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[ふらつく足のまま旅籠へと向かう。
旅籠につくころには黒のワンピースは血と雨と泥が混じり汚れており]
みんなは…ぶじ…かな…?
[旅籠についてすぐにそういいながら中へと]
[腕を組み考える。
よりよく状況を把握すること。一箇所に集まること。
外との連絡が取れず外に出れないならば、こちらでできる対処法]
…まずは生存者を確認…ですかね
・・・・そ、ッスね。
[冷静は兎も角キレる必要は、とはツッコまなかった。
否、ツッコめる雰囲気じゃなかった。
なのでただ頷いて。]
互いに・・・監視。
・・・・だよな、ダレかが・・ッてちょ、だから早いッてば。
[思索に耽る間も無く、歩き出した背を追いかける。]
[肩を叩かれ、ゆるり、瞬く]
……一応、気はしっかり持ってるつもり、なんだがねぇ?
[それは、半分は虚勢ではあるけれど。
少なくとも、今は、揺れる部分は押さえ込まれているから、ふ、と笑んでこう返した]
……守るべきものはある。それは、さっきも言った通りだ。
そして、桜に屈するつもりも、ない。
[だから、心配御無用、と。その一言は、きっぱりと言い切って]
[最初、みんながなにいってるのか、よくわかんなかった。
わかったときに、はっとした。]
――おばあちゃん。
おばあちゃんは!?
[誰も、二人で一緒にいるのを見ていたわけじゃない。
似ているわけでもない。
だから、わかるはずがない。冷静に考えたらわかるのに、わからない。]
おばーちゃんは、無事!?
確かに仕方ない、か。
今やるべき事は他にあるだろうけど…それが何かが、浮かばない、な。
そもそもこの状態で俺に出来ることがあるかも怪しいが。
[ふう、と小さく息を吐く。
ちらりと蓮実に視線を流し]
そう言われると、余計に忘れたくなくなるな。
まあ、大丈夫なら、いい。
多分、今の俺たちの仕事は…倒れないことが第一だろうから。
あ、琉璃さん。
無事ですか。よかった
[先程分かれた人間のことも考えていた分顔を見ればほっとして]
私は皆さんは無事ですが、今ここにいる人間意外は…
[わからないと首を横に振る]
特に私達には危険だろうからね。
[具体的には外部の人間、という意味だが、ここで固有名を口にするのは憚られた。
裕樹にはそうねと同意する。元々閉鎖的な村。他所者には風当たりが強かった。下手を打てば、無実でも私刑されかねない。]
…さっちゃん、要領良く戻ってくるといいんだけど。
[まぁ大丈夫だとは思うけどねーとはいつもの調子。そう簡単には死なない、という言葉は聡にも十分当てはまると見ていたり。]
[先ほど分かれたばかりの蓮実に視線を向ければ、少しほっとしたように]
これで蓮実が何かあったら…、
ボクはどうしようかと思ったよ…。
よかった……。
うん、くる途中も…なんかいっぱい…………だった…気が……。
[どこか要領を得ない様子でしゃべる。
内心では複雑な感情がうごめく]
ただのお伽噺じゃない…?
[玲の言葉に、少し首を傾ける]
それは、あの小説と違う部分もあるって事か。
それとも…、
[何を問うべきかも、分からず言葉は途切れた]
…さっき言ってた説明って、何人、誰が集まったら聞けるんだ?
[頭に浮かぶ惨劇を振り払って、嗚咽は徐々に治まっていく。
ようやく頭が働き始め、周りの会話にも耳を向けられるようになって来るだろうか。
そんな折、琉璃が旅籠へ入って来るのが見え、安堵の色を浮かべる]
琉璃…良かっ、た。
…琉璃?
[様子がおかしい。だいぶ落ち着いた身体でそっと琉璃の傍へと近付く]
琉璃兄!?
[史人の声に慌てて振り返る。
黒の服についた、それでも血と分かるそれに小さく息を飲む]
涼ちゃんの、お婆さん。
ええと、結局誰だったのかしら…。
[涼の声にそちらも見つつ、困ったように]
とりあえず、誰が生きているかをの確認。
後は…雨がやめば外に出られるのか。連絡手段が本当にないのか
[一つ一つ指折り数えながら裕樹に言って]
やれることはある。まず痛い目にあわせるとか忘れたりとか
[冗談めかせるようにいって]
倒れないようには…当然。裕樹も何かあれば聞くぞ
[でしょ?とは蓮実にからりと笑って。]
臆病なのだって、生き残る上では有効スキルじゃない。
裕樹が言ってるけど、今は倒れない事が一番なんだし。
それに向かって有効活用できるものは使っとかないと。
[言いながら、ふと聞こえた生存者、には辺りを見回す。]
…ねぇ、ここのご主人、誰か見かけた?
[ふと今になって気づいた事を口にする。]
史人……。
[昔ながらの親しい幼馴染に声をかければそちらに視線を向け、その姿を目にし幾分か心に余裕ができたのか改めて蓮実の返答と合わせて周りを見回し]
榛名、玲も無事で…。
涼ちゃん、裕樹、利吉さん、小百合さん、も…、
[その名前を無事を確認するように呟いていき、改めて史人に視線を向けて]
遥、ああ、ボクの家の使用人の人なんだけど…。
[周りの人にも説明するように]
殺されてた……。
……あんたのトシを老人と言うのは、か、な、り、微妙なきがするんだが。
[からりとした笑いに、思わず返した突っ込みはズレていたかも知れない。
ともあれ、榛名が琉璃の方へ向かうのを見つつ。
自分も、そちらへと]
…聡さんも来たら、と思ったのだけれど。
あまり気分のいいものにはならないし。
[裕樹の言葉にはそう返して。
何が違うのかは言わなかった。小説で描かれるのよりもより直裁となるその言葉は、説明の時だけでいいと思った]
ゃ、やだ、りきっちゃん…!
だ、だって、だって…!
おかーさん、が、だいすきって、言ってた…よ!
もし、もし、しんじゃ…ってたら、
おかーさん、かなしむ、し、わたしのこといらないって…!
[震えがとまらなくなってしまう。立ち上がる。そのままドアに向かった。
れーちゃんの言葉は、聞こえたけど、なんていえばいいのかなんてわかんなかった。]
大丈夫ですよ。
七年間行方をくらませていてもこうしていますしね
[軽い口調で琉璃にそういいながらも、村の様子を聞けば、言わなくていいというように軽く頷く]
情けない部分がそういわれるとは思っていませんでしたね
倒れないようにはしますよ。何かあったときほど冷静に…と心がけてますしね
[だから小百合の事故があったときもすばやく対応していたわけだが]
主人…先程裕樹がいなかったといっていましたが…
[そこまでいって口をつぐむ]
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