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[アマンダの笑みに、こちらも少しだけ口の端がほころぶ。が、質問の意味が分からず、首を捻る。]
平気…?何の事?
私は、いつでも何でも平気。やっていける。
[口の端が綻ぶだけの、微かな微笑。
時々しか見られないけれど、いつもと変わらないそれに安堵する]
…ん。平気なら、いい。
きっと、私の思い過ごし。
[アマンダは目を細めて、イレーネの頭に手を伸ばす。
千花がイレーネにされたように、イレーネの頭を撫でようと]
[その体に触れたならば、今までよりもずっと生命の気にあふれている事に気がつくだろう。
ふわり、と風が銀の髪を揺らす。]
…そう、平気。
[クス、と声を出して笑った。]
[アマンダは硬そうに見えて艶やかな銀の髪に触れ、そこから伝わる生命の気の大きさに目を見張った。
風が吹いて、手が離れる]
…イレーネ? 何か…あった…
[小さな笑い声。聞いた事があっただろうか。
アマンダは答えが欲しいのかわからぬまま、*小さく小さく呟いた*]
―北通り―
[上着胸のポケットから、玉を取り出し眺める。
思索は行き詰まって居る。指先で転がす。
水晶の意匠が晴れた冬の日の雪のように煌めく、小さな玉。]
[グラスの中でレモンの果肉が潰れる。]
[冒険者の一団がテラス席へ現れ、ミハエルの思索は中断された。鎧、つるぎ、金気の多さに辟易する。溜息。]
[代金を置いて、その場から逃げるように席を*立った。*]
[風が髪をひっぱり、顔が隠れる。目が、鼻が、口がチラチラと髪の間から見え隠れする。
その顔は、笑っているのだろうか、僅かに肩が揺れているようにも見える。]
…何か?いいえ、何も。
むしろ、これから。
[少し呆然と立つアマンダをその場に残し、くるりと後ろを向いてその場を立ち去った。]
これから。
[呟きながら、木々の間を、ぬっていく。
その口はずっと何かを呟いている。小さく、声が漏れる。
それはまるで呪文のよう。]
[木々の間を歩きながら、遠い記憶を思い出す。
500年前。もう、かすかだけれど、他のどの記憶を捨てようともこの記憶だけは捨てなかった。
形見も何も残っていないけれど、この記憶だけは。]
…ふふ。
[またひとつ笑って木々の間を抜けていく。]
─喫茶室─
[ガバッと身を起こし、寝ぼけ眼であたりを見回す。]
……ぁ?
[苦笑いを浮かべた店主から、コーヒーを受け取って、
ぼんやり啜る。]
―Kirschbaum・昨夜遅く―
[皆が帰っていくのをいつものように見送って。
何人かの潰れている人を見渡しながら水を飲んでいた。
まだ立ち上がらないのはふらつきが治まらないからで]
あっ。
[目の前に水のおかわりが置かれた。
にこやかに笑って見えるその人の]
「何をやったんだ?」
[視線がとても痛かった。
そのまま前に座られてしまえば逃げようは無く。
もちろん何をしたのかも全部白状させられた]
「それで、その場で外したと?」
は、外したわけじゃないです。
一本くらいなら緩めても大丈夫かなと思ったので……。
[語尾がどんどん小さくなる。視線が痛い痛い痛い]
えう、ごめんなさいー。
[がっくりと項垂れた。間違いなく自分が悪かった]
「あのな。今からそんなで均衡が崩れ始めたらどうするんだ」
均衡が、崩れる?
ちょっと出かけてくる…。
[革鎧の上にマントを羽織り、花びらを散らす…彼には少し寒く感じる…風の中へ出て行く。]
『…何故、今破られたのか…が、問題?
奪う為にここに来たとしたら、旅人の仕業だが…。
人が集まってきて、地元の人間も興味を持ったってのもあり得るし…。
もしかして、揃ったから封印が解けたとか?
それならだれがそうでもありうるか…。』
[ぐるぐる考えごとをしながら、自衛団詰め所まで来たが、やはり団長は見つかってないらしい。]
「ああ、書を使おうとすればおそらくはな。
持ち出した連中は俺の張った結界を破ろうとするだろうし。
そうでなくても封護結界がそろそろ動きかねん」
[そういうと一つ溜息をついて]
「そういう時にこそ必要とされるのが影輝の力だろうが。
だが俺はそうそう手を出せない」
[干渉は出来る限り避けないとな、と続き]
「今から揺れてたら、お前自身が取り込まれるぞ」
[息を呑んだ。もちろんそこまで考えていなかった]
「だからもっと気をつけろ?」
[それだけ言うと彼はカウンターの向こうへと戻っていった。
彼女はそのまま受け取った水をゆっくりと飲んで]
……おやすみなさい。
[部屋に戻ると寝台に上がってすぐに休んだ。
一刻も早く落ち着くために]
[遺跡の方を見て、行くべきか迷う。]
…オトさんが調べてわかんないなら、俺ごときにゃみつけらんないよなぁ…。
[だったら、どうしよう…と、考えながらとりあえず、*街の中へ。*]
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