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[暗い空気が頭の上を漂っているようなリディと。][イレーネの声が聞こえて。]
あ…リディ、アオエンドウ駄目なんだ。ええと、ごめんね?
[けっこうしっかり混ぜ込んでしまったので。][謝りながら。]
[とはいえアベルに残すなと言った手前、残していいとは言えません。]
[とりあえず、次からはよっぽどの事が無い限り入れないようにしようと決意し。][頑張ってと思いながら。]
[自分も空いた席に座ってスプーンを口に運び始めた。]
[やっぱり、多少無理しても自分で作るべきだろうか。
ブリジットの笑顔には、そんな事を考えつつ]
……その心意気や良し……とだけ言っとく。
[リディの宣言に、ぽつり、と言って。
妙に悲壮に攻略していくユリアンや、涙目になるイレーネの様子に。
まだ、辛目のものが好物で助かったかも知れない、とか何とか考えて]
い、痛……。
[普段は甘口のカレーを食べていたので油断していました。
ポロポロと泣きながら水を一気飲み。
水差しに手を伸ばして更にもう一杯。
三杯目も注いで、それはゆっくりと飲んでゆく]
[ダメだった? と問い返されて、またしてもわたわたと手を振って否定すると]
いえ、ダメというのではなくて、そういう呼ばれ方が初めてで……。
[さすがに照れくさかったとは言葉にしなかったが、少しだけ頬が赤かった。
その照れ隠しに、ブリジットが口にしたアオエンドウが苦手と言う言葉に便乗する]
そ、それよりも好き嫌いはダメですよ? 嫌いなものがあると、体が丈夫になりませんから!
[語尾が大きくなったのは、無意識である]
うん、変わってるとは良く言われるよ。
・・・・大丈夫?
[何だかんだで席には着いた。ミハエルの言葉ににこにこと笑ってみたり、頬の赤みに少し首を傾げたりしていたが。]
き、きらいなものはきらいなんだから仕方ないじゃないかっ!
[思わずこちらも大きな声で言い返した。
件のカレーは既に少女の前にスタンバイしているわけだが。]
そうですか? それならいっぱい食べても問題なしですね?
[そういうと、ちょっとだけ悪戯好きな子供のような笑顔に切り替えて、自分の皿から5個ほどグリンピースを取ると、リディの皿にぽんと入れた]
…食べれない…
[皿を見つめて悩む。悩む。
やおら立ち上がって台所へ。ごそごそと何かを探す。
持ち出してきたのは牛乳と蜂蜜。
立ち向かうだけの強さはなかったようです]
・・・・がんばる。
[アーベルには一つ頷いた。
そしてちまちまと、なるべくご飯の部分を避けるように、つまりルゥだけを食べ始めた。
・・・何というか、激しくしみったれた光景である。]
[こどもたち(としか、すでに思えない)の好き嫌い戦争?ののどかさに、思わず笑いが漏れる]
平和だねえ。
[呟いて、男はごくりとコップに注いであった水を飲んだ]
[気合でどうこう、というのも、かなり大げさな気はするのだが。
ここまで来ると、気合でもないとやりきれないらしい。
……むしろ、ニンジン如きに何故、と聞かれそうなところだが、本人にとっては切実なのだから仕方ない]
……おう、頑張れ。
俺は勝ったっ……。
[水を一口飲みつつ、リディにエールを贈る。
ニンジンさえ突破すれば、後は普通に好物と言えるので、気は楽な訳だが]
……食い終ったら、何か、デザートつくるか……。
[ほっと息を吐いた後、ぽつり、こんな呟きを]
[そんなことをしていたから、侵入する緑を阻止することは出来なかった。]
――うぎゃぁぁぁっ
[悲鳴。
両手で自分の頭を抱えすらした。
――お食事中の皆様、大変ご迷惑をお掛けします。]
な、なにしてくれやがるですかミハくんはっ
[混乱しまくって色々と言葉が変だ。]
カレー駄目な人多いのかなぁ…。
[ふと気づけば涙目で牛乳と蜂蜜を手にしているイレーネが見えたので。][少ししょんぼりしながら。]
[正確には、カレーの中の一部が嫌いな人が多いだけだったりするが。]
[しょんぼりしつつも、カレーは食べる。][好みの味に慰められながら。]
――ごちそうさまでした。
[パン、][音を立てて手を合わせた]
[決着は、早かった。
皿の上は、空。……コップも空だった。
妙に晴れやかな(勝利ゆえの)笑顔は、知らない者には、辛いものが苦手とは思わせないほど]
片付けてくる、ねー。
[軽く言って、食器を手に台所へ]
―二階・自室―
[こうこうと音を立てて回されるろくろ。
時折手をとめて、はぁ、と息をはいては、粘土を触る手を暖めた]
エーリッヒ。
旅の子だったわね。……あの子、どっちなのかしら。
[息で少しばかりあたためたのでは、手はかじかんだまま溶けず。
ぐしゃり、思うままにならない造形を、ろくろの上で握りつぶした]
[蜂蜜を少し落とし。真剣な顔で牛乳をそっとかけ…]
きゃっ!
[リディの悲鳴に一気に入った。ちょっとびっしょり。
再び涙目になった]
でも、食べる…。
[残したりするのはもったいないと思うから。
別の意味での挑戦になってしまった。まぁ自業自得でもある]
だな
[届いたハインリヒの呟きに同意するようにして、同じように眺めている。
好き嫌いも特になく。まずくもなく。厚意でいただいたものに何かいうでもなく平らげると]
ごちそうさまだ
[と、カレーを作ったブリジットやイレーネに届くようにいってコップを傾けて水を飲んだ]
何って、いえアーベルさんがニンジンを頑張っている様子でしたので、私もリディさんのグリンピース嫌いの克服に一肌脱ごうと思ったまでですよ?
[そう言って笑ったが、どう見てもニヤリという擬音が良く似合うものだった。
と、第2陣を投下しようとしていると、ちょっとしょんぼりとしたブリジットが目に付いた]
ブリジットさん、カレー美味しいですよ。
[結局、グリンピースはリディの皿ではなく...の口の中に落ち着いた]
カレーは良いんだよ。むしろ大好きだよっ。
・・・・でもね、グリンピースはあれだ。
なにしろ一国を滅ぼしたくらいだから。
[ブリジットがしょんぼりするのが見えたものだから、慌ててフォローに入る。だが最後の言葉は多分嘘だ。]
―二階・自室―
[真面目な顔をして考え込む女の腹がぐぅ、と鳴る。
カーテンを閉められてはいたが、そろそろ夕食の時間だろう。
階下からは、おいしそうな匂いも漂ってくる。]
……今日はエビフライ、ね。
[メニューのあたりをつけてみた]
あ…ごめん、なさい。
次は頑張るから…。
[顔を上げたらブリジットがしょんぼりしていた。
すまなそうに頭を下げながら怪しくなったカレーを口に運ぶ]
あー……落ち込むな、ブリス。
今回はたまたま、巡り合わせが悪かっただけだから。
[しょんぼりとしているブリジットに苦笑しつつ、完食して]
さて……片づけがてら、甘いもん作っとくわ。
[だから頑張れ、と言外にエールを送りつつ、台所へ]
[イレーネの悲鳴にそちらの方を向けば、お皿の上は何だかなみなみと白いものが注がれていて。]
[どう言おうかと思ったが。][どうにもなりません。][それでも食べるというイレーネに心の中で拍手した。]
[そんな様子を眺めていたら、低い声が耳に届く。]
どういたしまして。
[マテウスにお礼を返しながら。][自分の分をいつもより早めに食べ終えた。]
[好きなものは、食べるのも自然早くなる。]
―→広間―
[今日は転ばなかった]
[広間に近づくと、カレーの匂いがする]
おや。
良い匂いです。
こんばんは
[皆に挨拶をして、小さな袋を取り出した]
ささやかなお礼です。
どうぞ受け取ってください
[差し出した相手はノーラと、ブリジット]
[中には銀の小さな天使]
裏切り者・・・
[早々に食事を終えた幼馴染組に向かってぽつり。どう考えても自業自得なのだが。]
・・・キミはグリンピースの恐ろしさをまだ分かっていない・・・・
[とても愉しそうなミハエルに、地の底から響くような声と恨みがましい眼を向けた。]
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