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─ 翌日/宿・一階 ─
[壁にもたれた状態で、呼吸と思考を整える。
昨日は誰も襲われていない、けれど、今日はゲルダが襲われた]
一度、護ったと仮定するなら。
それなら、そのまま護り続ける方が、自然。
[声に出して思考を整理する。聞く者がいても、お構いなしに]
けれど、それは、なされていない。
何故に、か。
[他の力あるもののために逸らしたか、それとも力を振るえなかったか。
状況と照らし合わせたなら、より綺麗に流れが描けるのは、後者]
……考えられる可能性は、ほぼ、ひとつ、か。
─ 翌日/宿屋 一階 ─
[固定するのは難しそうであるため、包むシーツを袋状にすることにし。
広げたシーツの上にゲルダを一つずつ並べて行く。
全て並べると左右からシーツの端を引っ張って来て重ね。
頭部側と足部側の端をそれぞれしっかり結んだ]
ええと……誰か、運ぶの手伝ってもらえます?
[主に言葉が向くのは壁に凭れかかるオトフリート>>67。
様子がおかしいことには直ぐには気付けなかった]
─ 翌日/宿・一階 ─
[たどり着いた可能性は、恐らくは誰もが考え付くもの。
護り手はアーベルであり、その死によって守護を失したゲルダが人狼の牙にかかった、と]
……なれば、問題となるのは……。
[アーベルを殺めた友は、その事実を知るや否や、という点に行き着く。
そちらは、心情的には考えたくない可能性で。
一度、それを振り払うように首を振った所にかけられた、声>>71]
……え……あ、はい?
[知らず、上がったのは惚けた声だった]
あ、ああ……確かに、このままには、できないし、ね。
─ 翌日/宿屋 一階 ─
すみません、お願いします。
[今度はイレーネ>>72とオトフリート>>73両方へと言葉は向けられる]
シーツの両端を持って運びましょう。
オトフリートさん、足側、お願いします。
[そう言って僕はゲルダの頭部側へ。
イレーネには僕と同じ箇所を持ってもらうのを頼むことになるか]
ええと……アーベルを運んだ部屋に運んだ方が良いですかね?
……まさか、な。
[浮かんだ推測に、頭を振る。
もしもそうだとしても、自分にはもう、どうにも出来ない。
もうなるようにしかならない、生きている彼らに委ねるしかない。
だから、誰が狼なのか考えることはやめて。
まるで荷物のように、シーツに包まれていく自分の身体を見つめていた。]
─ 翌日/宿・一階 ─
ああ……大丈夫、ですよー。
[こちらを見る視線>>72に、できるだけ明るく返し。
手早く髪を括り直すと、ヘルムート>>75に頷いて足側を持った]
ん……そう、だね。
一緒の方が、いいでしょ。
[離しておく必然性などはないのだから、と。
行く先の確認には、こう言って頷いた]
………呆気ないもの、だな。
[生きている時はあれほど怖かったのに。
死んでしまえば物と変わらないんだな、と。
自分の身体を運ぼうとしてくれている彼らをまるで他人事のように見つめて。]
……死んだら、何もかも。
感じなくなるのだと思っていたのに。
[感じないものはある。
服は着ている、鏡も身に付けているように見える。
でも、肌に触れる感触はまったくない。
ただ身に付けているように見えるだけで、本当は何も着ていないのかもしれない。
それすら解らない。
でも、心は。
生きている時と変わらないまま、痛みを感じていた。]
死んだら、それで終わりだったら、良かったのに。
[痛い。
痛い。
痛い。
大切なものを死なせてしまったことが。
自分が死んでしまったことが。
少なからず、悲しみを残してしまったことが。
取り返しもつかないそれらが、全て痛みに感じられた。]
…こんな風に在るのは、私だけ、なんだろうか。
[先に襲われた自衛団長は、ヘルムートに処断されたエリザベータは。
どうしているのだろう、どこにいるのだろう。
痛みを、感じてはいないだろうか。
何よりも、大切な彼は。]
……アーベル。
[ごめん、と。
小さく呟いて、宿屋の隅に座って小さく縮こまった。**]
─ 翌日/宿屋 一階→二階 ─
じゃあ、そこにしましょう。
[同意を得られた>>76ので、ゲルダはアーベルの下へと運ぶことになる。
今回は女性だったのと、イレーネの助力>>78もあったため、どうにかふらつかずに済んだ。
昨日運んだアーベルの部屋へゲルダを運ぶと、その隣に並べるように横たえる]
……これで良いですかね。
助力感謝します。
[手伝ってくれた二人に礼を言うと、二人を運んだ部屋から出て行った]
……ところで、お二方。
昨日、ライヒアルトさんはアーベルを殺したことについて、何か仰ってましたか?
[事が済んだ後のやり取りを知らないため、ライヒアルトと親しいように思う二人に問いかけてみる]
―回想 深夜―
[生きたい。 生きたい。 死にたくない。
女の行動原理はただそれだけ。
『親が教えてくれなかったから。』
リートに言った、その言葉は事実だ。
だが、身に宿っている力は霊能者ではない。
“獣”の力だ。
相方はこれをゲームだと、割り切っているようだった。
自分にはゲームだと割り切るほどの心構えもない。
頑張りたくない。でも、頑張らねば自分が死んでしまう。]
…頑張るノ。
[占い師を護る守護者たるアーベルはもういないから。]
─ 翌日/宿・二階 ─
[二階の部屋に、二人の亡骸を並べて寝かせ。
短い黙祷の後、そこを離れる]
いや……現状、このくらいしかできませんしー。
[礼の言葉>>80には、軽く返して。
その後に投げられた問いには、ふ、と目を伏せた]
……本人曰く、『信用してないから』と『一人差し出すなら』アーベルだった、との事で。
……言いたい事は、ま、わかんなくもないんです、けど、ね……。
[先に行き着いた疑問があるから。
自然、言葉尻は調子が落ちた]
─ 翌日/宿屋 二階 ─
……そうですか、『信用していない』と。
では、ゲルダが嘘をついているのだとしたら、本当の占い師はどこに居るのでしょうね。
[『一人差し出すなら』と言う部分については疑問は抱かないため、そのままに。
オトフリート>>83から聞き得、イレーネ>>84からも同意を得た答えに、そう言葉を紡いだ]
伝承の通りなら、生者から見定める者が居るはずなのでしょう?
未だ隠れているとでも言うのでしょうか。
偽者が出たと言うのに、悠長なことですよね。
それに、アーベルを殺すことでそれを証明する手段はあったのでしょうか。
[死者を見定める者の存在は話から知り得ていても、それが誰なのかは知らない。
故にその疑問が口を突いて出た]
─ 翌日・宿二階 ─
[暫くしてから、まだ熱い身体を起こし獲物を左手で掴む。
利き手は暫く、無理には使えないだろう。
むしろ体調は悪い。まともに動けるかどうか。
ぼんやりとした頭のまま、廊下に出ると水を求めて階下へ向かおうとして、何処かの部屋の前で知り合いらが屯しているのを見た。
獲物を持つ手しか空いていなかったので、いつものように手を振る事はしなかったが。]
[人が徐々に集まってゆく。
自らの上げた声が他の者を起こしたとは気付かずに。
ヘルムートの助言>>68に
生前のゲルダを求めるかのように伸ばしかけた指先がピクと跳ねた。
触れて、如何するの。
触れて、揺すって、抱きしめても
儚くなったゲルダが目を覚ますことはない。
血にまみれて迷惑をかけてしまうだけ――?
手はゆると自らの膝上に置かれ
触れることが出来ぬままだった]
[フォルカーの呟きが聞こえてはたとする。
その姿を認めれば>>62安堵にも似た色が過ぎった。
守られていた。
そうかもしれない。
一度は考えたことだが今となっては牙もつ者のみが
知る事だろうか]
フォル……。
[手に触れたぬくもりに泣きそうに歪む相貌。
知らせに駆け出した彼の背を見詰めながら
彼のぬくもり残る自らの手の甲をぎゅっと握った]
─ 翌日/宿・二階 ─
……まあ、今の状況から鑑みたなら、ゲルダ嬢が力持つ者であったのは、疑うべくもないでしょーねー。
伝承には、狼に組する人間の存在なんかも記されてますけど。
……彼女が偽りを言っていたというなら、ああする理由が掴めないですし。
[ヘルムート>>86に返すのは、自己分析を交えた言葉。
見極める方法、という言葉に、視線はふと、先にすれ違ったクロエ>>85が向かった方へと流れる]
……死者を見極める……と、思しき力を持つ者も、いるようですけれど。
今んとこ、確証はないんですよねー。
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