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[同時に空気の流れのようなものを頬に感じた。
知る事が出来るという事は、死神の力の混ざったものなのか。
それから周囲を見回すと。
気配が増えた気がした。]
………だれか、また、死んだみたい…。
[ウェンデルがまだ近くにいるようだったら、伝えるようにそう悲しげに告げた。]
ああ、良かった。
[エーリッヒの声が聞こえて顔を上げた]
[支えられる者がすぐに来てくれたことに安堵の息を吐く]
…さて。
死後のことなど生きている間は誰も知らないものだけれど。
[状況を確かめようとぐるり周囲を見渡した]
―ユリアン宅―
毎回、それなのか。
[ユリアンの返答に、眉を寄せつつ返す。
ミハエルの問いにはこちらから答えて良いものか、迷うようにユリアンを見。
けれど]
……どうした?
[不意に途切れた言葉に、ミハエルに視線を戻した]
[言葉の追求はそれ以上続かずに、指の力が抜ける。持たせてもらった、水いりのコップが、]
また。……… とぎ…、れた。
[手をすり抜けて落下した。]
─道具屋─
[かけた声に対する反応を見て軽く眉を顰める]
──レナーテが?
また、か……。
[端的に告げる様が痛々しく、傍にしゃがみ込んでいつものようにユーディットの頭に手を伸ばした]
……大丈夫か、ユーディット。
[ショックを受けているだろう様子に、ひとまずそう声をかける。顔には心配げな表情が浮かんでいた]
―自宅―
起きてるときは。
[親友にはそう答えた後に、
レナーテの消える気配、夢にウェンデルのことを見たときと同じように感じたそれ]
ああ、ゼル、ミハエル。
探しにいくぞ。
レナーテを。
[はっきりと、告げる言葉、ミハエルの様子に気付けば]
大丈夫か?
[コップが地面に落ちて、割れ、水が広がる]
―回想―
人生、ほどほどっていうのが一番難しいと思うんだ。
[まじめくさった顔で言い切るのだった。]
っていうか死んだひとがこうやって話しているのが不思議だよね。
僕もだけど。
死んだらこうなるのが普通なのかな。
[そんなことを言いつつも。
ヒカリゴケが普通に食べられるというのに、やっぱり及び腰のままなだ。]
いやその。
あれってひかるものじゃん。
体の中で光りそうっていうか、怖い。
─白雪亭─
[ごそごそと救急箱を探していたが]
あ、あったあった。
[それを持ってイレーネの元に戻る。
そうして、てきぱきとイレーネの怪我の手当をしていたが、]
!? そ、れは…………
[手のことに触れられると、ビクッと手が止まる。
わずか逡巡するが、立ち上がると左手の袖を捲くる。
長めの袖に隠されていた雪割草のしるしを見せると、]
あの時、これが浮かび上がってきたんだ。
痛かった以上に……怖くてね。それで座り込んじゃってたんだ。
[はは、と自嘲気味に笑いながら、自分も手近な椅子に座った。]
―ユリアン宅―
[滑り落ちていくコップ。
青年の立ち位置からでは、それに反応できずに]
……途切れた?
[ただ聞こえた声に、訝しげに眉を顰める]
[あまりにリアルな想像は笑いを誘いすぎる。
実際今も近くにいるのを知ったら、大喜びで撫でろと思ったことだろう。]
笑い死ぬかと思った。
[しばらくして発作をおさめて、真剣に言った。
それからきのこの名を聞き、ゲルダを見て。]
ああ、なるほど!
ゲルダ美人だもんね。
緑色だからかぁ…。
―ユリアン宅―
[そうして次に親友が挙げたのは]
……レナーテ?
[この場にはいない人の名前。
間が空いて、……息を飲む]
まさか。
どれくらい。
見ていられるものなのかな。
[完全に切り離されてしまうのはまだ悲しい]
[残してきた者に未練がないなどとは言えなかった]
…見ていなければいけないものになるのかな。
[自嘲が浮かぶ]
[それからゲルダの言葉に、首を傾げて。]
エーリッヒ?
[刈られないとは何が何なのか。
さっぱりわからないという顔をしていた。
それからゲルダの言葉に、きょとんとして。]
そうなの?
じゃあどこかに行けば会えるのかな。
ええと?
[きょろきょろとあたりを見回してみる。]
─道具屋─
……大丈夫、だ、よ?
[こてり、と首を傾げて問いに答える。
撫でようとする手は、避ける事はなかったけれど。
向けられる表情から、心配かけてる事に気づいて、少しだけ困った]
でも。
……レェねえ、が……。
[だからというわけでもないけれど。
次に口にするのは、消えてしまった人の妹を案ずる言葉]
[もし同じ思いを共有できるかもしれないとしたら]
…ゲルダ?
ウェンデル?
[小さな声で自分より先に消えた者達の名を呼んだ]
[長の名を呼ばなかったのは見栄だったかもしれない]
─白雪亭─
あ、そんな大袈裟にしなくても…
うん、それだけでいいよ。ありがとう。
[てきぱきと手当てをしてくれるのを見れば、申し訳なさそうに笑って。
手のことを聞いたベッティが左手の袖に隠していたしるしを自分に見せ、怖かったというのを聞くと、そっか…と呟いた後、頭を軽く抱くようにして撫でた後微笑んだ。]
…うん。怖いよね。
あたしも、怖い。
[そういって首から胸元を隠していたスカーフを外してその下のボタンも数個はずし、肌の真中に咲いた蓮華草のしるしを見せた。]
[硝子の落ちて割れる音が、妙に遠い。]
──────。
[>>16 ユリアンが口にした名前に、
びくりと肩を揺らして]
レナーテ、は
……… みつ…、から…ない、と、…思う。
[割れたコップは視界に写っているのに、
謝らないと、と、思いいたるまでの思考がやけに鈍く]
…死神の影がエーリに何度か伸びて、エーリを刈り取ろうとしてたけど、エーリには死神の力が通用しないみたい。
[あるいは『もう一人』が言うように、何かを伝えようと死神が訴えているのかもしれないが。
とにかく、エーリッヒは平気なんだとウェンデルに説明してから。
どこかに行けば会えるかな、という声にはこくり小さく頷いた。]
…行こっか。
たぶんあっちの方。
[風が吹いた先は、道具やの方だった。
場所柄、思い出されるのはそこに住む兄妹達。]
─白雪亭─
あたしは誰にも、言えなかったから。
ベッティは、強いね。
[相手に印が無ければきっと、自分はこれを見せることができなかった。
ベッティのしるしをそっと撫で、哀しげに微笑んだ。]
[ふわと近づいてゆくと、名を呼ばれた。聞き覚えのある声に。]
レナーテ…。
[ぽつと呟き、呼び返した。
近づけば、姿を見ることも出来ただろうか。]
─道具屋─
……大丈夫そうには、見えない。
[強がっている訳ではないのだろうけれど。大丈夫と言って首を傾げるユーディットを見て、思い切り眉根が寄った。ユーディットの頭を撫でていた手で少女の頭を自分の胸へと引き寄せる]
このことを知ったイレーネのことも心配だけど。
俺はお前がそんな顔をしているのを見る方が、辛い。
虫の。知らせと言うのがある──だろう?
[平坦な声が、目の前に置かれたゼルギウスの問いに、反応したように答える>>18。]
直感とか。
…天恵とか。
閃きとか。
昔から。
ふとすると、そう、いうのが、あって──…、
なんとなく…… わかる、ときが、あるんだ。
誰が、何を、背負っているか、とか。
[薬師の方を見て答えるは、意図せずのことでも、ちらりと──それを伺ってしまったからからか。]
―ユリアン宅―
[空虚に響くのは割れる音。
途切れがちの声に、漸く思考が廻り始め]
……怪我は。
[常ならば真っ先に問う筈の言葉を、随分遅れてミハエルへ向けた]
ああ。
やはり同じようになっていたのだね。
[呼び返された名に身体ごと振り向く]
少しぶり、とでも言えばいいだろうか。
[ゲルダとウェンデルに向けて淡く微笑んだ]
エーリッヒって何か凄いんだね。
[まちがったかもしれない感想を抱いた。
あっちと言われて、頷いてそちらへ向かうと、そっと声が届く。]
あ、レナーテ。
……レナーテも、死んじゃったのか。
[名前を呼んで。
それから小さく呟いた。
とりあえず姿が見えるところまでは行くことだろう。]
―自宅―
[ミハエルの頭をそっと撫でて]
そうか。
[そうとだけ、言い]
コップは問題ない。
新しいの持ってくる、少し座るといい。
[理由は知らないが、何かがミハエルにも見えたのだろうと。
恐らく自分と同じ結論にいたるものを]
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