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[ウェンデルの姿を見たら逃げ足が早まったのは言うまでもない。
男女どちらに連れて行かれるかわからないまま付いていき。
開けられた扉の中、誰もいないのを見て目をパチパチさせた]
あれ、ここって?
[キョロキョロ見回していると上から落ちてきた問いに固まる。
こういう時、隠し事のある身にはイロイロ心臓に悪い。
どうしようか迷ってると飛んできたタオルにアワアワ]
あ、ありがと?
見ての通り、南館の資料室。
俺がここ借りてたから。
……ウェンデル先輩も使ってるみたいだけど。
[説明は至極簡潔。
ついでに更に心臓の悪いことも告げたりするのだが。
礼を言われると「別に」と答えて]
…必死になって隠してることを無理矢理暴かれても苦痛だろ。
だから、さっきの問いは答えたくなければ答えなくても良い。
[ぽふっとタオルを頭に被り兎耳を隠す。
術者に見えていたかはしらないが、それで少し落ち着いた。
ウェンデルの名前が出た途端、ビクビクしたのは不可抗力。
それでも、気遣われているのがわかると少し表情を緩めて]
んー、何で、と言うか。
ないものを気にするものはいないから、かな。
あったら、その気がなくても手が出てきたりとか…ね。
[一応、兎耳を隠してくれたことへの礼に最低限の説明をする。
性別の方は説明するのが気恥ずかしいので口の中でモゴモゴ。
ユニコーン辺りの使用条件の誤解はあちこち根強いのです]
[タオルで隠されたことで青年の目からも兎耳が見えなくなる。
ウェンデルの名を出してカヤが過剰反応したことに、また何かやったかなあいつ、など考えるのも不可抗力。
そりゃあ『糸』のことを聞いた後では無理もない]
あるからこそ…か。
…ヒトは自分に無いものは珍しがるからな。
知らないから知りたいと思う。
それが無意識のものだったりもするし。
[結局のところ騒がれるのが嫌なのだろう、と当たりをつけ。
何やら口の中でモゴモゴする様子には僅かに首が傾げられる。
けれど説明を強要することもなく]
その手の耳だと、研究的興味と言うよりも、可愛いもの好きが寄ってきそうだな。
[そんな感想をぽつり]
[『糸』のことはしらないが、しったら更に逃げ腰は確実。
そうでなくてもウェンデルは既にカヤの中で危険人物扱い]
そ。
学び舎にいる以上、知的好奇心はいいことなんだけど。
知りたいってことは相手に歩み寄る一歩でもあるし。
けど…やっぱり、怖いものは怖い。
…デリケートなところだから。
可愛いもの好きって手加減なくて怖いんだよっ!
[ぽつりと落とされた感想に、兎耳がぴぴっと立つ。
それにアワアワして薄手のタオルと格闘すること、しばし。
長い髪を片手で器用にクルクル巻き上げて、ターバン風に巻く。
兎耳辺りが少し盛り上がっているが帽子ではないので仕方ない]
[その可愛いもの好き筆頭であるベッティに垣間見られてたとか。
逃げ出した時に、見えない長い髪が伸ばされた手を掠めたとか。
今は知らないから、ターバン巻けばいつも通りの気分。
生き物をぬいぐるみ扱いしちゃ駄目、な経験者が要因なのです]
魔法は智が主だしな…。
それを学ぼうとしてる連中なんだから、知的好奇心は半端ないだろう。
[そんなことを言いながら、青年の関心はかなり薄いのであるが]
どうしても無理なら、晒す必要なんてない。
自分で大丈夫だと、恐怖が克服されたなら、その時は明かせば良い。
けどそれまでは、何か誤魔化す術をしっかりしておいた方が良いぞ。
うろたえたら余計に不思議がられて相手は興味を持つ。
[可愛いもの好きの評価には同意の姿勢を示し。
タオルと格闘する様子を眺め見やる。
それが終わるのを見やってから]
…帽子、あった方が良ければ頼んでくるが。
それと、ここに居るとウェンデル先輩が戻って来る可能性があるから、休むなら別の場所を探した方が良いかも。
[帽子を頼める人物に心当たりがあるらしい。
もちろん詳細は伝えないと約束して。
忠告他の返答が聞けたら青年は資料室から立ち去ろうとする]
…ん。心しておく。
[ライヒアルトの忠告にコクコク頷いて、窓に映る姿を見る。
これなら少しくらいは出歩いても大丈夫と思えた。
帽子を頼んでくれるという声に、ニコニコと笑顔になったが]
…っ来るの!?
[ウェンデルの名に立ち去ろうとするライヒアルトの服を掴んだ。
ほとんどお化けか変質者的反応に近い。
それでも上から視線を受けるとぱっと手を離してアワアワ]
あ、いや、ごめん。…つい。
俺がここで目を覚ました時にも居たからな。
[表情の変化と服を掴まれたことに思わず、ぷ、と笑いが漏れる。
いつもの仏頂面とは違い、どこか子供染みた笑み]
えらく怯えられたもんだ。
知ったら大袈裟に嘆くんだろうな、あの先輩は。
その様子じゃ早めに帽子持って来た方が良さそうだ。
ディルク、カヤ先輩と一緒に居ろ。
帽子が出来たら連絡する。
「あいあいさー!」
[鴉が翼で敬礼するような仕草をする。
置いて行くと言うことは、カヤがどこに移動していても分かるようにするためであった]
そんじゃまた後で。
[ひらりとカヤに手を振ると、目的の人物を探しに資料室を出て行った]
[その頃ウェンデルは、己の社会的地位がどんどん下がって居るのも知らずに、結界壁に沿って歩いていた。
両手と耳を壁に押し付けながら、ちょこちょこ横歩きをしている。
途中で一度だけくしゃみをした。*]
[うろたえたら駄目だ、との忠告直後の行動に赤面しつつ。
子供っぽい笑いを向けられ、ぽふっとマフラーに半分埋もれた。
気恥ずかしかったり照れくさかったりイロイロだ]
うー、だってだって。
駄目だって言ったのに…なんだもん。
[マフラーの中でボソボソ呟くが膨れた頬は見えないだろう。
ウェンデルの自業自得なんだと内心で言い訳]
…あぅ。お願いします。
鴉さんもありがとね。
[敬礼する鴉にも礼を言って、ピコピコ手を振り返す。
使い魔の名を呼ばないのは言霊で精霊を縛らない術系の延長]
それじゃ、ウェンデルに見つからない内に移動しようかな。
西館に行くけど平気?
[小さな肩には乗りにくいかなと片腕を水平に差し出して訊く]
[風の精霊はさすがにウェンデルのくしゃみ一つまで噂しない。
けれど、カヤの怯えっぷりは知ってるから楽しげにクスクス]
[マフラーに埋もれる様子には小さく笑いを漏らすだけで。
青年はカヤと別れ別所へと移動する]
「平気平気。
場所さえ分かればライとは疎通出来るし」
[差し出された腕にぴょいと飛び乗り]
「そういや西館ってあんまり行かないなー。
作りはほとんど一緒なのかね」
[鴉はどこかワクワクしているような*様子*]
(リミットにつき失礼。ディルクは好きに動かして下さい)
[飛び乗ってきた鴉の重さにおっとっととバランス取りつつ。
ワクワク様子にクスクス笑う]
そっか、なら西館決定。
あそこなら…イロイロ便利だから。
作りは似てるけど部屋内容にはきっと驚くよ。
各それぞれの精霊達の為に作られてるんだ。
[兎耳はしられていないが性別は精霊召還の都合でばれている。
今更、何も言われないので休むには好都合。
古代語魔法系と違い精霊力の働く設備の説明を話し出す。
走るにはあちこち痛かったので移動速度は*ゆっくり目*]
(お付き合いダンケ。動かし捕まえはご自由に)
繰り返しネタは基本ですかと。
[ボケツッコミコンビを見ながらちょっと呆れ顔。
緊張感が薄いのは残されたメンバーの基本だろうかと。
他人のことは良く見えるというものである]
あ、潰れた。
んもう、仕方ないなぁ。
[羽織っていた上着をゲルダに掛けた。中の衣装が衣装(動きやすさ優先しすぎ)なのでちょっと涼しいけどまぁ大丈夫。
ちたぱたしているふわふわは湯たんぽ代わりになりそうなのでそのままに。ごめんねの意味でひらりと小さく手を振ったりして]
外ってことは結界範囲外の学院内にいるっぽい?
なら向こうは安心ですね。
むしろこっちの方が危険なような…。
[思いっきり魔力吸われるのはやだなぁ、とか。寮母のつぶやきやゼルギウスの意見にちょっと怖い想像をしてしまったらしく、首をふるふるふる]
あー。うん。
何か簡単に作れるもの用意してこよう。
あたしももうちょっとお腹に入れておきたいし。
[イヴァンの声に無事な瓶をチラリと見ながら頷いて。
厨房の方へと移動する]
ええと、ジャガイモとかがないわけはないよね。
ベーコンも残ってるし。これだけあれば、うん。
[タタタンと案外軽快な包丁の音が響く。
しばらくして出来上がったのは、ポテトガレット、キノコとベーコンのソテー、ミニパンケーキというメニュー]
はぁい、よかったらつまんでくださいね。
[食堂に運んで自分もガレットを一つパクリ。
やっぱりおつまみになっているのは気にしちゃ*いけない*]
―外・結界付近―
[伸ばした手は、カヤの肩を触る前に何かを掠めた。
ん?と手が止まったすきに、カヤら二人は教室に向かう。
ぼやけた視界に、長い二色が見えたりしたのだが、その理由は分かってない。
近くにいたウェンデルの方を向いて首を傾げたが、答えは返ってきたかどうか。
まぁどっちみち目が気になったので、行ってきますと先輩に一言、言ってから校舎へと。]
―保健室―
[にて(また迷子になったかはご想像にお任せ)、魔法医の先生に目の辺りを見てもらうものの、一見異常なし。
ただ美人の保険医の先生は、ものすごーく微妙な顔をする。
ちょっと待ってといわれたので、大人しく椅子に座って待っていた。ピノ君は膝の上でころころ。
暫くすると別の先生…こっちは治療の先生じゃないような。
その先生に、質問されたり探知の魔法?当てられたり。
自分じゃ気がつかなかったが、その間薄青のふわもこは、そういや大きくならなかった。]
[結論。「共振起こしてる」とのこと。]
…せんせー、よく分かりませーん。
[と頭に疑問符浮かべて聞くと、噛み砕いて説明してくれた。
何かめんどくさい理論は難しすぎたのもあって、殆ど頭に残ってないが。
とどのつまり、ピノ君が近くに居ると魔法力が増幅するらしい。あんまり増幅しすぎて、いよいよ自分で制御できなくなって、勝手に目が魔法看破とかやりだしてるとか。]
それって…えーと…あんまりいいことじゃないような?
[何となくの感覚的な感想だったが、先生二人してこっくり頷かれた。
プライバシーもさておきだが、いくらキャパが大きめとはいえ、魔力がそれ以上に肥大してしまっている、とか何とか。体にとても負担がかかっているらしい。]
[先生方は何やら二人相談中。
こっちは目下の危機感はなく、ピノ君と一緒になってぽやん。と聞いてるだけだったのだが。]
「どうしましょ。君、まだちゃんとした媒体もないのよね…?今から用意するんじゃ間に合わないから、制御用の魔法具がいるかしら?」
「いやそれより、そっちのふわふわを使い魔として使役下に置いてしまえば、影響も消えて―――」
え…?
[と、交わされる言葉を耳に拾ってびくっ。]
つ、かい魔って、ピノ君を?
えええ嫌です!だ、だってピノ君、結界なくなったらうちに帰るんだよね?
[と尋ねるが、ふわもこは聞いてない様子でころころ。ぐぅ。]
寝るなー!
[むしろ他に使い魔いない状態で、ここまで息ぴったりの存在相手と繋がろうとしない事を、不思議というか奇異な目で見られたり。]
と、とにかく、私、使い魔はいらないんです!
怪我とかびょーきじゃないなら大丈夫です!
ありがとうございましたー!
[と口早に叫んで、保険室から逃げ出した。
先生らは困ったように受け持ちの別の先生に連絡を飛ばした。
怪我よりタチが悪い状況なのだが、それに気づいていないのは本人ばかり**]
−西館−
[鴉をお供にいつも使っているラボに入り込んだ。
起きて食べたのはケーキ一切れだけだけど、お腹は十分。
鴉の分の果実と水だけ準備して仮眠用のソファーにダイブ]
それじゃ、お言葉に甘えて休ませて貰うね。
窓は風さん用に隙間開けてるから。
[契約者のライヒアルトに何かあったら気にせず行って。
そう言外に伝えて毛布を被る。
そのまま瞼を閉じかけて、がばっと起き上がった]
あ、忘れてた!
使い魔って感覚繋がってるんだよね?
だったら、寝顔見ちゃ駄目だから!
[早速、果実を突付いてる鴉にぴしっと人差し指を向ける。
モガモガしてる間に反対側に寝返り打って目を閉じた。
後から返事してなかったとか言われても*既に夢の中*]
[転寝していた時間がどのくらいなのかはわからなかったけれど。
とにかく、目が覚めたら色んな意味でほんわりあったかかった。
ただし]
……あたま、いたー……。
[コンディションは最悪です。
うー、と唸る様子に、あちこちから呆れた視線が突き刺さったかも]
[とりあえず、水をもらって人心地。
真紅の龍が肩に乗って、顔を覗き込むのにだいじょーぶ、と手を振ってから立ち上がり、ローザに上着を返す。
立ち上がった弾み、転げ落ちたライトグリーンのふわふわは床の上をころころと。
それをもう一度捕まえ、高い高いの要領で持ち上げ、じい、と見つめた]
……そもそも、コレって何なんだっけ?
[疑問の呟きは、完全な独り言だったのだが。
それに、ちゃっかりと料理を相伴していた最強寮母がこちらを見た]
「諸説、あるわね。
異世界生物だとか、魔導錬金学成立以前……いわゆる、古式ゆかしき錬金術の実験で生まれたものだとか。
……面白い説では、『世界樹の子』の番人、なんていうのもあったかしら」
というか、アーデル姐さんって、創立当時からいるんだよね?
なのに、わかんないの?
「特に、気にしてなかったから」
[大雑把だ]
─西館─
[カヤに連れられ鴉は西館の中へと。
見慣れぬ部屋に興味津々で軽く飛び回った]
「へー、精霊に合わせて作ってるってこう言うことかー。
何かおもしれー」
[見物をしている間にカヤが果実を用意してくれて。
鴉は喜び勇んで果実に飛び付く。
仮眠を取ろうとするカヤから忠告を聞いた時は、既に嘴の中が果実で埋まっていて。
起きてる間に返事をすることは出来なかった]
「(もごもごもご)
寝顔見られるのってそんなに嫌かね」
[ウェンデル辺りならば忠告されても覗き込んだりするのだろうが。
鴉はしばらくの間果実に夢中。
食べ終わったとしても、青年の思考が行き届いているのか、カヤの寝顔を見るようなことはしなかった]
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