張したが。
そういえばと思い出してユリアンに頷き見送った]
はい、ホットミルクよ。
[ぼんやりと喉の渇きを訴えるイレーネにカップを持たせた。
左肩がじわりとして少し揺れたが、問題にはならずに渡せた]
―広間―
カワイイお嫁さんをもらうってのも、わるかぁない。
[ローザが笑いながら言うのにそんなふうに返し、
2階からバタバタと足音が聞こえれば表情を曇らせる。
研究の資料があるから鍵はかけてあるが、なにか落ちて割れたりしたら困るな、と]
とはいえ…足音がこのくらいなら心配いらないか。
[足音はかけ上がっていった教え子の物か。
追っていったユリアンが突然騒ぎ出した…ではないだろう。
ふと目を向けたフォルカーがイレーネをぺちんとやったのには目を丸くしたが、
エルザにホットミルクを飲ませてもらってが覚めたらしい様子に]
あいつ、そんなに手間のかかるやつだったか…?
[少し予想外だというように、首を傾げ…
そういうところはやはりまだ子供なのだと思って頷いた]
…おや。
如何した、そんなに慌てて。
[手は顎に添えられたまま。
当人は何でもない風に、開いた扉の外に向けてそんなことを言った]
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