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―裏庭―
…ちと、結界見てくるわ。
[そう言いながら、足は西殿の方へ]
―→西殿―
[西殿の結界前に集まった竜らに近づき。]
どうだ、こっちは変わりは。
[無いかと尋ねながら。]
─西殿・結界前─
[少なく情報交換をしている最中に駆け込んでくるティルの姿。伝えられるは裏庭での出来事]
ぬぅ、虚竜王様の不機嫌がハリョン殿を取り込んだと言うことか。
無限の鎖によるものとなれば、まず間違いはあるまい。
…無差別の中に少しくらい親切心が混ざっていることを願うとするかの。
[光竜王の傍へ置くために、と考えれば少しは揺らぎそうな虚竜王の体裁も保てるだろうか]
―― 西殿・結界前 ――
[疾風竜からも、確かに陽光の仔が消えたことを聞き、大地竜と氷破竜の推測にも頷く]
竜王方がいらっしゃる結界の中だから…外より危険ということもないだろうけど…
[今まで近付きはしても触ったことのない結界に、動く右手を付いて、中が覗けないかというように目を眇める]
[そうして抱き上げた小猫を東殿内の天聖の使用人達に渡し、青年は再び外へと出た。
乱れた心の動きが幾つか――幾つも感じられた]
………。
[僅かな逡巡を経て西殿の結界へと向かう]
―西殿・結界前―
やはり、難儀になってきましたね。
本格的に、色々と対処を考えないと――
[そこで、抱えている翠樹の仔の表情が、薄く曇っていることに気付く。
余計な話を聞かせすぎてしまったろうかと、少しだけ悔やんだが、]
大丈夫、そんな顔しないで?
私やオトフリートも居るし、他の竜たちだっているから。ね?
[優しくあやすように、ベアトリーチェの背を優しく撫でた。
そこで聞こえてきたのは、命竜の言葉で]
―西殿・結界前―
こっちは……、ということは。あっちのは、既に知っているのね。
[ひらり、翠樹の仔を抱える方とは逆の手で、手を振り]
結界が、さらに不安定に、不規則になってるの。
それ以外、大きな変化は無いようだけど……。
[命竜へ、ゆるりと首を振るった]
─西殿・結界前─
[更に現れたクレメンスに右手を挙げて]
結界がまた複雑になったようじゃ。
…ハリョン殿が取り込まれたと言う話は聞いたか?
[相手の問いの答えを返し、重ねて問いかける]
[去り際に、ノーラには返事もせずに片手を振る。気にするな、とでもいうように。]
―西殿・結界前―
結界が…?ってことは、また何か加わった、とかか?
[結界には詳しくない。そう再び問いながら、逆に問われた事には。]
ああ、聞いたというか…見た。
綺麗にチビだけ攫って、抱いてたノーラ殿には影響なかったらしい。影響少ないのは幸い…かね。
[ブリジットとザムエルにそう答える。]
─西殿・結界前─
加わったと言うよりは……虚竜王様の不機嫌が増したのではないかの。
ほぼ推測じゃが。
[ブリジットの話を聞く限り、複雑にしている原因が虚竜王の不機嫌だと感じ取っていたり。クレメンスにそう返しつつ、返ってくる言葉には]
ぬぅ、ノーラ殿が共に居たのにハリョン殿だけを、か。
その精度を流石と言うべきなのかは良く分らんが。
―― 西殿・結界前 ――
[手を離して、年長者達の所へと近付く]
クレメンスさんも見てらしたんですか?
俺、思うんですけど、結界そのものより、虚竜王のご機嫌を治す方法を考えた方がいいんじゃないでしょうか?
―西殿・結界前―
クレメンス様。
[やってきた生命の竜に顔を向けた。
変わりは無いか、という言葉には、悩みながらも頷いて]
そうですね。
中には養父もいるようですし。万一のようなことは起きないと、そう思いますが…。
[エーリッヒに対するのが煮え切らない言い方になるのは、格別の結界などはないとはいえ、東殿の中にまで迷い込んで来ている混沌のカケラの存在が頭の中を過ぎるからで]
そう、ユーディット様は何かご存知でしょうか。
虚竜王様を一番良くご存知なのは、あのか…。
[そこまで言って、今度こそ不自然に言葉が途切れた。
目を何度も瞬き、周囲を見渡す]
―西殿/結界前―
[既に集まっている者達の話から大体の事情は察せられた。青年の眉が寄り、手が動いてさっきまで抱いていた小猫の毛を払う]
さらに不安定に、不規則に……ですか。
また、取り込みが起こる可能性も?
[詳しそうな大地と氷破の竜に問いかける]
―西殿・結界前―
[クレメンスの問いには、ふるりと首を振るって]
加わったか何かは、軽く見ただけでは分からなかった。
ザムエルの言うとおり、虚竜の王の不機嫌成分かもしれないし、
単に、各属性のバランスが崩れているからとか……そういう、理由かもしれないわ。
[翠樹の仔の背を撫でながら、少しだけ困ったように答えた。
そこで聞こえたのは、不自然なところで途切れた、天竜の言葉で]
……エルザ?
―西殿・結界前―
[アーベルの問いには、一度だけ頷いて]
スパンが短くなるかもしれないし、複数取り込まれるかも、しれない。
それこそ、機嫌しだいかも。
[眉根を寄せて、呟くように答えた]
―― 西殿・結界前 ――
[天竜の口から出た時空竜の名にこくこく頷く]
ああ、それ!ユーディットさんなら、虚竜王を宥める手だても知ってるかも。…て、どうしました?
[言葉を途切れさせた天竜に首を傾げる]
そんな、いつの間に。
でも時空は居るだけで、分かる、もの…。
[胸元をギュッと握り締める。チャリリという鎖の音が鳴る]
どう、して。
結界の傍にいたのに。分からない、なんて。
─西殿・結界前─
…ふーん。流石に俺じゃそこまでは分からんのが。
流石年の功?
[ザムエルの推測に、ちらと顔を見て言い、へらり。
実際はおそらくクレメンスの方が年上ですが。]
うはは、確かになぁ。
…流石ついでに、その辺の石とか草とかで我慢してくりゃ良かったのによ。よりによってチビからとは。
─西殿・結界前─
虚竜王様のご機嫌直しを思いついたとて、どうやって実行するんじゃい。
[エーリッヒの提案に浮かんだ疑問を口にする。アーベルの姿を見つけると、その言葉にも頷いて]
虚竜王様の機嫌が直らぬうちは引き寄せられる可能性は高かろうて。
それこそ封から解放されるまで続くやもしれん。
[そう返したところでエルザの言葉を聞く]
そうじゃな、ユーディットに聞けば何かしら……エルザ?
如何した?
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