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……………
[ダーヴィッドと名乗った男の声に、他の者も名乗りを返して。
ならば自分も言わねばなるまい、と思ったか]
ミハエル=フォン=エーデルシュタイン。
[端的に名だけを告げ、再び視線は少女へと]
[なんか賑やか? とか呑気に思いつつ。
……多分、彼らの周囲は静かなのだが]
街の騎士さんかー。それで馬つきな訳ね。
ま、よろしくなっ。
あ、こいつはヴィントね。
[ダーヴィッドの名乗りに妙に納得しつつ、ついでに相棒を紹介し]
たまたまここで集まったモン同士って感じ?
まあ、祭りだからねー。
[ノーラの疑問には、軽く言ってひょい、と肩をすくめる。
その動きに、手にした袋の中身がかちゃ、と音を立て]
[頭を下げられれば此方も応じて挨拶を返す]
いや。私は今、皆と会ったばかりだ。
[そう告げて片靴の少女を見る。
あのままでは凍傷を起こしてしまうのではなかろうか]
[灰色の紙の女性が見ていたのは自分ではなく他の人かもしれない、と辺りを見ても足早に擦れ違う人々ばかり。
しかし、彼女は既に背を向けて黒髪の女性と話しをしていて、やはり気のせいかと安堵する。
―――間もなく、掛けられる不機嫌そうな声。]
…え。
あ…あの、何か…用……って…私『が』ですよね…?
[宝石のような碧の瞳を持った少年に向かって、小首を傾げる。]
あの…酒場と言う声が聞こえて。
私…雇っていただけないかなって……。
[尊大な主人に仕えるのが当たり前だった彼女には、少年の口調はむしろ馴染み深いともいえるもので。にこ、と知らず笑みを浮かべて]
[ノーラの言葉に軽く首を傾げ…]
そこの…ダーヴィット、さん…は、街で、あたしのランプを買ってくれた方で…
[少年の名乗りが聞こえると]
…ミハエル、さん、は、先ほど…
たまたま、目的地が、同じ、でしたので…
…ぇと…彼女…も、同じ、なのかな…?
[笑みと共によろしく、と言い掛けて。
馬に頭を小突かれた]
…ったた…、…ああ、ごめんよ。
私の愛馬のルートだ。
彼女ともども、よろしく頼む。
[鼠の名を青年が告げたのに馬が反応したらしい。
苦笑まじりにもう一度告げて。
青年の持つ袋が鳴るのに少し首を傾げた]
[が、不意に少女から視線を感じて其方を見るも、羨望に似た瞳の色に更に首を傾げる]
[小首を傾げる少女に、当たり前だと言わんばかりに頷く]
雇う?
[その言葉を繰り返しつ、もう一度彼女を見遣る。
片方だけの靴に、靴下も御世辞にも上等とは言えないし、纏う衣服もまた、冬の寒さに耐え得るとは思わない。
そんな姿で笑みを浮かべる様子は、彼には理解不能だった]
……君は、寒くないのか?
[僅かな沈黙の後、そう言って]
まあ、いい。
話なら、酒場とやらの中でも出来るだろう。
御一緒も何も、目的地が同じなだけだ。遠慮する事もない。
[終わりの言葉は、ノーラと名乗った女に向け。
腕を組んで、促すように首を向ける]
[ぼんやり見ていただけのはずだったのに、何故か急に視線を集めてしまったようで、思わず一歩後ずさる。
自分の姿がみすぼらしいことは判っていても、それは極当然のことなので不憫に思われているとは思いつかずに。
ただ。
酒場で雇ってもらえないと行き倒れるかもと考えていた]
[馬に小突かれる様子に思わずくく、と笑いつつ]
ルート、ね。ん、こちらこそよろしくなー。
と、どーかした?
[首を傾げる様子に、一つ瞬き。
それから、ノーラの問いに]
ん、いーんじゃない?
ていうか、こんなとこで立ち話してても仕方ないわけで。
あったかいとこに行って、あったかくするのが一番だと思うよー。
そこのキミも。
[言葉の最後は、片靴の少女へ向けて]
[ノーラの申し出に、一つ瞬きをしたが…]
別にかまわないと思いますけど…
あたしと、ユリアン、は…ご飯、食べに行く所、でしたし…
[小さく笑むと、振り返り…少年の言葉に頷く]
…じゃ、行きましょっか…
[笑われることにはもう大分慣れてきた。
元々騎士団でも笑い者にされがちだったのもあって]
ああ…いや。
その袋、何が入っているのかと思ってね。
[少し気になっただけだよと言い訳染みた言葉。
そしてイレーネの言葉に頷きを返す]
ああ、案内お願いするよ。
あ、コレ?
[ダーヴィッドの言葉の言い訳めいた響きには気づかず、袋を見やり]
俺の修行材料だよ。石の類……翡翠とか、その手。
さすがにまだ、ちゃんとした輝石は扱わせてもらえねーからねー。
[苦笑めいた表情で言いつつ、のんびりと歩き出す]
[ダーヴィットとノーラに小さく頷くと、少し離れて見ていた少女に]
…あたし達、酒場に行くから…
もし、行くトコ、一緒なら…ついてきて…
[それだけ、もそもそと言うと、酒場に向かって歩きだした]
[灰色の髪の女性の言葉に、ぱちくりと瞬く。]
酒場に…行かれるのでしたら…。はい。
[目的は違うけれども、付いていけばいいのかなと頷いて。
赤毛の騎士が首を傾げるのにも気付かず、ノーラの名乗りを聞き、微かに動きを止める。
しかし、すぐに意識は少年の「雇う?」>>90という声に引かれて]
寒くない…?
いいえ、寒いですけれど…冬ですから。
[体調を問われるなんて経験はなくて。不思議そうに単純な事実を口にする。寒い=主人を暖かくするであって自分を温めることではないから。]
[翡翠…と口内で呟いて]
この辺りで採れるのか。
焦らずともその内に扱えるようにもなるだろう。
…良ければ今度見せては貰えないだろうか?
[無駄に興味津々。
馬は相変わらず呆れた様子で従っている]
[男達の後に付いて、彼の革のブーツは確りと地面を踏む]
……確かに、冬だが。
[寒いなら、何か着ればいいのに。
如何にも会話が噛み合っていない気がして、黙り込む。
彼にとっては当たり前の事。少女にとっては当たり前ではない事]
8人目、少女 ベアトリーチェ がやってきました。
[観光客の波の中、子供が一人、歩いている。
辺りを見回す表情は、少し、淋しげのようにも見える。
妖精祭りが行われると識って、出てきたのだった。
賑やかな村を見たくて、出てきたのだった。]
ま、ね。
[採れるのか、という問いにはに、と笑うだけで、それ以上は何も言わず]
ま、まだまだ全然ダメだって、自分でわかってるからなー。
焦らずのんびりってとこ。
つか、騎士さん石とか細工とか、興味あんの?
[興味津々の様子に不思議そうに問いかけ。
なんか妙な大所帯だなー、と思いつつ、通いなれた道を歩く]
[祭りの実行委員の人に渡された紙に、字を書いたら、とても驚いた顔もされたっけ。
その時を思い返して、俯きがちな顔に仄かな笑みが灯った。]
■名 前 :ベアトリーチェ=ダルファー
Beatrice=Dulfer
■年 齢 :十
■自己紹介:親は亡くなりました。十になったので、旅に出ました。
※補足:あまり多くは自分のことを語ろうとしない。
親がずいぶん前になくなり、
祖母を頼ってこの村に二年前にやってきた。
しかし祖母はすぐに亡くなり、それからは施設で育っている。
シンプルな銀の指輪を、ネックレスにかけている。
[何所へ往こうかななんて考える。
ランプのお店はいつも優しいし、飾り細工はとても綺麗。
人の賑やかさを求めるならば、いつも楽しそうな声を響かせる、あの酒場に往くべきだろうか?
みすぼらしい洋服には、不釣合いかもしれないけれど。]
……うん、やっぱり、そうしよう。祭りは、賑やかなのが良いから。
[…しばらくして、にぎわいを見せる建物の前についた。
寒いからか、扉はしまっていたが、中の活気は外にまで聞こえてくる]
…着きました。
[扉を開けると、中の暖かい空気に目を細め…マフラーを取った]
ふむ…
[存外身近で採れる物なのだなと考えつつ]
騎士団ではそういう物はなかなか目にする事もないし、手に入らないからね。
とは言っても殆どの者は武術ばかりで、私は結構珍しい方ではあるのだが。
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