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─ 生徒玄関 ─
うりゃ!
[ローラーが鉤へとぶつかるタイミングで右手を引き、左腕を基点に梃の原理でローラーごと鉤のある側を上へと跳ね上げる。
熊手が水平になるくらいまで上げて鉤の向きを横へとずらせば、相手の体勢を崩せるだろうと目論み、柄を握る右手を捻った。
成功如何は確認しないままに、それを成したなら鉤の側を直ぐに下げ、左手で柄を掴み直して柄の先を相手の右肩目掛けて振り下ろし───]
………俺の勝ち、で良いかな?
[寸でのところで止める。
に、と最初と同じ笑みが向けられた]
なるほど、そりゃ道理だ。
[いちいち吹っ飛ばされてたら試合にならないというショウの言葉に納得しつつ>>24、ホースを弾き飛ばした竹ぼうきを、ぽん、と一度宙に放った]
ほんと楽しい祭りだぜ。
[くるんと宙で一回転した竹ぼうきを頭上で受け止め、にっかり笑う。その間にショウが距離をとり気合いを入れ直した様子にも>>24恐れる風情はなく]
いよっしゃ!そろそろばしっと決めようぜ!
[ぶん、とほうきの先を上にして構える体は、剣道で言うなら上段の構え...だろうが、例によって型も何もあったもんじゃない]
どおおりゃああああああっっ!!
[そして、毎度のごとく、気合いだけは、人一倍の勢いで、床を蹴って駆け出しながら、竹ぼうきを振りかぶり、ショウの頭上に振り下ろす*]
[勢いに乗ってくるん、と回る竹ぼうき。>>28
向けられる笑みに、何となく楽しくなって、無意識に似たような笑みを浮かべた]
……従兄のにーちゃんが、「祭りみたいなもん」って言ってたけど、なーんか、わかった気がする。
[なんて小さく呟いた後]
おうよ、決着つけよーぜっ!
[ばしっと決める、という叫びに元気いっぱい答える。
上段からの振り被り、真っ向う打ち合うにはいろんな意味で不向き──となれば自分が取るのは『得意手』になるわけで]
……っせぇぇぇぇいっ!
[気合と共にこちらも踏み込みつつ、ホースの束を横に流し。
抜き胴宜しく、腹を狙って繰り出した。*]
[大上段からの面打ちをすり抜けて、胴打ちで返すのは『得意手』。
派手な面打ちとかは中々決められない分、そういう方向に特化していたりするのは、余談として置いといて]
……とったあ!
[向こうよりも速く踏み込めた、と。
確信した瞬間、ホースの束を叩きつけ、そのまま横を駆け抜ける。
ホースが輪っか状に束ねられていたから、打撃自体はちょっと脇に滑る感じになったかも知れないが。
いずれにしても、竹ぼうきが落ちるより先に、横を抜けていくのには成功して]
っしゃあ!
[すれ違ってから三歩進んでくるりとターンして。
浮かべたのは会心の笑みだった。*]
─ 生徒玄関 ─
えぇ!?
[満面の笑みであっさりと言い放たれた言葉>>27に衝撃を受けた。
動揺の為か勢いが殺がれ、結果相手の狙い通り、熊手の動きによってローラーは横へ傾く]
うわわっ……!
[釣られてよろめいたところに熊手の柄が振り下ろされるのが見えて、思わず目を瞑った―― が痛みはなく。
聞こえた声に恐る恐る目を開けると、最初と同じ笑み>>27が視界に入った。
安堵したように息を吐いて]
解せぬ……
何故そこまでの実力がありながら、裏番長を目指さぬのだ……?
[また芝居がかった口調で言いながら、ローラーから手を離し両手を上げて降参のポーズ]
[の後で]
……あ、ちなみに私も別に目指してないです。
[さらっと言った。
裏番長には興味津々だったし大戦にもノリノリだったが、自分がなる心算はそんなになかったらしい**]
[元々、武道の類いは正式には習っていない。だから得物を構えた腕から下は、隙だらけのがら空きで]
うおおっ?!
[それでも勢いと速さが勝ればなんとかなったかもしれないが、相手は本当に素早かった]
バシィンッ!!
[振り下ろした竹ぼうきの動きよりも速く踏み込まれ、ゴムホースの束が胴に見事にぶち当たる]
げほっ!
[竹刀を喰らうよりは、幾分かましだったろうが、気合いの籠もった一撃は、身体をじーんと痺れさせるだけの威力は十分で、ぽろり、と手にした竹ぼうきが床に落ち、からんと音を立てた]
うはあ...やっられたー!
やっぱすげえな、剣道部!
[いてて、と腹をさすりながら、会心の笑みを見せる相手に>>30両手を挙げて]
降参!
[ちょっと顔をしかめつつも、やっぱり最後も笑顔だった*]
─ 生徒玄関 ─
[目論見通りに体勢を崩した相手が降参のポーズを取る>>31。
尚も芝居がかった口調に、ぉ、と小さく声を零して]
それは………俺が『試す者』だからさ。
[乗っかって何か言った]
ぶはっ、アンタも目指してねーのか。
[続いた言葉>>32には思わず噴出す。
思ったより『裏番長』を狙ってる奴は少なそうだ、なんて思いながら、相手の肩口で止めた熊手の柄を引き戻した]
怪我ねーか?
ぶつけねーようには気をつけたつもりなんだが。
[意図的に打ち付けるのは止めたとは言え、意図しないところで引っ掻いたりしてないかと怪我の有無を問う]
ローラーも使い方によっては面白そうだな。
[武器に興味を持つ辺り、大戦自体を楽しんでると言うのは容易に知れよう**]
おう、こっちこそありがとな。
[礼を向けられると>>37慌ててぴょこんと、頭だけ下げる。それから竹ぼうきを拾い上げて]
ちっちゃくて素早くて強いって、かっこいいよなあ、俺んとこの祭りで次は山車を出そうって言ってんだけど、お前乗ってみる気ねえ?
[山車の乗り手は運動神経を要求されるが、出来れば大きく無い方がいいのだ、と、別れる前には、そんな誘いもかけてみたりする、お祭り男だった**]
あ、んじゃ、オレ、これ元のとこに戻してこないと。
[スポンジを見つけたのは、剣道場近くだったから、そこに戻さないと、と。
さすがに、違う場所に置いて行くのは気が引けるというかなんというか。
そういうとこは、妙にマメな性格だった]
てわけで、失礼しますっ。
[もう一回、深々と礼をして。
ホースの束は肩にかけ、スポンジを返却するべくとてとてぱたぱた、剣道場の方へと駆け出した。*]
[かっこいいという言葉に、ショウが面食らった事は知らない。大きくて強いなら当たり前だが、小さくても素早くて強いというのは、本当にかっこいい、と、ただ思ったとおりを口にしただけ...つまり、いつもの事だ]
おう!引き受けてくれっか。よっしゃ!これで盛り上がるってもんだぜ。
[やってみたいというショウの返事>>39を聞けば、嬉しげにガッツポーズ]
大久保も男衆引き連れて来てくれるっつったからな、今度の祭りは一段と賑やかになるぜ、楽しみにしてな!
[祭り要員二人目ゲットが、一番の収穫と、ほくほくしてるあたり、やっぱり激しく目的がずれている]
[やがて、ショウがスポンジを戻しに行く>>40というのを聞けば ]
そっか、じゃな!
[ばさばさと竹ぼうきを振って見送った、あと]
...て、そーいやあれも返しとかねーと。
[視線を向けたのは、先刻開けたロッカーに置いたモップ絞り器]
やっぱ壊れてっかなあ...小遣い厳しいんだよな今月。
[この時ばかりは、お祭り男も若干しょんぼりした様子になった。
ちなみに、小遣いを使った先はレンタル落ちの「日本の祭りDVD全六巻」購入である*]
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