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……単に、生活苦しいだけなんじゃねーの?
[ぽそり、と呟いたのは、逆襲のつもりか。
勿論、目の前にどさん、と盛られたオレンジ色の]
……身長も体力も、十分間にあってるってのっ……。
[ふるふるとしながら、ぽつり。
が、首を傾げるリディの問いかけに。
一時、冷静さは戻ってきて]
割れてた……?
母さんの、守り石……が?
[どうして、と。
疑問の声が零れ落ち]
いや、ポトフは嫌いじゃな、
っていいぃやあぁぁっ
[偶然にしても何だか多い緑の大群を前に叫ばずにはいられなかった。
――食事中、もしくはお休み中の皆様にはこれまた大変ご迷惑をお掛けします。]
緑の悪魔が攻めてくる・・・・
[ぐったり。]
うん。
それ以外は大丈夫だったと思う、けど・・・・
守り石?
[ぐったりしたポーズのまま、アーベルに答えていたが、ついで聞こえた声に身を起こし、眉を寄せた。]
…素材の味そのまんまな感じだけどおいしー♪
[お肉も野菜も残さず食べます。]
つーか、あれだよね。
好き嫌いなんて…金持ちのすることだよね。
あれ喰えないこれ喰えないとか贅沢言ってたら飢え死にするよね。
[こっちもやっぱり、生活は苦しいようでして。]
そうとも言う。
[生活苦には自信があったのか、男は今度は素直に頷いた。そして、偶然に聞きつけた言葉に軽く首を傾げる]
守り石?
[そして冷えた体も一緒に温めると、湯からあがって、着替え、髪をしっかり拭き取ると、木箱を背負いなおして、広間へいき、そこに居る面々に]
ようっと、アーベルはもう戻ってたか。
ところでノーラの容態は?
[なにやら皿を前に苦悩したりぐったりしてるのは目に入ったが気にならなかったようだ]
え、あ。
[眉を寄せるリディの表情に気づいて短く声を上げる。
声に出したつもりは、どうやらなかったようで。
更にハインリヒにも問われて、ありゃ、と]
……母さんが、遺してくれたもの。
俺が、苦しまずに、生きて行けるように……って。
でも、なんで……。
[最後の部分は呟くように。
微かに、眉が寄せられた]
--回想--
[ユリアンの返事が曖昧なのが少しひっかかったが、彼が何を思っているのか、また彼の祖母が彼をどう見ていたのかなど当然知らないままで。]
[ただありがとう、の前にごめんなさいを添えて。][浅く眠った。]
……贅沢言ってる訳じゃねぇし、金持ちでもねぇけど、ニンジンだけは別なんだよっ……。
[エーリッヒの呟きに、思わずぽそりと。
一応食べようと思えば食べられるのだけれど。
マテウスの声が聞こえれば、そちらを見て。
あ、どーも、と短く挨拶を]
グリンピース以外はちゃんと食べれるよっ。
・・・・・多分。
[流石に虫は無理だから、最後に小さく付け加えたが。]
・・・そっか。
[アーベルに対しては短く答える。それ以上掛ける言葉は見つからなかった。]
今、何時…?
[ぼんやりとした眼差しで辺りを見回し。]
[聞こえたナターリエとマテウスの声にそちらのほうを向き、お帰りなさいとぺこり。]
―広間―
[やがてハインリヒがポトフを持ってくる]
おお、おいしそうですね。
[にこにこ笑う]
[中ににんじんやらグリンピースやらが入っている]
[――それに気付いた瞬間の子供たちの反応は見物だったと、思う]
苦しまずに、ねえ。
[母親が子供に言い残す言葉にしては、どこか微妙だと男は思った。しかしそれは口に出さず。マテウスの方へと振り返る]
よう、お疲れさん。
とりあえず大丈夫なんじゃねえかな。
ほんとは医者に診せた方がいいんだろうけどよ。
〜回想〜
[どのくらい眠っていたのだろうか]
[痛む腕を庇いながら立ち上がる]
[ミハエルがまだ近くで眠っていたなら]
ありがとう
[彼の額に優しく口付けをすると、部屋へと向かう]
チーズか。やったことねえけど美味そうだな。
とりあえずマスタード足してみっと味が変わって美味いぞ。
[男はエーリッヒには、笑ってそう奨め、クレメンスの問いにはもちろん、と頷く]
喰ってもらうために作ったんだ、遠慮なくどうぞ。
ああ……ブリス、起きたか。
[聞こえてきた声に、そちらを振り返って声をかけ]
うん……苦しまないように。
俺が。
哀しまないように……って。
[ハインリヒの言葉に頷きつつ、小さく呟いた]
[ノーラの容態、には反応して。]
薬湯を飲んで暫く眠っていたから…。熱も無いようだったし。
大事にしてれば、大丈夫です。
[そう応え、ソファーからは立った。]
マテウスさんも、体は大丈夫ですか?
[広間の片隅で考え事をしながら、どうやら転寝をしてしまったようで]
[話し声と漂う香りに目を覚まして]
わたくしったら、こんな所で……。
もうお食事の時間ですか?
[外を見れば既に暗く]
[今夜の食事の内容を聞けば微笑んで]
ポトフですか。
寒い時にはちょうどいいですわね。
少しいただいてもよろしいですか?
[そう言って]
[それに何が入っているかはまだ知らない]
ありがとうございます。
[にこにこと笑顔で鍋にむかう]
[そしてマテウスを見て]
こんばんは。
ハインリヒさんが作ったやつですけど、食べます?
[ならよそいますよと]
[アーベル、ブリジット、リディ、他にも反応したのがいたら、軽く会釈を返して、席に着きハインリヒの言葉に]
そうか。ま、この状況じゃ贅沢もいえん…いや、医術の心得があるものが居る分まだ恵まれているか
おはよう、アベル。
…苦、しむ?
[かけられた声に微笑んで返して。][続いて聞こえた言葉にはどこか不安げに。][首を傾げた。]
―少し前・音楽室―
Zum blauen Himmel.
[その歌詞を知っていたわけではなかった。
それでも流れる旋律に浮かんだのは、一面の銀世界。
青い空、白い雲。そして。
切ないまでの、祈り]
…ありがとう。
[旋律が止まればそう感謝を述べて。
なぜか涙が流れた]
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