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……お前んとこの……遥さん、も?
[琉璃の返答に、眉を寄せつつ。
周囲とやり取りする玲の言葉に、そちらを振り返る]
……玲。
大丈夫か、お前も?
私は、来たばっかり、だから…。
[「知らない」と小百合に告げ。
近寄った先で琉璃が、家で見た惨状を口にする。自分とほぼ同じ状況。思わず琉璃の服の裾を、きゅ、と握り締めた]
琉璃…。
[服の一部の赤に眉を寄せる。
今の話しに、さらに現実感を覚えざるを得なくて]
…大丈夫そうで、良かった。
[告げる言葉は短い]
[駆け寄ってきた榛名と玲に視線を向けて]
ボクは…大丈夫…怪我は…血は………、
心配してくれてありがとう。
お水…ほしい。
お願いしてもいいかな?
[誰にともなくそう頼んだ]
[出来る事を指折り数える蓮実を見て]
なんだ。格好よい事も出来るんじゃないか。
まあ、忘れるのは論外として、だ。
[冗談にいつものように、けらりと笑う]
俺も今は大丈夫だ。
少なくとも、笑えるらしい程度には、な。
[孝博と聡を連れて村を見て回るが、そこかしこにあったのは、すでに事切れた骸ばかり。
その状況に沸々と怒りを溜めていたが、二人曰く外来の者の集まっているという旅籠に向かう。]
邪魔するぞ。
[そう言って扉を開けズンズンと奥へ。]
[利吉には僅かに微笑むが。涼の声にそちらを見て]
涼さん…。
[ただ必死な声に、それは以上聞くこともできず]
…うん、だいじょ、うぶ。
やらなきゃいけないことも。あるんだから。
やると、決めたんだから。
[詰まった声ではあったが、史人にもそう返した。
小さく手が震えているのには気付かないまま]
[声が聞こえた気がする。
でも、止まることなんてできなかった。
りきっちゃんは無事だった、でも見てないおばーちゃんが心配で。
椅子の分とか、ドアまでの距離とか、ドアがしまりかけてた分とか、そんなちょっとした障害で、りきっちゃんに追いつかれるのは、いつもよりも時間がかかることは、気付いていないけど。]
[走って走って、なにかに足をとられて、転んだ。]
これが格好よいといわれるのは予想外
いや、忘れて。主に私のために
[いつものように笑う裕樹にこちらも同じような笑みを返して]
まあそうだったらいいんだが…って
[涼の行動。それに続く利吉の動きに立ち上がり、追おうとする]
ご主人…誰かついてきてくれるなら、探しに行きたいところだが。
[小百合の疑問にはそう返して。
また何人か旅籠に入ってきた事に安堵の表情を見せる]
良かった。まだ無事な人間がいた…。
っ、や、だ…っ!
[あぁ、そうかって思った。
これ、だ。
白い棒みたいな人の腕、その先の体は赤い。
桜はこれだったんだ。
最初は、宮司さん。次は誰って、――]
涼!!
[雨が降っている。
視界がよく利かない。
すぐそばにいたはずの涼の姿がよく分からない。
自分が何処を走っているのかもよく分からない。
何も何も分からない]
涼!
何処だ!涼!
[もう一度大きく叫ぶ。
名前を呼べば安心する。まだ自分は忘れてないと。
なのに、この心に広がる不安ななんだろう。
自分には―――分からない]
[涼の様子にはやや表情を険しくするものの、利吉に任せるのが得策かと思い。
玲へと声をかける]
……お前の決意は、わかってるつもりだ。
けどな……お前一人が、背負う事じゃねぇ。
それは、忘れんなよ?
[静かに言って、入ってきた晴美や孝博、聡によ、と言いつつ手を振った]
死体だらけだ。
ああ、これぁ俺の血じゃねぇよ。
[自分の服を示して言う。]
誰か、死体だらけ、村の外に出られない、って以上の事を…、この村で何が起きてるかわかるやつぁいるか?
[琉璃の傍に佇み、新たに旅籠へと入って来た者達を見ると安堵の色が浮かぶ。生存者が居る。それだけでもありがたいことではあった]
晴美君、孝博君、聡君…。
無事、だった…。
…涼、ちゃん…!?
[入れ違うかのように駆けて行く涼の姿。それを追う利吉。自分は動けず、ただ見つめるばかりとなり]
ありがとう、玲。
[水を取りに行ってくれた玲を見送った後、飛び出す涼と利吉の姿。
追いかけようにもその姿はすでに見えなく。
今追っても逆に場が混乱するだけだとその場にとどまることにした]
おかえり、君達は…無事だったんだね…。
[入れ違いで入ってきた聡、晴美、孝博に視線を向ける]
あ。 ぁ……
やだ、やめて
やめ、……
[強い人。顔を、しぐさを、あたたかさを、思い出して、立ち上がる。でも、
――とめにむかうことなんて、できなかった。]
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