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おはよ、ジティ。
[声は何時ものようで、表情が何処か固いのは料理を見れば納得できるだろうか。]
あ、チーズ。良いですね。
[こちらは好物の様だ。
アーベルの声は届いていたが、何も言わなかった。]
ん、そうか。ご苦労様
[おそらく。治療をしたであろうブリジットから容態を詳しく聞いて、労いの言葉をかけ
自分のことに関しては、一つうなずき]
まあまだ軽く痛むところもあるが、支障はない…慣れてるからな
[軽く肩をすくめて答えた後、クレメンスの言葉に振り返り]
そういや朝食をとってから何も食ってなかったな。よければいただきたい
[だが、クレメンスに任すと何かいやな予感がするので、よそうのは自分がすると言って、たちあがる]
……まあ……病気って言えば、病気。
元々身体、丈夫じゃないとこに、色々と心労が嵩んで、ね。
[その心労が何であるかは、村の者には話すまでもない事で。
知らぬ者相手とわかっていても、改めて口にしたいとは思わなかったから、そういうだけに止め]
おはよ……って、なんだよ、おかしな声出して。
[不安げな声を上げるブリジットの様子に苦笑しつつ。
昔の話だよ、と宥めるように]
〜自室〜
[片腕のみを使い、血に塗れた服を脱いでいく]
[包帯を巻いた腕をしばらく眺めながら]
・・・もう水着は着れないかしらね。
[下着まで脱ぎ終えると、軽く身体を拭いて、新しい服に着替えていく]
[片腕が不自由なので、普段の数倍の時間がかかった]
[胸にしまっていた袋の中から銀の天使像を取り出すと、そっと机の上に置く]
[痛む腕を庇いながら、両手を組んでお祈りを捧げる][祈った相手は神か悪魔か]
…早く元気になってくれればいいけど……
[ノーラの容態が耳に入って、心配そうにする。]
みんなも休める時にはちゃんと休んどかなきゃ。
…いつ奴らが……
[いや、奴らもおそらく、この中に潜んでいるはずで。
いつものように胸ポケットに手をやって]
ぁー、探してこなきゃ……。
[傷を庇いながらも、多少血で汚れた防寒着に袖を通す。]
[ふと辺りを見回せば匂いの元はすぐに分かって。]
あ、ポトフ。私も頂いていいですか?
[眠りは食欲をようやく呼び起こしたようで。][ハインリヒにそう尋ねた。]
[何やら表情の固まっているリディを不思議そうに見ていたが、中を覗き込めば色とりどりの野菜に納得したり。]
アベルもリディも、どうして人参とグリンピースが嫌いなの…?
[どっちも好き、な部類に入っている自分には、そっちの方が分からなかったり。]
避けられない、のかな。
それなら少しでも最善の形を。
[暫くの沈黙の後、低めた声でそう言って]
でも。
最善って何だろう。
だって、揃ってしまったのに。
…この中に、いるのに。
[起きたらしいナターリエにも挨拶をした。数刻後、彼女が仲間に加わるだろうとは思ってもいまい。]
・・・どうかな。
[マテウスの対応は多分正しいと少女は思ったとか。]
[ポトフを前にいろいろと言っている様子の若者二人に笑いかけ]
お二人とも、人参やグリンピースに好かれているのかしら?
[そう言って]
[手を付けようとした途端に
鼻を刺激したその匂いに硬直する]
……この、匂いは………
[皿の中の妙に筋張った物体、は]
………天敵、ですわ。
[神に仕える身として不適切な言葉が思わず零れた]
おいおい、出掛ける気か?
[防寒着に着替えるエーリッヒを見咎めて、男は声をかけた]
もう日が落ちてる。狼どもも出て来る頃だ、あぶねえぞ。
[しょんぼりしているクレメンスが少し気の毒になったのが]
厚意だけは受け取っておくさ
[とはいっても自分がするのは変わりなく、皿にポトフを盛って、席に戻る]
……どうして、って言われても。
[説明しようとすると、できないもので。
ブリジットの素朴な疑問にどう答えるか、悩んでいると、頭に手が置かれた。
離れるハインリヒの言葉に、小さく息を吐いて]
……別に、いいよ。
もう……気にしても、仕方ないし。
……って、ガキじゃねぇんだから。
[ニンジン相手に真剣になっている時点で、十分子供と言えるが]
[マテウスの言葉にはふるふると首を振り。][頷き届いた返事には、じぃと見上げていたが。]
そうですか…それなら薬は必要ないでしょうけど。
慣れても痛いなら、慢性化しているだろうから。
…無理はしないで下さいね。
[何度言っただろうか。][誰かへ向けたのと同じ台詞を口にした。]
[肩を落としていて気付くのに遅れる]
[ハインリヒの声にエーリッヒを見た]
今からは危ないですし、それに明かりもほとんどないじゃないですよ?
一人は危険です。
や、ちょっと落し物がさ?
[出かけようとしたところを、探偵に止められて。]
どーも、昨夜ごたごたしてるうちに無くしたっぽいんだ。
…大事なもんだから。
……はい?
シスター、今……。
[気のせいでなければ、余りにも似つかわしくない言葉が聞こえたような。
ふと見れば、皿ではつつかれるセロリ]
…………ぁー。
[把握した]
[だがしかし天敵というわけのわからない言葉を耳に入れ]
シスター?
[不思議そうに彼女を見た]
[マテウスがどく]
…ひどいですねぇ。
そうそう危険なことにはしませんのに。
朝のコーンスープだって作ったんですよ?
[言いながら自分の皿にポトフをよそい]
[机に置いた]
[エーリッヒの返答に、男は顔をしかめる]
探し物なら、余計に暗くなってちゃ見つからねえだろう。
どうしてもってんなら、明日の朝になってからにしちゃどうだ?
お前さん怪我もしてるんだしな。血の匂いに狼共が引き寄せられねえとも限らないぜ。
[最後の方が脅しに近いのは、多分わざとだ]
………神はこんな時にまでわたくしに試練をお与えになる。
[そう言って、皿の中のそれを除けつつスープを口にする]
[だけど、よく煮込まれたその香味は、スープにもしっかり溶け込んでいて]
………。
[ちょっとだけ涙目になったかもしれない]
だからね、グリンピースは一国を滅ぼした悪魔の野菜なんだよ。
[ブリジットには数日前にした嘘話を持ち出して見せたが。]
・・・・・大体気に入らないんだよ。
掴み辛いし、避けづらいし、食感もなんか嫌だし。
[本当の理由はこちららしい。
丁度耳に入った天敵、という言葉にシスターを見た。皿の中でつつかれるセロリ。]
あれ。
・・・・・もしかして、シスターさんが嫌いなのって。
[数日前の話を思い出して、ぽつり。]
だっておはようと同時にそんな声、聞こえたら。心配するよ?
[アベルに宥められれば少し拗ねたように。][でも苦しい事、を掘り返すつもりはないので。][結局の所口は噤まれて。]
…まぁ、そうだけど……
[流石にこの状態で襲われては、無事では済まないと自分でも思うわけで。
あきらめたように、ぽすりとソファーへ。]
んでも、大事なもんなのさね。
アレなくしちゃったらマズイ。すげーマズイ。
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