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ユーディットさん?なぜここに…て、妖精王の力で、ですね…
でも…それじゃあ、妖精王さんは、確かに誤爆だわ…
[少女は溜め息をついた]
[詰め寄るアーベルに、静かな調子は崩さないで]
もう一人がミリィなんじゃなくて。
……理由はよくわかんねぇけど、ミリィも妖精の影響を受けていて……。
妖精同士の、意識の会話に加われた。
それで、話し合って。色々、どうするか。
その結果……なんだよ。
[すたすたと、再び、通りを歩く]
[今日見たのは、金のひかりだけだった。ならば、銀のひかりは何処に?
……相変わらず宛てがある訳では無かったが、昨日、エーリッヒの消失を目撃した者達なら、何か知っているかもしれない。そう、思って]
[彼女にとっては、黒猫が飲んだり立ったりしゃべったりするのは当たり前の事で。
それよりも、ミリィがなぜいるのかわからなくって、混乱する。
今の自分の姿(1m弱)が二人の知ってるユーディットとは違う事も忘れて。]
…ええ。
[戸惑いながら、頷く]
[やはり可笑しいと思う]
そう…だけど。
…また、連れて行かれちゃった、みたい…よ?
[淡々と話す姿に、もしかして気付いていないのか、と]
[言いながら、ミリィの消えた場所――リディの居る場所へと、目を向ける]
――――……なに、
[数刻の間、呆然と立ち尽くして。…漸く発した呟きも、雪へと落ちる。
視界の向こうに、ユリアンとアーベルの姿が入って
…ゆっくりと、其方へと歩み寄る。
――――彼らが何を話しているのは、良く判らないけれども]
[友人の名前が聞こえれば、自然と意識は其方へ]
……ふざけるな……
[低く…怒りを押さえようと抑揚の無い声で呟く]
…………理由はわからん…どんな話しあいかも
けど、お前は自分の親子喧嘩の尻拭いも一人じゃ出来ないのか…
妖精同士のいざこざに、人間巻き込まなきゃ片がつかないのか…?
[ぐっと…机上の手が拳を作る。]
[とりあえず、座れ、呑め、喰え♪とばかりに、黒猫はにゃっにゃと二人を加えて宴会の支度。
酒場には客も店員も居たような気がするのに、今は薄れて気にもならない。]
[ところで子供はあまいにおいに気づく。
どうやら近くに、何かあまいものがあるようだ。
きょろきょろとあたりを見回す。
と、苺の屋台(ちょっと違う)の前の、
金色の、髪の少年を見つけた。]
あ、ミハエルさん。
連れて行かれたんですね。
銀色のに。
[誰が? とも聞こうとはせずに、
子供はそう言って。]
やっぱり、悪い妖精がさっさとつかまらないのが悪いです。
[――既にへべれけな団長さんはほっといて。
ミリィの言葉が理解できずに、瞳を何度も瞬かせる。
自分が”悪い子”であるという思い込みのままに。]
誤爆って…?
だって、私が…妖精なのに舞姫をやってしまったから…王様が怒ったんでしょう…?
[今にも泣きそうな顔で、見上げて。]
[苺一年分とは、どれだけなのだろうか。そもそも、一年保つのか。
というか、そんなものを貰って、一体誰が喜ぶのだろうか。
そんな、既に先人の通った道――もとい、思考をしながら]
……ベアトリーチェ……、に、ノーラか。
[かけられた声に、其方を向く]
[会釈をしようとして、聞こえた、単語に。]
銀色の、に? ……また、出たのか?
[なんだか目立たない屋台だった。
茶色くて、黒っぽくて。
よくみてみれば白い文字で、
ショコラ
と書いてあった。
それがチョコレートのプレートだと子供が気づくのは、
まだだいぶ先の話になるのだけれど。]
[ミリィの問いには、きょとん。]
……だって、私、妖精だもの。
[気付いてたんじゃないの? と小首を傾げて。
花火の時とか、妖精が見えた、とかですっかりばれてると思っていたらしい。]
そうみたいです
[ミハエルの言葉にうなずいて、
子供は苺に視線を戻す。
あれ、あたるひとはいるんだろうか。]
銀色の光でした。
誰かいなくなったみたいです。
[ユーディットの言葉に、少女は目を丸くする]
あら…あなたも、妖精だったんですか?
それじゃあ、そのせいで、妖精王が勘違いしてしまったのね。
可哀想に…
[黒猫が、酒を奨めてきたが、未成年ですから、と丁寧にお断り。ふと、思いついて]
もしかして、エーリッヒさんも妖精さんなんですか?
…
[歩いていけば、見覚えのある集団が目に入る。
…その中に、騎士の姿も…]
…ダメ、だったのかな…?
[頭の中で、妖精が凄く困っていたが、気にする様子もなく、その集団に近づいていく]
……ああ、情けねぇけどな。
[怒りに震える姿には、気づいていたけれど。
それを受け止める様子は、あくまで静かで]
……巻き込みたくて巻き込んでるんじゃない、なんて、言い訳はしねぇ。
誰かが悪いとか丸投げする気もねぇ。
悪いのは俺と俺のバカ親父だ。
[わかっているから、タチが悪いとも言う]
[尚、淡々としている少女。興味などないとでも言いたげに]
[…少し、怖くなって]
…え、ええ。
あの赤い髪の子……ミリィちゃん、だったかしら…
[ミハエルの問いには、小さな声が答えた]
や、俺は違うけど……、
[返答しかけて暫く考え込んで…]
どうも、妖精から干渉しやすい人間なんだとさ。
元々魂がこっちに半分ハミってたとかなんとか。
…俺は覚えてねーんだが…どうもガキの頃に一回連れて行かれかけたらしー。
今度はほんとに連れて来られちゃったわけだが。
……そうか。
[ベアトリーチェの言葉に、静かに頷く。
部屋で見せていた狼狽した様子は既に無く、冷静に。
次いで、ノーラの紡いだ名前には、僅かに眉を寄せた]
ミリィが? ……どういう、基準なんだ。
[ユーディットは兎も角――理解が出来ない、と首を振る]
[ミハエルが気づいていないのには何も言うことなく、
それからノーラの言葉に、
子供はようやくそれがミリィだったと知った。]
じゃあ、ランプ返さないといけませんね。
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