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おや?ジョエルじゃないか?
[猫達と共に会議室に入ってきた姿を目に止めて]
ちょうど良かったや…。紅茶貰えるかな?
今日は、やたらと渇いちゃってね。
[そう告げながら席の一つに座る]
[空き部屋で気を失っていたが、僅かに身動ぎ]
ッ……ゲホッ、ゲホゲホッ、カハッ
[激しく咳き込み、喀血。暫し咳き込んでいたが、ごろりと転がって仰向けになると]
……あー、油断した。くそぉ、痛いなぁ
[そう呟き、腹部を撫でさする]
……んー、マズいなぁ。幸い、腸の損傷は無いっぽいけど、繋ぐので精一杯
あと二時間は動けないなぁ
[そう言って参ったなぁと天井を仰ぐ]
[ふる、と首を振る。
周囲に意識を凝らせば、見知った者たちの姿。
遠くに意識を凝らせば、こちらにも見知った者たちの姿]
ここは……。
[呟いた直後に、近づく気配]
……猫?
なんで、こんなとこにいるんだ、お前?
[不思議そうに問いつつ、ためらう様子もなく、手を伸ばす。
逃亡を続けた幼い日、温もりをくれたのは、こんな小さな生き物たち。
だからだろうか。
やみいろの表情は、穏やかで]
[――声が聞こえる。
生者を見ていた彼女の耳に
向いた先に黒い翼の]
嗚呼、山羊のか。
[先の仔猫は、ナァァと鳴いて。
伸ばされた手にすりよった。
撫でられるのがうれしいと全身で表現する――死した筈なのにあたたかい温度]
[ボロボロになった椅子と円卓、座った椅子もギシギシと軋み。その音に耳を傾けながら、かつての、最初に集まった時の景色を頭に浮かべ紅茶を待ち*目を閉じる*]
…もう戻りはしない、あの世界ってね。
[擦り寄る仔猫の温もりに、碧の瞳が細められ。
そっと、慈しむように撫でてやりつつ]
……ん……。
[呼びかけに、ゆるりと視線をそちらへ向けて]
やあ……こないだぶり?
[こて、と首を傾げつつ、こんな問いを投げかける]
…主計殿。
……畏まりました、ご用意致します。
[この部屋の損傷状態、空気にも関わらず紅茶を要求することばに肩をすくめる。
そして、ジョエルはキッチンへ。
猫達はマイルズの傍らへ。
ややしてから戻るだろうか]
確かにこの間ぶりだが。
[云いながら苦笑が浮かび]
悪かったな
牡羊のが裏切り者だと判った時に兇せずに
[仔猫は矢張りふわふわと、すりすりと、その手に何度も頭をこすりつける。
見上げるようにナァと鳴いて、其れから再びうっとりと]
まあ……ここにいると、時間の感覚なんて、なくなる気がするけどねぇ?
[くすり、と。
笑みがこぼれる。
続いた言葉には、いんや、と言いつつ首を振り]
本来なら、オレが最初に突っ込むべきだったんだから。
……ま、そっちが突っ込んでいくとは思わんかったけどねぇ。
[とにかく、気にせずにー? と笑いつつ。
仔猫が逆らわないようなら、抱えあげようと、手を差し伸べる。
柔らかな毛並みの色彩は、栗色の柔らかな髪をふと思い起こさせ、碧を僅か翳らせる、けれど]
其うだな
……時間はどれ程経ったのか、僕には判らない
[続いた言葉にくつっとわらう]
お前が先に突っ込んだら、僕は牡羊のを信じたかもしれないな
……お前か牡羊ののどちらかが裏切り者なのは確実。だから其れを知る為だったんだが
[ため息]
真逆、二人がかりとはな。
[寄せられた手に猫はすくわれ、嬉しいのかそれとも自由をこうのかもう一声。
前者だと云うのはつらそうな彼の手を、ざらつく舌でぺろと舐めたのからも明らかだが]
ま、時間なんてそんなモノ……。
不確かで……でも、確実に流れる。
[そんなモンでいいじゃない、と笑って]
うわあ、酷い言われようー。
二人がかり……か。
まあ……お疲れ様?
[苦笑めいた面持ちで言いつつ、抱えた仔猫の温もりに、穏やかな笑みを浮かべ。
声には出さず、小さく名を紡ぐ]
……しかし、なんでこんなところに猫?
其うだな
だが死んだ後も続く等とは思わなかったが……嗚呼、死出の夢だったりしてね
[くすくすと笑いながら、目を閉じる。
幻だろうが夢だろうが。
再び開いた時には、いたずらめいた瞳]
アハッ、お前も牡羊のも信じられるものか
然し逃げるくらいならば出きると思ったんだがな
[続いた問いには、さぁ、と一言。
呼んだのは彼女であろうが。
茶虎の猫は、こたえるようにナァと鳴き、彼の腕で気持ちよさそうにごろごろ喉を鳴らした]
彷徨える魂が一時とどまる場所……なんてのがあるらしいから。
ここは、それなんだろうねぇ?
[まあ、どうでもいいけどー、と。笑って]
ま、それで正解。信じきったら、そこから崩れる。
そういう世界だった訳だし、ねぇ?
まあ……さすがに、そうはうまくいかないでしょー。
[苦笑めいた面持ちで言いつつ。
さあ、という言葉には、そっか、とだけ呟いて。
応えるように鳴いた仔猫の様子に、嬉しいような寂しいような……どうとでも取れる、笑みを掠めさせつつ。
柔らかな茶色を*そっと撫でて*]
/中/
言い切られたΣ
取りあえず、一時離席。
表が動いたら、またそれにあわせてちょこちょこ動くかと。
猫が動きたがるようなら離すんで、その辺りはお任せー。
なれば其れだな
[口にした声は淡々と]
信じても兇せば好いがお前たちは無理だからな
…少しカマをかけすぎたのは後悔したが。
仕方なかろう、過ぎた事だ
[呟くと、再び景色に目をうつす。
猫はただ大人しくその腕に温もりを移し、
*やがて眠りに落ちたようだった*]
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