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[けれど、ギュンターの時とは違い──
途切れる様子のない気配に、ゆっくりと息を吐いた。]
……ちがう。か。
[ぽつ。と、少し複雑そうな呟きひとつ。
兄の方へ振り向いて]
うん。これから……、昨日の約束どおりに、
狩りに行ってくるつもりなのだよ。
[慌しくてすまない。と、兄へ告げて、引き止められなければ、イレーナやレナーテと合流するつもりで*いる*。]
─自宅前─
[駆け寄って来るミハエルをその場で待って。告げられた無いように、嗚呼、と声を漏らす]
───うん、さっきユーディットから聞いたよ。
刻が来ているのも、知ってた。
じっさまから聞いたからね。
[浮かべる表情は常の穏やかな笑み。後悔の無いように、と言われると表情を変えぬまま一つ頷く]
ミハエルも、「後悔の無いように」。
やりたいことを、やるべきことをやっておいで。
[言って、妹を見詰めている濃い翠が細めた]
[不意に後ろを振り向く様子には首を傾げて。けれど深く問うことはしなかった]
ああ、行っておいで。
くれぐれも気をつけて。
[狩りへと言われると再び頷きを返し。イレーネ達に合流すべく移動する様子を見送った]
─村の通り─
─…うん、わかった。
ありがと、ゼル。
[小さな舌打ちの後続いた彼らしい言葉に、泣きながら苦笑と嬉しさの入り混じった微笑みを浮かべて。
それからしばらく、黙ったまま歩いていたが。]
ダメ、かな。
…ごめん、いやならい…
自分の頼みに対して、歩みを止めて溜息をつくその背を見れなくて視線を逸らしながら謝りかけたところで、ゼルが急に振り返り。
泣き顔は見せたくなくて目を擦って慌てて俯いたものの。]
─え…?
[彼の手が、自分の手を掴んだのに驚いて顔をあげた。]
─村の通り─
[もうゼルは前を向いていただろうか、こちらをまだ見ていたなら涙の筋がいくつも流れた顔を見られてしまっただろう。
歩き出す彼の歩幅に合わせて、少し早歩きになりながら手を引かれていく。
ゼルの手が嬉しくて、また少し泣きそうになりながら、許されるかぎり離れないでほしくて。
こちらからも彼の手を握り、この温もりが、彼が消えないことを*願った。*]
─洞窟奥・苔の広場─
[一通り、話すだけ話した所で、小さく小さく息を吐き。
少し考えてから、細工を始める。
足が少し痛んだから休みたい、というのもあったのだけれど]
ねぇ、かたつむり。
ディはさ、すごい甘えっ子だと思うんだよ。
かあ様、お師様、にいたち、ねえたち、それから、ミィに、ウェルに、ティ。
みんなに、甘えてるんだよ。
[白を真ん中に碧と蒼を継ぎ合わせ、小さな花を生み出しながら、ぽつぽつと独りごちる。
かたつむりは、傍目我関せず、と言わんばかりに触角を伸び縮み]
……だから、ね。なるべく、泣いたりとかは、見せたくないんだよ。
いつも甘えてるから、心配かけたくないから。
でも、それ、良くない、のかな。
わかんないや。
[引っかかっているのは、先にミハエルに言われた言葉たち]
……『しるし』の事が、苦しかったり、辛かったりはしないんだよ。
でも、そのことで、みんなが心配するのは……やだ、な。
消えるのも、怖くはない、けど。
忘れられたらイヤ、だけど、でも。
[呟きながら、小さな花と花とを繋ぎ合わせる。
あおいろの珠は、少しずつ、群れ咲く花へと変わってゆく]
……撫でてもらえなくなるのは、ちょっと、や、だな。
[小さく小さく呟いて。
また一つ、あおいろの花を編み上げた]
─村の通り─
[ミハエルと別れ、他の者の顔を見て回ろうと通りを歩いていると]
ユリアン?
どうしたんだ?
[重い足取りで感情の無い表情に疑問を投げかける。返って来たのは『刻』が進んでいることを示すもの]
ゲルダ…が…。
[悲しげに眉根が寄った]
……パンの感想、言えなかったな。
[後で食べようと思っていた改良後のパン。それを思い出しながら小さく呟いた]
ユリアン、このことは他の皆にも?
[訊ね返った答えはどうだったか。それを聞けばユリアンの肩をぽんと叩いて]
少し休んだ方が良い。
酷い顔をしてるぞ。
伝えていない人には俺が伝えておくから。
[相当ショックを受けているように見えるユリアンにそう告げた]
―村の通り―
[振り返らずに進んで行く。
いつものように、女性にはあまり優しくない速度だった。
イレーネが顔を上げた時には既に前を見ていたから、その顔ははっきりと見ていない、筈だけれど]
……らしくねぇなぁ。
[小さくぼやく声は後ろにも届いただろうか。
手を握り返された時、一瞬だけ速度が緩んだ]
― →自宅―
[自宅に着けば扉を開けて、家の中へ進んで行く。
手は未だ放さずに、言葉もなく、一つの部屋に入り]
ほら。
[手は離れて、代わりにタオルをイレーネの目の前に突き出した]
洗ってけ。
んな顔で行ったら、煩ぇ奴がいるだろ。
[水を貯めた桶を示してそれだけを告げ、己は部屋から出て行く]
─洞窟奥・苔の小広場─
……う。
[細工を続けていた手が、ぴたり、と止まる]
糸が、尽きた、んだよ。
[碧と蒼。一部は白と紫と薄紅。
そんな小さな花の群れを幾つか作った所で、肝心の糸が尽きた]
……戻って、手当て、受けない、と。
[約束だから、と思いはすれど]
ふにぃ……。
[怒られる、と考えると、気が重かった]
─回想、エーリッヒの家前─
[見上げるのは同じ色を冠し似て少し違う、兄の表情と髪と瞳。]
ん。
[促しに頷いて踵を返しかけ──]
…、 エーリ兄!
[途中でくるりと戻って]
―道具屋―
[道具を一つずつ確認しながら身に付ける]
[黒蜥蜴を狩った時と同じかそれ以上の装備になっていた]
……よし。
[ゲルダのパンは潰れないよう籠に入れた]
[静かに微笑む]
[それが彼女の作る最後のパンとなったことはまだ知らない]
[パシリと自分の頬を叩いた]
本当に。
教えられる事の方がなんて多いのだろう。
[道具屋の方に移動して椅子に座り目を瞑る]
[エーリッヒの腰に飛びつくように、ぎゅうと抱きしめて、
ちゃんと、消えていないのを腕と頬と全身で確認して]
──うん。
[──にぱり。と、顔を上げて、
満足した。とでも言いたげに、明るく笑う。]
よし。元気を補給できた。
── 行ってきます。であるよ、エーリ兄。
[とんっ、と離れると、道具屋へ元気よく走っていった。]
[それでも、約束は守らなきゃ、と。
道具を片付け、もう一度、かたつむりの殻をつつく]
……消えずにいられたら、また、来るんだよ。
じゃあね、かたつむり。
[呟きに、かたつむりは挨拶するように触角を揺らす。言葉のやり取りはない、けれど。
気持ちは、伝わっているような、そんな気がいつもしていた]
―村の通り―
[エーリッヒに呼び止められて、ゲルダのことを告げた]
今からでも伝えておけば、まだ聞いてるかもしれない。
[そう言うのは自分の願望だったのかもしれない]
まだ、エーリに話すのが初めてだ。
[悲しげにするエーリッヒとは対照的に接する態度は普段と同じように、感情の起伏なく。
けれども、肩を叩かれ親友以外のものから指摘を受けるということは、そういうことなのかもしれない]
じゃあ、頼んだ。
ああ、ついでにミハエルに伝えておいてくれ、キノコ名前決まったって。
『美人髪』の方にするって。
[そう告げて、自宅の方へと向かおうと。
指摘を受けたのは逆に、いつもどおり過ぎたからかもしれないと思ったのはエーリッヒと分かれてだいぶ経ってから]
[目を閉じれば宿業から解放された安堵が。
目を開けば目の前にいる人への痛みが訪れる。
閉じないよう、逸らさないように、見つめていたが。]
あ…そうだ。
死んだんだったら、何処かに…
[きょろと周囲を見回して、ゆっくりとその場を離れた。
後ろ髪引かれたが、会わなければ――――と思うと。
壁も距離も意味を成さず、気が付けばギュンターの家の前にいた。]
……ギュン爺。
[ふわと、壁をすり抜け中に入ると、さっき訪れた時には、誰も、何もなかったはずの所にギュンターは居た。そこに佇み、案じるように家人を見ていた。
姿を見つけると、声が届く所まで近づく。
向こうもこちらに気づき、死んでから初めて、誰かと視線を交わす事が出来、少しだけ、胸が温かくなった。悲しい交錯だったが。
だがここにきたのは、温かさを得る為ではなく。
あわせた視線は、すぐにずれて落ちた。]
……ごめん、ギュン爺。
ギュン爺を刈ったのは、多分私…。
[本当はどちらか分からない。彼は自分が刈ったと言ったが。
自分も死神の宿主だったから、自分じゃない、とは言えなかった。]
だから、ごめんなさい。
……ごめんなさい。
[何度も何度も、口から謝罪の言葉が零れた。]
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