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村の設定が変更されました。
[自宅に戻り、籠を前にどっしり構えてナイフで次々と切り目を入れていく。薪で温めた年代物のオーブンの鉄板に転がし、じっくり焼き上げれば甘い香りが漂い出す]
やれやれ、年寄りにゃ重労働差ね。
だがコイツばかりはやめられんなァ。
[また使う道具を片隅においてオーブンの具合を見ながら茶を淹れる。横一文字に口を開けて焼き上がった栗を一つ、ぱかりと割って味見]
どーせあたしゃ猫舌の熱いの好きさね。
[言いながら焼き栗をオーブンから取り出し、また次を焼きだす。揺り椅子に腰掛けて今度は少し慎重に口に入れた]
ぁっちち!
ふゥふ、んまいねェ。これだから焼き栗は堪んないよ。
お前にゃこの味がわかんないかのが残念だなァ。
[膝に上がってポケットに鼻先を突っ込む猫を片手で撫でて、また一つ。甘い焼き栗に匂いにも猫は退屈そうに欠伸をするばかり*]
―エーリッヒの家―
[窓の外を眺めて、暫くしたら立ち上がる。]
ん、ぼーっとしてても仕方ないね。
エーリ君は戻って来ないし、騒がしいのも気になるし、行ってみようかな。
[メモ帳持って、ペンを挿す。]
[軽く伸びをして、家の外、騒ぎの方へと向かった。]
そろそろ発とうと思ってたのに。
うん、ほら、もう一週間になるでしょ。エーリ君にも悪いしさ。お金なんて持ってないのに、泊めてもらっちゃってるわけだから、これでもちょっとは申し訳ないって思ってるんだよ。
[野次馬おばさんと話をしながら、うんうんと頷く。]
そうそう、エーリ君だって女の子を連れ込みたいかもしれないし。
えー、いくら研究馬鹿って言ったって、彼女の一人や二人、いるんじゃないのかなー? 女物の備品があるか見てきてみようか?
うん、まあ二人いたら浮気だね。
……ええ? いないよ。
ほら、根無し草だからね。前、誰かに一緒に行きたいって言われたことはあるけど、目的地もないって言ったら逃げられちゃったんだからね。
不義理とか耳に痛いよ、おばさん。
[どうやら恋人の話に移った様子。]
実際さ、悪いと思うんだ。毎日毎日男の手料理とか、嬉しくないんじゃないかな。
ええ? 食べたい?
うーん、構わないけど……食材もらえる?
[本日の食材ゲット。]
[ほとんど毎日こんな感じで、食費は乗り切っている。]
じゃあ、作ったら持ってくよ。
わかった、シチューね。了解。
――…でも早く補修されてほしいな。
え? ううん、ここは居心地が良いからさ。エーリ君もおばちゃんも優しいし。ただ、旅が生き甲斐だから、離れるのが辛くなっちゃうのは嫌なんだ。
それじゃ、今日の夕食は作らないでいいよ。持っていくからね。あとでエーリ君の家に、食材置いといて。
[ひらひら、手を振った彼は、現場を離れる。]
[大きく伸びをして、ため息、*一つ*]
やっぱり前の一度だけにしておけば良かったかな。余所者だって忘れたくなるじゃないか。
ほゥれ、栗が冷めない内に届けに行こうかなァ。
ツィムトや、お前も来るんだよ。
[一人と一匹が満腹になった所で、焼き栗を籠一杯に詰めて年代物の家を出る。薄茶の猫は丸々とした腹を揺すり、億劫気に後を追う]
しっかし、祭りの後でよかったねェ。
最中に来てたら実行委員さんらが大泣きだったよ、こりゃ。
今は自然の実りで困りゃしないけど、二次災害が出ない程度に復旧頑張ってもらわんといかんなァ。
……団長さんのケツひっぱたいとくかねェ。
―診療所―
[広場経由で横道に入り、しばらく進むと診療所。
小さな門を潜ると、踊る箒がお出迎え]
ご苦労様ですよぉ、ブルーメ。
でも、あんまり目立たないように、ね?
[もの凄くナチュラルに声をかけてから、診療所の中へと入り。
薬品棚やらなにやらをチェックしていく]
あんまり忙しくないといいんですけどぉ。
お散歩するのに、いい季節ですし。
[暢気に言いつつ、用意するのは傷薬に包帯、当て布に打ち身の軟膏]
さて、とりあえず、これで足りるかしら?
[零れた独り言の答えは、本日最初の患者次第?]
崖崩れだってねェ、お疲れさんだよ。
コイツは皆への差し入れの焼き栗さね。
[手近に居た団員に籠を渡して肩をごきりと回し、発破をかけた]
雪が降る前にゃァ、片付けてもらわんと困るからねェ。
しっかり食ってしっかり働きなァ。
ところで団長さんはまだ現場にいるのかい?
あァん、拾い物を届けに行ったってェ。
そりゃまた忙しいんだか暇なんだか。
張り切り爺さんが腰いわす前に、若いお前等が頑張るんだよ。
それじゃァ、またさね。
[忘れ物の届け先をおぼろげに察して心の中で十字を切り、猫を連れて現場に寄り道する]
[森を抜けると、野次馬行き交う道は避けて子供の好みそうな脇道を通る。幸い人と遭遇することはなかったが、滲む血は幾分範囲を広めていた]
……捨てないと駄目かねぇ。
[心配は怪我よりも服のこと。
進むうちに目当ての建物が見えて来る]
ミリィ、居るかー?
[主は往診中の筈と記憶を辿りつつ、周囲を窺ってから入り口に寄り、見習い術師の名を呼んだ。
栗の焼き上がりに間に合っても、待ち受ける運命は変わらないとは、まだ知らず]
─診療所─
[庭で踊りつつ、落ち葉を集める箒は人の気配にぴたり、ととまり。
それが誰かを認識すると、また忙しなく庭掃除。
ちなみにこの箒、全く知らぬものや付き合いの浅いもの相手には普通の箒で通している]
はぁい、おりますよー。
[一方、箒の主は呼びかける声に手にしたカップをかちり、と置いて立ち上がり、扉を開けて、一言]
……御師匠様がいたら、お説教ものですねぇ。
[にっこり笑って言い切った後、診療所の中へと招き入れる。
窓辺の止まり木にいた白い鳥が、挨拶するように羽ばたいた]
骨は、大丈夫なようですけれど。
……これ、タイミングが良かったら、もっと大変だったかもしれませんよぉ?
無茶は、ほどほどにしないとです。
[一応、注意しているのだがイマイチそうは聞こえないのは、間延びした口調のせいだろう、多分。
のんびりとした物言いとは対照的に、消毒などの手当ての手つきはきびきびとしていたりする]
裂傷と、軽い打撲、ですねぇ。
少し熱を持ってますから、なるべく安静に、ですよぉ。
[丁寧に包帯を巻き終え、にっこり笑いつつ傷の上をちょい、とつつく。
手当てのおまけは、治癒を促進する簡単なまじない。
治癒術を使わないのは、今後の撤去作業に備えての温存モードだからだったりする]
……ところで、すぐに帰ります?
ボクとしては、気を鎮めるために、香草茶を一杯飲んでいくのをお勧めしたいのですけれど。
[道具を片付けつつ、にこりと笑って問いかける。
勧める理由は言わぬまま、乞われたなら香草茶を用意して]
……それにしても、これからしばらく不便ですねぇ。
[呟く言葉は、やっぱりどこか暢気で人事っぽい響きを帯びていた]
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