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とりあえず、コレ、隠さんとどーにもならねぇ、かっ!
[焼け石に水な気もするが、それだけで目をつけられるのは動き難い。
ぐるりと見回したなら、目に入るのは流れ弾で割れたらしいショーウィンドゥと、散らばる色とりどりのハンカチやスカーフ]
……非常事態だしなっ!
[早口にこう言うと、落ちていた中から黒のスカーフを引っ掴み、それで裂けた部分を縛って隠した。
偽装というには余りにもお粗末だが、今は機械部分が隠れていれば問題ない]
っかし……ここがこう、って事は、あっちゃもっと酷そう、か?
情報屋、生きてっかな……。
─ 街中 ─
[この先を抜けてしまえば家までもう少し。
犬は急くようにして街中を駆けて行く]
───!?
[袋を銜えたまま駆ける先で、突然制止の声>>64が上がった。
驚きはしたが、駆けているものだから急に止まることは出来ず]
〜〜〜〜〜!!
[一応ブレーキはかけたものの、果たして警備員が居る前で止まれたかどうか]
─ 街中 ─
[始めは近くを回っていたが、喧騒にはなるべく近付かないせいで人探しはなかなか進まない。
赤く染まったり、あるいは黒くなったりして転がっている人を見ては、フランの祖父じゃないか確認する、という情けないような作業が続いてしまった。
そんな仕事が随分経った頃。
とある家の前を通りがかった時だった。]
『―――ドオオン!』
[突然の爆発音と同時に襲ってきた爆風に、ほど近くを通っていた宇宙人は吹っ飛ばされる。
ごろごろっと転がって、暫く動けなかった。]
ちょっ……、なに…っ!?
[痛いも痛いが、それより突然のショックの方がでかい。
気を持ち直して顔を上げると、先ほど近くを通っていた家が半壊したあげくに燃え上がっていた。]
………………。
[煌々と燃え上がる炎に、言葉も出なかった。
ただ微かに指先を震わせながら、鞄に手をかける。
自己防衛の本能が、中から銃を取り出させようとしていた。]
[その放送がドーム中に響いたのは、あたりの喧騒が落ち着き静かになった頃。
みんなが平静を取り戻したのではなく、平静を取り戻すべき騒ぎの現況がなくなった頃]
『現在のドーム内の生存者は、パトラッシュ、カレン・ドイル、レッグ・アセーオ、エリカ・ヴェクトル、ケイジ、:フランシーヌ・ジェファーソン
の以上6名です。
メインパーソナリティのクローディアが破壊された為、非常用のサブパーソナリティを起動いたしました。
メインパーソナルからの引継ぎにより、これよりPSMの脅威がなくなるまで皆様に打ち合っていただきます。
定刻になりましたらお知らせしますので、中央の議事堂に集まり怪しいと思う相手を各自攻撃してください。
なお、指示に従わないものがいる場合には強硬手段を行使することになります。
生き残った皆様にはご了承をお願いいたします。』
[人間味も温かみもない声と内容をただ告げると、放送はやんだ]
─ 街中 ─
[滑りの良い道ではなかったため、アニメのように砂煙を上げて地面を滑って止まる、なんてことは出来なくて。
四肢を半ばばたつかせるような状態で、犬は急停止を試みる。
結果、僅かに止まり切れなくて軽くぶつかるような状態で警備員>>70に受け止められた]
きゃいん!
[ぶつかる勢いは減じたものの、鼻先が軽く潰れて犬は悲鳴を上げる。
再び口から袋が零れ、地面へと落ちて行った]
… きゅうん …
[右前足を持ち上げて、何度か鼻先を擦るように動かす。
受け止めてくれた相手を見上げた矢先、相手は路地の方へと踏み込んでいて。
響いた銃声に犬は思わず眼を瞑り身を竦めていた。
硝煙漂う中、恐る恐る眼を開けて、犬は警備員を見詰める]
─ 街中 ─
[人より鼻が良い分、漂う硝煙と血の匂いは強烈で。
犬は目頭の間に思い切り皺を作る。
それはまるで人が顰めっ面をするようだった]
おんっ
[警備員からの問いかけ>>75には肯定するように鳴き声を上げる。
支給武器、の部分に掛かる返答だったが、使えると誤認されても仕方が無いタイミングでの返答だった。
尤も、説明書さえ読めば使える可能性は十分にあるのだが。
落とした袋は鼻先で突いて銜える部分を作り、それを噛んで再び袋を持ち上げた]
─ 街中 ─
は…はは……なんっつーか………
人間って怖ぇー……。
[故郷じゃ考えられない事態に、震えを隠さなかった。
火薬の匂いがする。何かしら爆薬のような物で家は吹っ飛ばされたのだろう。
かたかた震えながら、銃を手にとり安全装置を外し、すぐに撃てるような状態にして引金に手をかけたが、なかなかそれを鞄から取り出す事は難しかった。]
「ああ、なるほど君が……」
[友達との言葉に引っ越してきたばかりの娘に、ましてや年の離れた友達などいるわけもなく。
思い当たる相手といえば迷子のところ見つけてくれた相手のこと。
正確にはその相手は犬なのだが、そこまでは分かるわけもなく]
「今度改めてお礼をさせてもらう。すまない。」
[気を失ったままの娘を抱えると、周りから飛び掛ってきた一人と、同時にその場を駆け出して逃げ出した]
─ 街中 ─
「お、お前がPSMか!」
は?
[もだもだと情けなくも震えて立ち尽くしていた時、突然斜め向こうから飛んできた声に驚いて顔を上げる。
その手に握られている銃口が、こちらを向いていると知ると、面の下で目を向いた。]
ちょっ、ちがっ!
俺は―――
[ただの善良な外来訪問者だと言いかける前に、パンッ、と乾いた音がする。一瞬の遅れの後、右足に激痛が走った。]
いっ、てええ!!
[どうやら旧式の銃で弾かれたらしい。
うずくまり撃たれた箇所を片手で押さえるも、青色の液体がぱたぱたと流れ、ズボンを青く染めていた。]
っ、ぐ……
[痛みのせいか、ぎにゅ、と撃たれた周囲が急に盛り上がり、服着た人の足が見る間に異邦人の足へと変わってゆく。
それを見てだろう、やっぱり血が青い化け物だ!と叫ばれて指差され、ちげーよという声も出なかった。
ふつりと湧くのは、理不尽な状況への恨みのような念と、死にたくないという生存本能。
かちりと向こうの安全装置が外された音がすると同時に、痛む足を押して一歩踏み込んだ。]
ンの、 おおっ!!!
[叫ぶと同時に姿はブレて、身体が今までの大きさの倍に膨れ上がる。
手と足とが異質な色をした、柔らかくてぷにぷにして、擦ると独特のじゅるりとした音を鳴らす長い物へと形を変える。
面だけが異質な姿の中央にあり、より一層気味の悪さを浮き立たせていた。]
「ひっ!」
[そりゃまぁ突然そんな姿みせられれば怯むだろう、という思惑の通りの反応をしてくれて、銃口は明後日向いて弾が逸れる。
その隙をついたわけじゃあないが、変質した足で走りながら、夢中で鞄の中に忍ばせていた銃を取り出し、引金を引いた。]
ん、まあ、正確にはもう……ひとりいるんですけどね。
[納得したらしき様子>>81に、冗談めかしてこう言って]
ま、まずはここを切り抜けてから、ってー事で!
[軽い口調は崩さず、駆け出すのを見送る。
同時、動き出した群衆の足元に、牽制の銃撃を撃ち込んだ]
はいはい、止まったとまった。この先の通行料は、高くつくよぉ?
「お前、PSMの味方するのかっ!?」
いや、あの二人は違うだろっての。
「何言ってんだ、PSMの家族なんだぞ!?」
「どうせ、入れ替わられてるに決まってる!」
「大体、PSMが見抜けるなんて、おかしいだろ!」
……おかしかろうとなんだろうと、殺らせるわけにゃあいかねーんだよ!
― 雑貨屋 ―
[どれ位座り込んでいたか、時間の経過はわからなかった。
ふと、あれだけ聞こえていた音が付近からなくなったことに気付いて。
ようやく動くようになった足で立ち上がった。]
おじいちゃん…
ケイジさん、エリカさん…
っ、…!
[無事でいて欲しい人の名を口にして、外に向かいかけ。
支給場所で渡されてからずっと手に持っていた、さっき座り込んだ拍子に手から離れて床に落としていた袋に躓いた。
無言のままそれを拾い、ベルトにくくりつけてから立ち上がり。
今度こそ外に出た。]
─ 街中 ─
[鼻を鳴らす警備員>>80の言葉を聞いて、犬は首を傾げた。
なんのこと?と言っているような仕草。
続く言葉には縦に首を二度振ることで肯定を示す]
ふぁふん ……
[問いかけを聞くと、袋を銜えてるために空気が抜けるような音を紡いだ。
空いた間は、考えるような雰囲気を漂わせている]
おんっ
[思考による間が空いた後、犬はくぐもった声で一声鳴く。
それからついて来いと言わんばかりに道を歩き始めた。
行き先は当初から自分が向かおうとしていた場所]
[正直な所、誰がどうなっているのか、なんて考えている余裕はない。
現状は、直感だけで動いていた]
……しーかし、ったく。
なんで、こーゆー事態にぶち当たるんだろねぇ、オレ。
[内容は大分違うが、退役する理由の一つには、閉鎖空間での市民暴動が関わっている。
あの時のそれは人為的なものだったが、今回はどうなのか。
そんな、考えてもわかりそうにない疑問を振り払い。
離脱するタイミングを測りつつ、幾度目か、撃鉄を起こした。**]
『ピッ』
[旧型の銃よりも軽い音が放つのはレーザー。
おもちゃのようなそれは運良く相手の額を貫いて。
どさりと人の倒れる音がすると、作り物みたいな赤い色が地に広がってゆく。
焼けるような匂いは、すぐ傍が火事のおかげで紛れてしまっていた。
ぶはぁ、と息を吐いて、吸う。いつの間にか呼吸を止めていたようで、たっぷり息を吸い込むと血生臭い匂いが鼻へと昇ってきて噎せた。]
うぇ…げっほ、げほ……
[吐きはしなかったが、ただ暫くの間噎せると身体は自然と人の形に戻っていった。
足が痛いのは相変わらずで、気にならないとは言い難かったが。
目の前に倒れた、いや倒した人間の姿から目が離せなくて。]
いくら違うったって…。
生きてる人を殺すってのは、やっぱり……。
[怖いと呟いて、面の下で眉を下げた。
ちょっと泣きそうだった。]
「そうか、ならばその人にもお礼を言わなければな」
[犬ということは結局最後まで伝わることはないだろう]
「君も無事で、しっかりとお礼をしたいからね」
[最後にそういい残して、すぐに追いかけようとした者はレッグに足止めされることになり、無事にその輪から逃げ出すことには成功した。
もっとも、どこも似たようなやりとりをしており、すぐにまた別の騒動に巻き込まれることになり、結果として……]
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