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[ネロの手を取り、引っ込められた手に体のバランスを崩す。ましろの翼を一度羽ばたかせた後]
―― ざぶん
[音を立てて湖に落ちた。しばらくすると頭を水面に出し、少量の水を吐く。眉を寄せ、首を傾げて]
うん、冷たい
……楽しい……かな?
[むーと唸りながら、ネロの方を見て、両手で水を掻く]
[幼馴染の声に、体ごと振り向いて固まった。]
巫女さんが?
[カレンに気づき、手を振るもどこか呆然とした風で。
聖殿の前に、立ち尽くす。]
―結界樹:湖のそば―
[上空を白い翼を広げ、向かったそこ。
何かあったのならばこちらだろうと思ったのだが、
どうやら何か違うことも起きたようだと、空中から彼らの姿を見下ろした。]
なんで謝るかね、この子は。
[謝罪の言葉に、ふう、と息を吐く。
肩のラウルが不安げに、ぴぃ、と鳴いた]
ほら、ラウルも心配してるよ。
そんなに、思いつめなさんなって。
[明るい口調は崩さぬまま、避けられぬならぽふり、と頭の上に手を置いて]
……って、そこの坊やたちは何をしてんだい、まったく……。
[水に飛び込んだオーフェンの様子に、はあ、とため息一つ]
[続いて広場に到着したラスとカルロスの事は知らぬまま、島を一周する。
見つけること叶わず、向かうは島の中央。
紫紺の翼を異なる方向へ動かし、空に留まる。
目を閉じて気配を探り、より強い方向へと翼を向けた。]
………!
[結界樹の周りに集まる複数の気配。
見知った者も幾つか在るそこへ、翼を引き落ちる様に降りる。]
ローディちゃんが、消えた……。
この場合は、確かに巫女姫さんが消えた感じかな。
それなりに厳重に警備してただろうに…なぁにやってんだか。
[ぽつりと呟いて。呆れたような眼差しを聖殿に投げる]
…無事なら、良いけど。
[水からあがって、オーフェンを引き上げるように手を差し出す
二人あがったならば、軽く水滴を飛ばすように体を振るわせ
耳に水が入ったらしく、頭を大きく振る。]
水〜水〜。ぐちゅぐちゅ〜
恥ずかしがらずに出ておいで〜♪
[と、陽気に歌うように、上空から見るものには気づくことなく、耳の水を出すようにしている。]
[広場に降り立てば、クローディアの護衛の姿が見えれば]
……何があった?
[ジョエルに問いかけ、巫女が居なくなったことを知るだろうか。紫紺の翼とは行き違いになるかもしれない。
リディアやロザリー、カルロスやラスの姿も見えるだろうか]
Airanac...?
―― athisakoud,
[明滅するひかりに目を向ける。
揺らいでいた眼が、大きく見開かれた]
誰かが、いる? ……捕らわれ、た?
[やがて、現れた長老に、事の顛末を告げられれば、巫女は本当に無事なのか?と必死の面持ちで問い返し、結界樹が巫女を害することは有り得ないとの確約を得て、ようやく落ち着きをいくらか取り戻す]
堕天尸………
[呟く声は暗く、苦い]
[上空に感じた気配に視線を上げ、そこに浮かぶ影を認める]
……狐の旦那かい……。
[低く呟くのと、紫紺の翼が舞い降りるのとは、ほぼ同時か]
って、旦那。
なんかあったのかい、血相変えて?
[ネロに差し出された手を取って水から上がる。水に濡れて重くなった翼をぶるぶるっと震わせ、水滴を飛ばす]
うん……楽しい……あはは
[ひとつ笑うと、ネロの真似をするように、耳から水を出そうとする。そこで嫌な気配を感じて、眉を顰めた]
[空中にいた白の翼の主に気付く余裕もなく、声を投げる。]
………クローディアが、巫女が消えた。
見かけたものはいないか!?
[ある種の和やかさを破る鋭い問い。]
…よ。
[カレンの姿を見つけ、片手を上げた。
ゆるり、足をそちらへ向けて近づきながら、かしかしと頭の後ろを掻く。]
なんか大変な事、なってんな…。
おやおや。
[降りていったスティーヴも見た。
だが狐は、その場からほとんど動かずに――というよりゆっくり旋回し、下の様子を見るだけ。
水の中にいるのがわかり、何があったやらと呆れる様子。]
[ 担がれていた男が降ろされると、記憶を辿る。]
確か…ケイジ様のところの…御馬鹿さんでしたか?
[ 名前を聞いた記憶があるが、覚えてはいなかった。
担いでいた方の男も顔には覚えがあるが。]
――――――…はぁ。
巫女姫殿が姿を隠したのなら結構ですが…。
人為的に消された、のであれば困ってしまいますね。
長老が、何かご存知のようですが。
[ そう言っているうちに、カレンの姿も見えたようであった。]
[やがて、巫女の捜索に向かった者達へ、事の次第を告げる伝令を追わせ、自らは、聖殿の内へと姿を消す。守るべき者のすでに居ないその場所に*やはり眠りは訪れることはないだろう*]
[カレンに気付き、緩慢に手を上げるだけの挨拶をして。
巫女の世話役の様子を眺める。
説明があるならばそこからだろうが、自分で聞き出すよりは、他人を経由した方がスムーズだろうと検討をつけていた]
……荷物持ちが荷物になった……。
[カルロスとラスの小さな声で、そんな場に合わぬことを呟きながら、ラスには手を振り返し]
クローディア、自分で抜け出した、のか。
・・・嗚呼。
[ふう、と小さな息を吐き。]
……って。
[スティーヴから投げかけられた言葉。
思いも寄らぬそれに、一つ、瞬いて]
消えた……って。
ローディが!?
だって、あの子、聖殿にいたんじゃ……!
[知らず、声は、上擦って。
隠したままの翼が、唐突につきり、と疼いた]
うん。楽しいね〜あは
[と、オーフェンに返しながら、同じように水を払っていたりするのを見ていた。
その直後だろうか、上空から声が投げられたのは
それに反応して上を見て]
し〜らない。知らないよ〜。かくれんぼなのかな?あはは
[鋭い声を聞いても...は態度を変える様子はなかったようだ]
[かけられた言葉の衝撃に、振っていた頭を止めて、顔を上げる]
……っ
巫女……が、消え……た?
[上空に舞う紫紺を睨みつけながら、交わしたクローディアの言葉を思い返している]
巫女――?
[声に顔を上げ、
ひかりを、再び、見る]
ino kod iahek...
ubian, u jiak'ek ?
[島の中央に聳える樹木を、眼差しが捉える]
...et'ug as.
[呟くような言葉に呼応するように、
ぱさり、淡い金の翼を羽ばたかせる小鳥]
[紅髪の麗人の声に、振り返る。主の名を耳にすれば、気付かれない程度に眉を顰めたか]
あー…そちらは、ロザリんちゃん。
って言いたくなる呼び方だなあ…。俺は、カールーロース。
覚えておいてね、ロザリーちゃん。
長老が知ってる…?ああ、成程。
案外にあのお兄さんは信用されてなかったのかな。
[咽喉の奥、低く笑う]
[途中、カレンと擦れ違ったかもしれないが気付く余裕はなく。
アヤメに頷き、他の者も順に見ていく。
顰められたオーフェンの顔にも鼻を鳴らさず、何か知っていないかと鋭く見つめる。]
そうだ、聖殿にいた――にもかかわらず抜け出したらしい。
[アヤメの問いに視線を外す。抑えた声は地を這うように低い。]
[ぺたり、
地面に座り込む。
二対目の翼が広がった。
手のひらを突いて、金糸雀色の瞳を、閉じる。
――鳥はその姿を揺らめかせて、
形を崩して唯のひかりとなり、ふぃと、消えた]
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