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……ああ。
ユリアンが犯人だったら、どっちかってと実行犯じゃねえかなと思ってる。
…………黒幕ってガラじゃねえだろ、お前さん。
[さりげなく酷いことを言っている。]
ま、そのうち見解が変わるかもしれんが。
今のところ、俺はそう思ってる。
………脅かすな。
北へ。遺跡へ向かおうと思っていた。手掛かりがあればと。お前も、暇なら少しは探る努力をしてみたらどうだ。王に任せきりのつもりもあるまい。
[探しているのは冒険者達が求めているような、在るはずの物の手掛かりではなく既に失われた物の]
[わかっているとの言葉に、こくこくと肯いて、口から手を外しました。呼吸まで止めていたらしく、ぷはぁっと大きく息を吐き出します。]
……気になること?
おう、騎士のにーちゃんもか。
[ダーヴィッドに気付き、手を上げて挨拶代わり。]
ああ、例のアレ。
ちっとばかし寝坊しちまったけどな。
[面目ないよなあ、と頭をかきかき。]
そんなのあたりまえ。だから今日は町を見て回ってたの。
でも遺跡は昼間行こうとしたら追い払われちゃったんだもん。
[そう言うとぴょこんと立ち上がって]
ねえ、一緒に行ってもいい?
[クレメンスの答えにふぅんと呟くと]
人柱ねぇ……
それで可能なのは、せいぜい再封印までだと思っていましたが
そもそも、私はあまりそういうことは好みませんし
[そう呟く彼女の脳裏に浮かんでいたのは、彼女の知る最大級のイレギュラー、ベアトリーチェのことであった]
……そんなにしっかり息まで止めなくても……。
[大きく吐き出された息に、思わず呆れたような声を上げて]
失われたものはどこに行ってしまったのか。
そして、それは何のために失われたのか。
……恐らく、みんなも気にしている事ですけどね。
まあ「ただの人間」の僕には「鍵の書」を盗む以前に前にたどり着くこともできないよ。だって凄い迷宮なんでしょ?北の遺跡は。
[クレメンツが言っていた話を思い出す。
そして『容疑者』という単語に超反応]
……もう容疑者わかったんだ!すごい!名探偵だ!
ただの甘党のおじさんじゃないんだね!
[もっと失礼な子がここに]
……ああ。そうだ。
昨夜、イレーネから気になる事を聞いた。
今のうちに伝えておく。
[かくしかで、イレーネから聞いたことを話す。
昼間に遺跡入口で会ったらしいという事、そして。
『もう会えない』らしいという事。]
……ま、会えないにしても手がかりくらいはあるだろうと思って
ここに来たんだけどな。
か、まわないが………
私と行っても得になる事は無いだろう。もしまだ自警団が見張って居るのなら、子供の姿ではどうせ追い返される。
[そしてお前がついて来ても得は無い、と言いたげに先へ立って広場から北通りへ。]
……あー、いや。
わかった、というかちょっと気になることがあってな。
本人に直接会って再確認したいところだな、と。
[あくまで『容疑者』である旨は伝えておく。
放っておくと先走りかねない。]
ついつい、止めてしまったよ。
[呆れを帯びた声にも、ふにゃりと気の抜けた笑みを返すばかりです。]
ああ、うん。
とても気になっていたよ。
ぜんたい、どうやったら捜せるのだろう。
[腕を組んで首をかたむけ、考え込むようなかっこうになりました。]
…もう、会えない?
[まさか…と、僅かに表情が曇る。]
巻き込まれたりしたのだろうか?
[詰め所は妙に騒然としているように思えた。]
あ、待って。
[一人じゃちょっと心細かっただなんて内緒だ。
慌ててこちらも動こうとするが]
……?
[一瞬だけ教会の方を振り向いた。
何かの力というか違和感を感じたような。
けれど既にいつものような天聖の力が働いているように見え]
『うーん?』
[内心首を傾げたが、すぐに小走りになってミハエルを追いかけた]
ああ……考え込んでたってしゃーないや。
[グラスに残るコーヒーを一気に飲み干し、立ち上がり]
マスター、ご馳走様っと。
[ポケットから取り出したコインをカウンターに置き、ふらり出て行った。]
ま、お前さんも単独行動は出来るだけやめといた方が
いいんじゃねえか?
……本気で『消される』かもしれんし。
[もっとも、ハインリヒの言う『消される』は推理小説やら
犯罪小説にありがちな『口封じ』の意味らしいが。]
ー教会・礼拝堂・現在ー
[ナターリエの言葉に笑う]
ああ、あなた方は、誇り高き一族だったね。
人柱というと、確かに少々聞こえは悪いかもしれぬ。
しかし、世界が滅び去るかもしれぬという瀬戸際には、自ら身を投げ出す美しい心の持ち主が一人や二人は現れるものだよ。
人間というのは随分と、崇高な生き物だとは思わないかね?
つい、って。
[返される言葉と笑みに、つい、こちらも気が緩むのを感じつつ]
……方法……は、ない訳ではないけれど、ね。
[一つ目の輪は消滅したが、ある種の手応えを残した。
ただ、確証を得るために新たに輪を飛ばして、それで同じ事ができるかどうか。
それは、彼にも自信はなく。
そんな思いがあるためか、その言葉は掠れた呟きとなって、こぼれるに止まった]
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