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[シャワーを止めて浴室を出ると、服を手に取った]
[ゆったりとした服を選んだのは武器を持てるようにするためだ]
[もっとも拳銃は彼が下げれば流石に目立つのを避けられず]
[仕方が無く昨日と同じく短剣だけを身に付けた]
[ただし、昨日と違うのが一点]
[今日は必要となれば確実に抜けるように、腰に近い場所に隠す]
―広間入り口―
…ベアトリーチェが、いるな。
[長椅子に横たわる少女の姿。
途端に襲う緊張感に目を見開く。
しかし少女が拘束されていること、どうやら眠っているらしいこと、傍らにオトフリートが付いている事で落ち着くことができ、周りに目を向ける余裕ができる]
アーベルさんと神父さまだ…
[声をかけようとしたものの、言葉を飲み込んだ。
漂う空気がいつもと違う気がする]
(昨日のこと、話してるのかも…)
[自分も訝しんだアーベルの正体に関わる話を、神父さまとしているのかもしれない。そう思い、中までは入らずそっと聞き耳を立てる]
う…
[何故か、アーベルに突っ込みをいれられると自尊心がぐさぐさと。
そっぽを向き、こめかみ近くの髪を指先で掻いてみたが、]
アーベル、私は何度も言うけれど、
君がその年まで裏通りで生きてきてくれて、とても嬉しいと思っている。
十年程前に、君が姿を消した時から、ずっとずっと、君の無事を願ってきた。これは、偽りもない真実なんだよ。それだけは、今、もう一度言っておきたいと思う。
[クレメンスは、滔々とアーベルへ語りかけた]
[大きく踏み込めば逃げてゆく。
小さく踏み込めば表層で弾き返される。
まるで猫のように。或いは柳のようにしなやかに。]
[本を元の場所に戻し、書斎を出る。
居間に入ると、人がたくさん集まっているのが目に入る。
近寄り、挨拶しようと口を開くが]
うらどおり・・・?
[小さく繰り返し、首をかしげ]
……は?
[滔々と、語りかけられた言葉はやや、唐突に思えて。
つい、上がるのは『らしからぬ』声]
何だよ、いきなり……?
[問いかけつつ。
す、と左の足が後ろに引かれる。
それは、半ば無意識の行動]
>>477
[神経を二人の会話に集中させていたから、イレーネが書斎から居間へとやって来ていたことに気づくのが遅れた。
いや、気付いたのは彼女がくり返す小さな声を聞いてからだ]
…ぎゃっ
[胸を押さえて新たな声の主を探せば、首を傾げるイレーネの姿]
あ、あ、あんたな…来るなら来るって言ってくれよ!
せっかく盗み聞きしてたってのに、気配感じなくてびびった。
[彼女は足音を忍ばせて来たわけでもあるまいし、気付かなかったのはユリアン自身の不注意の為す業だったろうが、音を立てる胸の仇討ちにそう責める。
だけども眉間に皴を寄せた顔の意味が、すぐに変わって]
あれ…手、どうかした?
[うっすらと血の滲む彼女の手を顎で示す]
……訳、わかんねぇんだけど、それ。
[背を向ける神父の様子に、感じるのは困惑]
避けるって言われても……別に、話す事もねぇし。
[正確には、話をしたくないだけ。
『幽霊』と名乗る以前の事を思い出したくないだけ]
…………。
[呟かれた言葉。
鍛えられ、また、状況が増幅した感覚は、それを、捉えて]
……聞かれても。
話すことなんて、ねぇよ。
[零れ落ちるのは、小さな呟き]
[返された言葉に、唇を噛む。
感じる微かな苛立ちは、何に基くものなのか、それがはっきりしない]
……話、それだけ、か?
[その苛立ちを抱えたまま、低く、問いかけて]
―kitchen―
[gnocchi、と頼まれて、どんなsauceにしようと考えつつ、kitchenで茹で上げる。]
seaweed's salad
海草サラダ
stuffed cabbage
ロールキャベツ
gnocchi with sauce melted camembert cheese
カマンベールチーズソースのニョッキ
baked cheesecake
ベイクドチーズケーキ
[イレーネの呟きを思い出して、こっそり耳打ちする]
ああ、アーベルさんは裏通りの住人なのさ。
俺もほんの一時期そうだったけど、アーベルさんは始めて会った時
には既にそうで、今も…そうなんだろうな。
一つのパンを得るのに必死って感じじゃなくて、俺にとっちゃ当時からして余裕があって見えたよ。
肉体的にも、精神的にも強いんだなぁって憧れたものさ…なのに。
[悲しそうに背を向けるクレメンスと、優しい神父の言葉にも左の足を後ろに引く姿がそう見えてしまったアーベルを見ながら呟く]
あんなに警戒しなくたってさ…
昨日の事でもよくわかる。アーベルさんを傷つけられる奴なんて早々いないだろうし、ましてや相手が神父さまならアーベルさんを傷つけたりしないだろうに。
…まるで何か怖がってるみたいだよな。
[勘違いかもしれない。だけどもそんなアーベルは、人との繋がりを恐れているかのようにも見える。
彼が時に見せてくれるらしからぬ笑みを思い出しながら、どうしてだろうと答の出ない思いにとらわれる]
…兄ちゃんみたいだって思っちまうような笑い方だって、できるんだし。別に人間嫌いってわけでもないんだろうになぁ。
>>484
石。
子供じゃあるまいし、何でまた石なんかいじって…
創作活動の一環として?
[手当てのなされないまま、逆の手で傷の手を押さえるのを見て]
一応消毒とかさ、しといた方がいいんじゃないか。
屋敷はそりゃあ清潔だけど、石まではそうかわからないだろ。
小さな傷でも膿んだりしたら面倒だ。
[不衛生な生活の中、そうは大きくない傷が命取りとなって足を切り落とす羽目になった者の悲痛な嘆きを思い出しながら、顔を顰める]
―kitchen―
[しかし...は動かずに、ただその料理を見つめる。]
大丈夫、かしら。
[かすかに零れた声は何のためか。
ふと、視線が kitchen knife を捕らえた。]
…to eat for live.
[小さく言葉を口にして。]
……今は。ね。
[小さく呟いて、息を吐く]
でも、いつだろうと。
俺が、話す事なんて……ねぇよ。
[告げる声は、淡々と響き。
それから、音もなく広間の窓辺へと移動する]
………
…うん?
[何だかさっきから後ろでごそごそしているような気がしたので、振り返ってみた。漂っていた空気は、アーベルが移動した事で、一気に霧散した]
えー…と、二人とも、何時からそこに?
[クレメンスは頬が赤かったりした]
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