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[抜き取られる痛みに僅かに顔を顰めつつ、鋼の筒へと息吹を込める。
コードから供給されたのか、思ったより力は満ちていた。]
−果樹園−
[暫く見ていたけれど、][視線を移して]
……それで、どうして、
ええと、
かていそうぎ?
[やっぱりわからない単語を繰り返した]
< 猫、どっかぷっつりと怒ったらしいです。黒猫に気付かずに言い募ります。 >
だいたい廃棄エリアが、どうのって、最初に、リディが言った。
おれは、それがわからなかった、し。
いなくなった人も、心配だったから、リディに、くわしい、ユリアンにきこうって、思った。
それだけ。
それに、悪い事じゃないなら、だれも、怒らないし。
誰も、かなしまない。
かなしむのは、わるいこと、だから。
< まずは、リディにそう言って >
ブリジット、少し違う。
…えと、無茶したのはあってるけど。
でも、オレが黙ってたから、ハインリヒが無茶したの。多分。
[何を黙ってたとか、そんなところまで頭が廻らなくて
とりあえず、説明。でも、多分良く判らない。
ブリジットの言葉に、ヘルガさんが来たのは判ったけれど
其方へ視線を向けて、 …そっと逸らした。
だって、…良く判らないけど、怖かったんだもん。]
ユリアンも。
< じとり。目を向けて >
リディ、が、ユリアンにとって、子どもなら、もっと、違う、やりかた、あるでしょ?
自信もつの、悪くないけど、場所とか、色々みてから、そうしなきゃ、だめ。
……みんな、痛いし、リディだって、反論、する。
おとな、なら、もっと、うまくやる。
[とりあえず機嫌が悪かったのは当たり前なのだが、極めつけはブリスの無茶のひとことだった]
……こっのバカタレ!!
[病人とかそういうこと関係なく、ハインリヒの鳩尾に拳を遠慮なく沈めた。
ゴッッ、といい音が聞こえる]
あっ、えっと。
間違えた。怪我を。
ヴィンターが治してくれたけど…。
[一応訂正してから。改めてイレーネに向き直り]
…黙ってた?
イレーネが黙ってたからハインリヒさんが無茶をした…。
[ちょっと考える]
…本当はイレーネが見つけたの?
っがぁぁああああ!!!!
[咆哮。
身体にまとわりつく冷気を吹き飛ばす。
ダーヴィットとエルザの方へと、四足で駆ける。]
ここに居るだけで危険だっつーに。
周りはドロイドが闊歩、時折誰かが消えていく。
…アイツがどう動くのか、それを確かめたかった。
どうせタイマンで話しても、同じ結果になってただろうよ。
直接対決から狙撃に変わっただけ。
アイツが、何を思い、機鋼竜に協力しているのか、知りたかった。
[それはここに居る唯一の同族だからか、それとも仕事のクライアントだからか。謝るイレーネには首を横に振り]
だから、お前のせいじゃねーって。
お前は「声」でも傷付く。
危険な目に合うのはおっさんに任せとけ。
[もう一度、わしっとイレーネの頭を撫でた]
いや別に無理とは…。
[ブリジットの言葉に返そうとして。少女が紡いだ名前とその気配に身を硬くした。自分にとっての危険人物推参。今相手の顔を見れば、多分俺は石になる。その上粉砕されるかも]
―果樹園―
[自分に向けられたエーリッヒの言葉には、情けなさそうな笑みを浮かべた]
はい、すみませんでした。
どうも僕は、昔から、お嬢が絡むとネジが一つ飛ぶらしくて。
そんな顔、しても
< と、言いかけて。
引っかき傷、ひどかったんでしたっけ。 >
……しても、わるいことは、悪いよ。
だって、みんな、かなしんでたよ。
何か、するなら、みんなに言ってから。
自分だけで、考えちゃ、だめ。
くるしむ人の事も、かんがえてね。
< リディを見て、わかった? って、猫は言いました。 >
!…ヘルガ、さ…!
あ、でも、無茶したのは、オレの所為…!
[間に合わなかった。沈められた拳に思わず目を閉じる。…声が痛いよう。
前にたくさん殴られたときの事を思い出して、ちょっと頭が痛くなった。
ブリジットの言葉には、困ったように眉を寄せて小さく頷き]
< そして、ユリアンも、もう一度見て >
ネジ、飛んでも。
周り、みえなくなるの、駄目だよ。
そういうことすると、後悔するの、自分。
< でもこの猫、一番若輩者ですが。
そして黒猫の子とアーベルにようやく、気付きました。猫、きょとん。 >
……と、言うか。
[走りはいつの間にか、歩きに]
結構、効いた、かも。
[片手は、いつの間にか、胸の呪印の上に。
その様子に、こちらもややへたり気味の従魔がきゅう、と鳴く。
それでも、歩みを進めたなら、転がる赤と、落ちる姿が目に入ったか]
……っ!
[歩みは僅かに、速くなり]
OK、んじゃその前に片付けてしまいましょ。
[駆けてきたマテウスを一瞬だけ見やりながら、ストールに接吻けて。]
[前を見据える。]
< アーベルが見るので、ふしぎそうな顔になりました。
でも、ユリアンへの言葉に同意したリディに >
わかってるなら、リディも、そうやって、まわりみないで、やらない。
ちゃんと、まわりのこと、考えて。
おれのことも、元気に、してくれたし。
リディは、できるって、思うよ。
きっと、ユリアンより、ずっと、すごくなるよ。
だから、もう、これ以上、誰か、かなしむ前に、ちゃんと、はなして?
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