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[冷めた紅茶をおもむろに飲み干し、テーブルに戻す。ゆっくりと、しかし過剰な力を込めて。]
[脆いティーカップはソーサーと接触、たちまち陶器の擦れあう高い悲鳴をあげ、砕け散る。]
[静まりかえる円卓に、一拍待って言葉を落とす。]
…問題は、だ。
なるほど、苦労を苦労と思わない…ですか。
貴女も、その一人だったりするのでしょうか?
[強引に話を切り上げるレッグの様子に笑みを浮かべたまま。
ミュウの言葉に、小さく笑みを浮かべながら相手へと視線を向ける。
その言葉は心なしか少し愉しげに、そのままシャロンへと向けられて]
この一見面倒極まりない出来事も、
愉しければ、満更でも無いという事でしょう?
もちろん、マスター。
[大振りなポットを抱えたまま微笑み、マイルズに応える。
他の誰でもそうがだ、決して名前では呼ばず。
星読であるクローディアを織姫とよんだり、社長色のノブを主計と読んでいることから、おそらくマイルズを「マスター」と呼ぶのは『修士』と言う意味合いでのことなのだろう]
…おや、紅茶にブランデーで宜しいのですか?
用意するものは同じですから構いませんが…判官殿のお好みに合わせますよ。
冷たいものを今おもちします。
[レッグの注文にくすくす笑いながら少し部屋から姿を消したが、程なく銀色のトレイにグラスを乗せて戻ってくるだろう]
そそ、そーゆーコトだね。
[シャロンの言葉にうんうん、と頷いて。
それと前後するように響いた音に、きょとり、とする]
……白羊宮の御方……?
いや別に。
ここにも一人と思ってネェ。
苦労を苦労だと思っていたら疲れるだろう。
それが答えさね。
[シャロンとマイルズに薄い笑みで答えながら。
破砕音には小さく息をつく]
何を力んでいるんだい、白羊の。
問題は、裏切り者が本当にいるのか、だとか、誰が裏切り者なのか、だとか、そういう事ではない。
…意味が分かるか?
問題は、クローディアが12宮に裏切り者が居る、という星見を示し、ボスがそれを信じている、という点だ。
[エドガーの言葉に]
・・・なるほど。確かにクローディアの言うことが真実なら、そういうことになるだろうね。
[無表情のままに相槌を打つ]
……つまり、星見が外れていたとしても、ボスが是と言った以上、逃れられない。それが一番の問題と?
[...は思いエドガーの言葉に、一瞥しつつ口を開いた]
[ジョエルににこやかに礼を言い、再び紅茶の香を楽しんでおれば、真正面で砕ける陶器に軽く眉を顰め]
クローディアの星見の確かさ、貴方はご存知でなくて?
つまりボスは我々を信用していない。
私さえ、疑われている。
もはや隠すまい、実質的に君らの管理者であり監理者である私を、だ。
本来ならば私と私の部下に調査命令が下る筈の事態だからな。
ここで例えば、「こいつが裏切り者です」と二つ三つの首を差し出した所で…
[小さく息を吐き、水瓶の男を見やる。猫のような月の笑みは浮かべた儘]
お前は愉しそうだな、水瓶の?
アハ、此処に集まった人なら、皆、愉しませて呉れるのが判って居るからね。其れは、悦ばしい事だよ
[其うして告げられた隣席の男の言葉に]
詰まりはボスは僕らの中の誰かに――真実に裏切り者が居ても居なくても、ボスは居ると思って居ると云う事だろう?
……あらま。
疑心暗鬼のスパイラル発生、かな?
そうなると、確かに厄介なんだよねぇ……。
[エドガーの言葉に、ゆるりと瞬いて。
それから、やれ面倒な、と言わんばかりにため息を一つ]
それで全てオシマイ、元通り、とはいかないという事だ。
いいか?ここにいる全員がもはや絶死の淵にいると考えていい。何かしらの方策を早急に考えなければ…[ノブとシャロンを睨みつつ]
そんな無邪気な馬鹿騒ぎをヘイローのっけてやるハメになる。
…それで、アンタはどうしたいんだい。
あの人に異議申し立てでもするのかい。
[薄笑いを浮かべたままエドガーを見た]
アヤメの言う通り、星詠姫の精度はアタシらの誰もが承知している筈さね。いわんや信を置くあの人にとっては、だ。
今更ジタバタしたって始まらんだろうに。
始末をつけてからでなければ聞く耳すら持ってくれないだろうよ。
[エドガーらのやりとりを耳にしながら]
まあ、実はさー?んな事言ってボスたぶらかしてる彼女が裏切り者かもしんないけどね?
だとしたら、僕らまんまとはめられたって事になるけど。
案外、彼女の首差し出したら騒ぎ終わるんじゃないの?
[そう小さな声で、けれど辺りにしっかり聞こえる声で呟いた]
[ジョエルからの呼び名に特段反応を示すことも無く、
用意された紅茶を受け取り笑みと共に短く感謝を述べる。
シャロンから返る言葉に、笑みを湛えたままおや、と小さく声を上げ]
…僕が愉しそうに。――そう見えますか?
こう見えても不機嫌極まれり、という心境なんですが。
[心外です、と。本当にそう思っているのか
やはり愉快気にくすくすと声を零す。
声を荒げるエドガーをそのまま一瞥しながら、カップを口許に運び]
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