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あの素敵なおうちは誰が住んでいたのかと気になってたけど
そうなんだ…ご両親は一緒じゃないのかい?
[娘もあのくらいの年頃には店番もやっていたけれど、其れとは違い育ちの好さそうな少年がやらねばならぬ事はどのようかものか。自分達のように自活するだけではない何かを想い馳せ。クロエの表情を識るにそう理解するに至る。]
ン――――…
うん、こちらこそなのだよ
[取り付けた約束が多いのは、これからも変わらぬ日を想う気持ちが強いから。また本の話に興じたり、幼馴染達と語らいたいがために、日常を崩される事は望まなかった。手にした本をぎゅうと抱きしめ、愁いの表情を娘は浮かべた。]
─村の通り→墓地─
…………。
[詰め所を離れ、少し行った所で足を止める]
少し、気ぃ、鎮めてくか。
[小さな声で呟いて、足を向けるのは墓地の方。
たどり着いてみれば、昨日捧げられていた花は風に吹き散らされていた。
その中を進み、両親の墓の前に立って。
しばし、目を閉じる]
[邪魔ではないと言ってくれるカルメンに、ありがとうと微笑んで。
自分の言葉に不思議そうな顔をしたライヒアルトが、ブリジットから手渡された本を数頁捲り中を確認したのを見れば同じような笑みを向けた。]
うん…あ、えっと。
面白いのは、保証するよ?
[怖い話は得意ではない自分でも、ブリジットのそれは引き込まれ最後まで一気に読み上げられる程だったから。
そうライヒアルトに言って、こちらの礼に頷きを返されると擽ったそうに微笑み返した。
ユリアンがカルメンの人形をいい人に届けると言うのを聞けば、嬉しそうに微笑んだ。]
そうだね。
こんなに大事にされてる子だもん、ユリアンさんなら大切にしてくれる人のところに届けてくれるよね。
……ったく。
やっぱ、どう考えてもガラじゃねぇんだよなあ……。
[ぼやくような言葉は、何に対するものなのか。
俯き加減の表情は、長く伸ばした前髪に隠れて窺えない。
俯いたまま、ポケットの中に手を入れて、瑠璃のダイスをつかみ出し。
目を瞑ったまま、空へと投げ上げ、受け止めた]
[イレーネの暢気な声>>473に肩を落とす素振り]
幼馴染と旦那があらぬ疑いを掛けられても良いのかよ。
……ま、この村にそんな奴はいねぇからいいものの。
お揃い、ねぇ。
別にゼルギウスとお揃いになりたいわけじゃ……
[ぶつぶつと紡ぐ言葉は独り言じみてきていて]
……と、そろそろ行くか?
自衛団長殿に話をしに。
[イレーネ達が同行するなら保護者はいらないか、と考えるが
イレーネは身重でゼルギウスはというと彼女の事で手一杯だろう。
行くなら同行する心算でクロエとゲルダを見遣る**]
あ、うん。アーベル、さん。
[カルメンから名を聞き返されると、そういえばと思い肯定するも普段呼びなれぬ呼称はぎこちなく。
人馴れしていると言われれば蒼鷹はカルメンの方を向いてこきゅ?と首を傾げたか。
箱の中、中央の細工について肯定されればやっぱり、と微笑んだ。]
ゼル兄達の作る細工も綺麗だよね。
カルメンさんもゼル兄もイレ姉も、魔法の手を持ってるみたい。
[そう言ってそれぞれに微笑みかければ、どんな表情が返ってきたろうか。
イレーネとおなかの子に対する気遣いに対して大丈夫といわれれば安堵の表情を浮かべた。
イレーネも共に同行すると聞けば、うん、と頷いて。]
でもイレ姉。無理はしないでね?
もしも辛かったり痛かったりしたら、届けものくらい私が代わるよ?
もし直接渡さなきゃいけないものなら、ギュン爺ちゃんに取りにきてって頼んでおくし。
……ん。
そう、きますかい。
[開いた手の中の出目を見て、小さく呟く]
ま、どっちにしても。
……勝負事なら、勝つか負けるか二つに一つ、だしな。
動きやすいように、動くまで、か。
[瑠璃のダイスを再びポケットへと戻しながら独りごち。
それから、改めて墓を見る]
……それで、いいんだろ、親父。
[ごく小さな声で呟いて。
それから、くるりと踵を返す。
墓地を離れると、煙草を出して火を点けて。
紫煙と共に、帰途へついた**]
ミハエルさんか。
ツィターデレ家の扱う瑠璃は総じて一級品だって評判なんだよ。
年嵩の兄弟もいるはずだけど、こっちに来たりしてないみたいだし。取引の一切は彼がやってるんじゃないかな。
凄い子供だって思ってた。
[だからこその口調と態度だったのだけれど。
それでもまだ多感な少年なんだなと思ったから、過去形]
まあ、ゼルさんのイレーネさんへの態度を見てれば。
ライさんと浮気するとは思えないよね。
[聞こえても口を挟まずにいたのだが、ぼやきになってゆくライヒアルト>>481には小さく吹き出してしまった。
自衛団長の所へ行くのならいってらっしゃいと見送る形]
[そう言うと、イレーネの顔を心配そうに見つめて。
それでも同行すると言われればわかった、というもののゼルギウスに視線を向け、ゼル兄も一緒だよね?と問うだろう。
カルメンの人形について、ユリアンから手元に残したいなら、と言われれば、え、ときょとんとした後慌てた。]
えと、その、可愛いって思うけど、その。
私、こういうの持つの、似合わないし。
あんまり持ち合わせとかないし、こんな綺麗なの、買えないよ。
[女の子らしいものは持ったことがないのもあり、どぎまぎとユリアンやカルメンを見た。]
ママだとそう感じるのだね
おなかの子供と繋がっていると、嬉しいも悲しいも解っちゃうみたいだ
[元気そうなら、ほと一息をつき好かったと娘は安心する態になり。おなかの子を想う母の仕種を見て緩く眸を細めた。]
イレーネさんも用事があるのだね
それは直接渡した方が好いのかい?
クロエもああ言ってるし、頼めそうなら請け負うし、
呼びつけても好いと想うのだよ
[気遣う様子を娘は覗かせる。それでも直接向かうのならば、
ゼルギウスの事も想って大丈夫だろうかと結論付けるが。]
え、ちょ、ちょっと待ってよ
凄いなあって、想ったけど、欲しいとかそんな厚かましい事は云わないのだよ
扱わせてもらった事はあるけど――――…
お客様優先しないといけないし、ね
[ふと、カルメンとユリアンの話を聞き娘はうろたえ気味になった。欲しいとは思いつつも雑貨屋を経営する身として、そんな抜け駆けは駄目だと祖母には云い聞かされてきたから。その反面、矢張り気になるのか、欲しいとは言いだせずにおろおろしてみせるのだけど。]
や、あ、あのっ
私、その…、悪い、から!
[カルメンから礼と共に気に入ったものがあれば譲ろうかと言われれば、商売の邪魔をしてしまったかと更に慌てて手を振って。
だが、決して欲しくないわけではないので、同じようにうろたえるゲルダと共に顔を見合わせるだろう。]
買って呉れる好い人に巡り合えるとうれしいね
そうそう…品もまた、人を選ぶとも謂うし
[クロエとの人形の縁の話を聞き、頷く仕種を娘は見せた。誇りだと口にするユリアンにはそうだねと同意をして。]
でも、欲しいとか、綺麗だなって想う事は悪い事じゃないよ
せめて何が好いのか気に入ったとか伝えてあげるのも好くないかな?
[女の子らしくどぎまぎとするクロエにそう伝えて微笑み、彼女の真意を問おうと娘は言葉を待った。]
[全部、というユリアンには少し瞬いたが、その意図は察したか特に何か言うこともなく。
言葉に対する二人の反応はとてもよく似たもので、思わずくすりと笑った]
似合わないなんて、そんなことはないと思うわよ。
[テーブルに両肘をつき、組んだ指の上に顎を載せて、可笑しそうに眺め]
ゲルダさんのお店にはいつもお世話になっているし。
そう言えばクロエさんには、この間のハンカチのお代がまだだったわね。
もしよければ、お礼の代わり、ということでどうかしら。
[二人を交互に見ながら、そんな風に提案した]
ん…ミハエル君一人、みたい。
あ、使用人さんは居るみたいだけど。
[仕事している最中、たまにミハエルと話している男性を見かけるが家族ではなさそうだったから恐らくは、と。
自分の足りない言葉を補足してくれたユリアンの言葉を聞けば、ミハエルの立場や心情を思って更に表情は曇っただろうか。
ゲルダが手にした本を抱きしめ、愁いているのを見れば約束を取り付けた意味がまだあることに思い至ってその背を撫でて。
ライヒアルトからそろそろ行くか?と聞かれれば、顔を上げ頷いた。]
うん、そうだね。行こうか。
[そう言って、同行する、と言っていた面々に向かって行けそう?と首を傾げ。
他の人たちからも了承が得られるなら共に自衛団へと*向かうだろう。*]
え…そ、そりゃすごく可愛いとは思うよ?
あ、う…え、えっと…。
[ゲルダから微笑まれると言葉に詰まり。
ユリアンからも笑いかけられ、カルメン本人からもお礼代わりと言われれば赤くなりながらも欲しくないわけではないからなんといえば良いのか解らなくなり助けを求めるようにゲルダを見て。]
じゃ、じゃあ…ゲルダも一緒に見させてもらお?
[やっぱり一人で貰うわけにはいかないから、と幼馴染を巻き込んだ。**]
どうぞ?
[クロエたちの返答に微笑んで、籠をそちらに少し移動させた。
やがて詰所に行く面々にはついていかず、その場で見送る心算]
そういえば、こちらが頼んだものは今あるかしら。
[それらが一段落した頃か。
ふと思い出したように手を合わせ、ユリアンに*尋ねた*]
[幼馴染からもミハエルの事を聞いて。
何処か自分達とは纏う空気が違うことを少年から感じながら、
娘は、そうなんだ、と相槌混じりに娘は返事を返す。]
そうだね、行かなくちゃ
ずっと待ってて呉れる様子でも――無かったし
[クロエと共にカルメンの人形を眺めながら
どうしようかとも訊ねたりしているうちに好い時間となり。
待たせてしまった面々に詫びを入れながら自衛団の詰め所へと向かうことになる。]
じゃあ、行って来るのだよ
カルメンさんとユリアンはお互いにいい商談にまとまる事を祈ってる
[付いてきて呉れるライヒアルトにお願いした途端、
イレーネの話を思い出しながら娘は、]
白雪色に染まる髪、綺麗にライヒ君にも似合うと想うのだよ?
[心配を掛けさせるかはともかく、娘は想った事を口にした。]
石商人の噂と、親父から教わった話だけど。
俺もちゃんと話したのは今年が初めてだ。
うん、可愛いよね。仲も良さそうでさ。
[カルメンに、これは外すねと目線で告げる。
ゲルダが買うとは限らなくてもそうするのが良いと思った。
クロエも選ぶならそれについても同じように]
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