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――!
[足が止まる。
尋ねる声は先程の部屋から聞こえて来た。“此方側”の声。
嗚呼、そういえばあの部屋の表札は白くなって居た。]
[ふと頭を過ぎる。
ああ、彼女もよくこうやって倒れたっけ。
そして何度も運んだものだった。
彼女は病弱というよりも、無理の出来ない身体だった。
血の色をよく見せた桃の頬、
透き通るような白い髪。
そして…
…。
思い出しても、悲しいだけなのに。
此処、箱庭の女性には、どうしても面影を追ってしまう。
それは、この場所が?それとも、血が?
…別の事を、考えよう。]
[エルザも、か弱かったな。
…。
……。
………。
…そういえば、昨日。エルザに会ったあの時。
隣の部屋の前に、多くの人が集まっていた。
隣の部屋…ハンスの部屋の前に。
ハンス。そういえば久しく見ていない。
…まさか。]
あなたも、ここに閉じこめられたままなのね。
[加害者も、被害者も。みな一つ所へおちてくる]
戻れなかったの?
あたしと違って、あなたは、戻りたいのでしょうに。
・・・・・ッ!
[振り返った姿勢の侭、表情が凍り付く。
カタカタカタ。震えるだけで動かない。
殺そうとし、殺された相手の声が僕を呼ぶ。]
[次に飛んで来るのは、罵声だとばかり思っていたのに。]
[けれど其の声は、予想に反して静かで。
嗚呼、そうだ。僕は戻りたい。だけど。]
「あたしと違って」?
[其の言葉が引っ掛かる。問い返す声は未だ少し震えている。]
[エーリッヒの『居場所』は離れていたけれど、気配は伝わってくる。
その怯えた感情も。
...は自分の亡骸を見つめたまま想いだけ、言葉に代える]
死んでからあなたを理解ったって、遅いわよね。
[自分が『視た』ものは、取り返しのつかない現実だけ]
[役に立ちもしなかった能力]
…ごめんなさい。
あたしは、もし戻ったとしても、病院のベッドの上。
声も出ずに、歌もなくして、籠の中で死んでいくカナリアだった。
[そう呟く声は、それでも、エーリッヒと出会ったときのようなかすれたものではなく『今の』声]
あなたが切望するような、戻りたい、愛しい世界ではなかったわ。
[ふらふらと屋敷の中を歩き回っていた。
なんだって俺はこんな無防備に歩いてるんだ?
扉をふさぐ家具は?
最低限威嚇の対象になるだろう武器は?
何も何ももっていない。]
あれ…?
[個室のドアのプレートには、
いくつか白いものが存在し。
男は首をかしげるだけで通り過ぎた。】
ベアトリーチェかな?
まーたいたずらして。いけませんねえ。
[今までの緊張が嘘のように。
ふわふわと、たのしくて。]
けれどもどうして、誰もいないのかなあ。
[彼の耳にはエルザの声もエーリッヒの声も、
届いてはいない。
聞きたくないから、聞こえていない。]
紅茶を飲みたいなあ。
うーん、アールグレイにミルクがいいかな。
[にこにこと、
エーリッヒとエルザの間を通り過ぎて、
階下に向かう。
彼は二人を[見て]いないけれど、
現実を知る二人には、
ハンスの姿が見えるだろう。]
ハンス…
ああ、やはり来てしまっていたのね。
[止められなかった。迫る死の重圧に負けて]
[繰り返すまいと思った過ち。なのに、彼はここに]
……ん。
[声が、聞こえた。
紗を通さない声。
見ていた紅から抜け出したものの]
……彷徨い人が、また一人……か。
[呟いて、蒼の前髪をかき上げる]
何で。
如何して、謝る・・・
[届いた声に困惑する。
僕はあの時何処か壊れて居た。降り積もる疑心に狂った。怯えていた全てはきっと幻想だったと、今更理解した。
だから謝らなくてはいけないのは此方のほうで。]
[都合のいいことを、束の間考えた]
エーリッヒ。あなたがもし元の世界に戻れるならば、あの子の罪を消せるのかしら…。
[愚かなことを]
[そんな術もわかりはしないくせに]
・・・・!
ハンスさ・・・・
[歌姫の言葉に、尚も言葉を紡ごうとして。
昨日その死を見た相手が通り過ぎて行く。けれど彼の目は此方を見ては居ない。]
―昨晩/広間―
[窓から外を見た。
まだ、暗さが残る。
今なら、まだ誰も…起きていないかもしれない。]
[イレーネを見る。
今、彼女をなくす訳には行かない。
彼女から、目を離す訳には。
しかし、ハンスの事が気になるのも確かだ。]
[目を瞑り、一息。
彼の真っ黒な長い外套を、イレーネを覆い尽くすようにして掛ける。
彼の黒の外套だけが目立って、ほんの一瞬でも気を紛れさせられれば良いと。
イレーネを心配そうに見やり、
そして眠れぬ子を宥めるかの表情で、頭をそっと一撫で。
(宥めているのは彼自身かもしれない)
そうすると足早に、二階へ向かう]
[複数の[声]が、彼の姿をみとめて上げられたのに。
気づかずにこにこと、階下へ。
あちこち血のしみのある階段も、
金色の髪の研究生の殺された部屋も、
はじめてここに来たときのようにきれいに見えている]
白磁のポットとカップを使おうかなっと。
先にお湯も沸かしておかないと、だめですね。
お茶請けは何がいいかな。
僕はちいさい、パイなんかがいいなあ。
[クッキー缶なんかなかったかなあ?
と、口笛なんて吹きたくなりながら、
火をおこそうとして。
ポケットから取り出したマッチは火をともすのに、
どうして調理暖炉に火がつかないんだろう。]
しゅ、しゅ、
[どうして火がつかないんだろう]
あれえ?湿気てるのかなあ?
[エーリッヒの困惑した声が切ない]
…あなただけじゃなかった。みんな、狂っていくわ。
あたしは、ここに堕ちてなお、狂っていく自分を止められない。
あたしには、自分の壊れていく音が聞こえる。
だから…。
[自分の亡骸から目をそらし、一歩踏み出せば、そこはエーリッヒの眼前]
自分が誰なのか忘れぬうちに、言いたかったの。
罪。
[嗚呼、そんなものを僕は背負わせてしまったのか。あの金髪の少年に。]
・・・・・
[何と返して良いのか分からない。もし此処で僕が頷いたとして、帰る術などあるのか?]
[ひゅるりと入ってきた青い影も、
彼の目には入らなくて。にこにこと、
誰もいない廊下(に、見えている)を通り過ぎる。
彼はこれからお茶の用意をしようとしていて、
けれどもそれはできないだろう。
それが遂げられないとわかったときに、
某かの現実を認めることになるのあろう。
そのときには、青年の姿も、みとめざるをえない。]
[生前と変わらぬ姿のエーリッヒの姿さえ、直視するのは辛かったけれど]
ごめんなさい、って…。
[おずおずと、その頬にそっと手を伸ばす]
[死んだもの同士ふれあって、そこに温もりが感じられるものなのかしら?]
[もし触れて、あたたかいのなら、それは死ではないのかしら]
……やれやれ。
[予想通りというべきか。
現実を見ていない彼は通り過ぎて行く]
……このままほっといてもいいのか……。
[その後を追って台所に入り、つくはずのない火をつけようとする姿を眺めるように見つつ、思う]
気が済むまで、やらせるか。
[無理に言葉を重ねても、今の旅人には届きそうにないから]
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