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……しかし、暑いな。
[言葉と裏腹、外見は平然としているのは、宿すものの気、故か]
あー……今日は、師匠んとこ、行けねぇなぁ……。
[そんな愚痴めいた呟きをもらしてから。
また、ゆっくりと歩みを進め]
─瑞雲神社・境内にある木のどれかの上─
[石段下に誰かが来た気配に気付いているのか居ないのか。木の上で休んだまま、動くことは無い。座っているのは少し高めの枝葉の中であるため、境内に誰かが来たとしても、気付きにくいだろうか]
[ポケットの中に入れた黒い塊が、ぴきぴきと音を立てていたが、それに気付く様子もまだ無い]
[日差しは強かった。今日も間違いなく真夏日になるだろう。
手傘を作って細めた眼で太陽を見上げながら、そんななんでもない感想を心で呟いて、ソレを肩に乗せつつ……というよりぶら下がらせながら、町へと進んでいく。
目的は単純に降りかかる火の粉を払うために、万全の位置を把握しておこうと思ったからだ。少なくとも昨日神社に向かったメンバーから五人引く。そしてサキが口にしていた四端というものも同じく天界の愚かな手先と考えると、純粋な消去法で自分が怪しまれるのは明白だったからだ]
……逆に、そこでまだ一人来ていない事を無視して俺に当たりをつけたとしても、頭が足りないと言わざるを得ないか。
[彼はタマキの事を知らないからそう言えるのだが。
と、ぶらぶらしている時、不意に携帯が震えた。取り出してみるとキョウヤからだった。
しかしその内容に眉を顰める]
「……?」
[ソレも、そんな彼を不思議そうに見た]
[石段を登る。暑い。だがいつもより疲労も身体も軽い気がする。]
あー、今回はともかくこれからはどうしたもんか…、
[どうなるかもわからぬのに既に先のことをぼやきつつ石段を登る
石段の上には既に璃佳は居るのか否か]
……何かあったか?
[それが一番最初の感想だ。
彼がキョウヤと出会ってから早六年になるか。小学校五年生の時に京都からこの町に引っ越してきて以来の付き合いだ。キョウヤはこれまでも彼の突拍子もない発言と、天然ぶりに振り回されていたのは自覚していたが(自覚していただけで、直せなかった)、その中でもこんな、
・・・・・・・・・
まるで人を遠ざけるような内容の連絡を寄越したのは見た記憶がなかった。
……尤も、彼の事なので忘れている可能性が高いのも否めない事実であるが]
……キョウヤを探す。
[彼はそうソレに言って、キョウヤを探すべく町をうろつき始めた]
ん――
[ 不意に視線がゆるりと動いて、地に水平になる。
規則性のない風が、一定の流れを持ったかのように、
彼のすぐ傍を過ぎっていった ]
為すべきこととか言われてもさ。
判断基準が無いんだよね、こっちには。
[練習終わって、シャワーを浴びて。
本来まだ使えない時間なのにというのは、取り引きで交代した掃除のついでだったとかなんとか。ある種の職権乱用]
にしても…あっついな。
イライラするったらありゃしない。
[どこぞの誰かとは反対に、属性的にも弱いのかもしれないですね。普段はそんなこと考えたこともありませんが]
もう虱潰しでも何でもいいや。
とにかくどうにかしよう。
[トントントン、とリズムを踏みながら学校へ向かう。
多少の疑いを掛けている二人、そのどちらの連絡先も知らなかったから、事務室にでも入り込んで調べようかと。濡れたままの髪から飛び散った水滴が光を弾いた]
―神社―
[呼び出した側は、もちろん居ました。
つーか待ちすぎて退屈の余りちょっくら探検しちゃれとか思わんこともなかったが、それで擦れ違ったら目も当てられないので石段見える木陰で体育座り待機していたとか]
……やっぱ時間もっと狭めとくんやったなー。
[元の性格からして、待ってるのは性に合わず、ひざ小僧に何度も何度も突っ伏しちゃー起きるの繰り返し。
視線は神社入り口に釘付けだったので、先に来ていたサキに気付く事はまったく在りませんでした。警戒心なさすぎですな]
[親友の心情の動きなど知らない。とりあえずマリーとデートでもしてこい。とかなんとか。
とにかく石段を登りきればそこには既にリカがいて近くまでいき]
よっ。璃佳。待たせたな…しっかり今日もあっちーなぁ。
…ああ、久鷹だけど。マリーとデートだから無理らしい。
[真っ赤な嘘をさらっと吐く]
ま、天魔ってのがやばい存在ってのは一応わかったんだけどなぁ
[困ったもんだという態]
[延々えんえん待って聞かされたのは無常な一言(しかも嘘)でした]
あんのバカップル!
や、後から呼び出そうとしたんうちやけどな。
せやかて昨日もいちゃついとったんやし、ちょっとくらい時間割いてくれてもえーやん!
[この暑い中、ケータイない身にわざわざ伝えに来てくれたキョウヤに当たってもしゃーないと思うも、口が止まらない止まらない]
─七曜学園・校門近辺─
[校門前までやって来て、ふう、と一つ息を吐く。
これから、屋上まで登って、と考えると、ちょっと憂鬱かも知れないが。
……まあ、他に入り口ないんだから仕方ない、とかなんとか思いつつ、校舎へと向かう]
……後で、出入り口は増設しとくか……。
[最初からそうしろ、とも言うが]
しゃあねえだろうが、あの二人呆れるほど仲いんだからよ
[バカップルとかには半端ない同意を返すが]
っつーかそれわざわざ告げに来た俺だって結構な手間だぜ……ま、それ以外にも三つぐらい用事があって来たんだけどな
まず一つ、おれ自身にキョウヤんよばわりは百万歩譲っていいとしても、広めるなや
[それは電話した相手にだったり。
そう言いながら一歩璃佳に近づく]
二つ目。蒼龍がすっげーむかついてその気分転換
[というか気晴らしだけど。と内心呟きながら、また一歩]
んで、三つ目なんだが…
俺は、ダチやるって聞いて、はいそうですかって素直に聞ける性質じゃないんでなっ!!
[念じると同時に右腕に出るは、漆黒の柄とそれに絡みつくように蒼龍の装飾が施された、銀の刃を持つ戟
ダンと音が鳴るほど地を蹴りつけて間合いを詰めて、リカめがけて刃で横斬りに斬り払わんと、戟を振るった]
―自宅―
[行ってらっしゃい、といつもの笑顔で従妹を送り出して。
ばたん、と扉が閉まる音と共に、小さく吐息を零した。]
…急ぎの用事、ねぇ。
[どうやら粗方の内容は聞こえていたようです。盗み聞きは良くないが仕方がない。
いつもならば賑やかに電話しているのに、突然こそこそとし始めたら…気になるに決まっている。
最後の皿を片して傍のタオルで濡れた手を拭うと、ポケットの中から携帯を取り出した。]
――まぁ、自分から動いてくれる分には構わないのですが。
[本当は自分に愉しい事が回って来るならば万々歳だが、
仕事が減るなら、それに越したことは無い。]
ん、タイムセールの時間だ。
出かけよ。
[…自分の生活もあるし。]
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