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―2F 部屋6―
…解る、わ。
[彼女とは境遇も異なるものだと解っているけれど
やはりそれでも、どこか類似点を感じてしまっている。
不思議な感覚に、僅かに眉を下げた。]
奥の壁に…何か、――
[3体の石像から更に壁の方へ進めばふわりと赤が揺れる。
ブリジットの方を見て、ぱちりと瞬きを一度。
ちか、と星が煌いた気がした。]
――…あるわ。
貴方が…きっと、それを見つける。
[ちから、訊ねられる問い。それに答える程、「それ」が何なのか解ってはいなかったから、珍しく弱く笑みを向けるだけの曖昧な返事をする。]
……派手にする必要と余力があるなら、話は別だが。
少なくとも、俺はその必然は考えてはいないな。
[シンプルに、という言葉>>847に、さらりと返し]
[小さなため息>>850には、微か、笑むような弧を口元にのせて]
……いても違和感がない辺り、笑えんが、な。
[亡霊騎士、という言葉に軽口めいた口調でこう言って。
合図の掛け声と同時、扉に向けて力をかけた]
[人であった物に祈る、オトフリートに向けるのは、
穏やかな微笑。
けれど、彼の紡ぐ言の葉に、少しの違和感。
それは、少し前から感じてはいたのだけれど]
ええ、ただ、ものによっては虫食いもあるみたいですが。
[少し明るい相手の表情を捉えると、
感じた違和感を伝えるべきかどうか悩み、
微かに、微笑に暗い影を落とした。
けれど結局は、自身の服を探すことに戻ることにする。]
おや、結構簡単に見つかったなぁ……。
これも、星の導きというものなのかな。
[そして、捜索開始から、そう時を経てず、
預けていた服一式を見つけ出すと、そんな言葉が思わず漏れた。]
[二重にかかる、力。
扉の向こうのいばらが抵抗するのが感じられる。
それでも、二人分の体重は、深緑の抵抗を引き裂いて。
引き千切れる音。
悲鳴のように、響いた。
重なるのは、扉の軋む、音]
……大人しく。
[押し込みながら、片足を上げて]
……開けっての!
[止め、と言わんばかりに蹴りを叩き込む。
一際大きないばらの悲鳴。
扉は、人が通れるほどに、その口を開いた]
なにか生き物がいるのかな。………魚とか。
[言って同じようにウロコを覗き込むイレーネをじっと見た。]
メデューサも病気でしょう。 体調が悪くなるのは当たり前よ。
[損壊のあるものもある、と聞いて心配そうに眉がよる]
ああ、困りましたね。
他の方の衣装を借りるには、気が重いですし。
ええと、私のカプセル番号は………
[ところどころ乱れながら整然と並ぶ衣服。
記憶を頼りに、自らの衣装を探す。
探す手を止めぬまま、さりげなく]
……何か、お悩みですか?
ここには女性も子どももいらっしゃいませんから。
私でよければききますよ。
[先ほど、ちらりと相手の顔にさした影が気になって。
そんな風に聞いてみた。施設の関係者で、医学の心得もあるというから、だから、それゆえの悩みもあるだろうと。よもや、自分に関わることだとは思わなかった]
………おお。良かったですね。
ふたりも、おしゃべり だ な。
[押してる最中も何だか言ってるのに呆れつつ、ライヒアルトが叩き込んだ蹴りをきっかけに植物の切れる音……。]
………ッ ふぅ
[>>859
扉の軋んだ音に片目を閉じつつ、開いたドアにそのまま背を預けて座り込んだ。]
―二階廊下―
ここは建物の中なのに?
水槽も…あ、まだ見てない部屋もあったっけ。
[外が海や湖である可能性だってあるかもしれない]
…そうだったね。
私の周り、そんなに症状の進んでいない人が多かったから。
[じっと見られて、誤魔化すように笑う。
瑠璃は相手の目から少し逸らされていた]
―2F 部屋6―
…私、勘が良いの。
なんて、…ね。
[星詠み、と名乗ったのは彼と、彼女だけだった気がした。あまり馴染みのない職故、邪険にされる事も――あった。だからこそ自分から口にする事は少なかった。
冗談を静かに言えば何やら不思議な光景だったかもしれない。
ブリジットの傍に歩み寄る時、不思議と足が一瞬だが軽くなった気がした。けれど、また重みは戻ってきた。
レイピアを差し出して首を傾けた。]
…?
[おそらくブリジットには首輪の数値がひとつ低下している事に気付くだろう。]
[しばらく音を聞いていたが、立ち上がり、廊下突き当りのライヒアルトら三人が開け様としているドアへと向かう]
そこ、扉があるのね?
開けようとしているの?
[押しているのか、どこかで軋む音。石ではなく]
いばら? 壁にもいっぱいだったもの、扉にも付いてるわよね。
燃やしたら、だめなの? でも、ここで燃やしちゃったら建物が燃えるのかな。
―二階廊下―
ウロコって言えば咄嗟に魚しか思いつかなくて。
[そう言って苦笑い。
イレーネが目を逸らして、首を傾げた時。
天井からなにか音が聞こえた気がして見上げる。なにか黒い影が天井にぶら下がっている。と、それが頭上へ落ちて来た。後ろへ尻餅をつくとどさっと音を立てて廊下へ。]
蛇っ。
[悲鳴を飲み込み尻餅をついたままざざっと後退り、様子を見る。廊下の端、1の部屋の前辺りで黒と灰色のまだらの蛇は上半身を起こして歯をむき出しにする。
歯は独自の進化を遂げていた。まるで、ネズミの歯のよう。食べ物がなくいばらを食べて生きられるよう進化したか改造されたかしたらしい。]
あ、こいつのウロコ、か。
[蒼白な顔で納得した。]
[いばらの抵抗に抵抗するように力を篭める。]
…っ、この…
[――…キシリ。
軋む音に小さく悪態をついて。
痛んだのは、身体の中の何処か。
ライヒアルトの蹴りと共に蔦は引き千切れて、
穴が空いたかのようにぽかりと暗闇が開いた。]
…く、
[短く息を詰めて、肩を揺らす。
咳ではなく、笑い声が続いた。]
…ったく、足癖悪い。
[それは園芸家へ向けたもの。]
― 衣裳部屋 ―
[自分の言葉で思い出したのは、星詠の人のこと。
足は大丈夫なのだろうか
――ふと、そう思いながら、自分の首に触れる。
彼女から鎮痛剤を預かった時、自分のパーセンテージを知らなかった。
擡げる不安――このまま預かるにしても……。
そこで、思考が途切れる。]
僕って自分が思うより、色々隠し切れてないみたいですね。
[オトフリートの言葉に苦笑を洩らしながら、
男性同士ということもあり、そのまま服を着込み始める。
麻のYシャツと、桧皮色のジャケットを着込む際、
袖に腕を入れるのに苦労をするのは――石化し始めた背の所為。
ジャケットより濃い色のズボンに足を通し、
ベルトを着けると、一息入れて。]
隠しきれないのが、悩みでしょうか。
此処には聡い人が多い気がします。
[実の父は、自分の笑みの理由すら分かろうとしなかったのに。
誤魔化しが滲むその言葉は、オトフリートにどう響くか。]
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