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[目を開いた。
映ったのは翠の奥の意思の光。]
強いな。お前も。
[例え彼がそれ以上動くことは出来なくとも、其れは僕が終ぞ持つことの出来なかったもの。]
……硝子細工……。
[砕けるな、と。
念じた。
それは、叶わないようだけれど]
その輝きは、本物だな。
[強い意思の光に、こぼれたのは、こんな呟き]
[クレメンスは、ミハエルへ向かって一歩を踏み出す。
人狼達に味方する月が、少女が持っていた三日月のナイフが、裏切るやもしれない事実に気づかずに。
クレメンスは、爪を高々と掲げ──*振り下ろそうとした。*]
……勝手言うな、馬鹿野郎。
[笑むオトフリートに、呟く]
俺が安堵を感じたのは……そんな理由じゃねぇ……よ。
[それが届かないのは、承知している事だけれど]
[今度こそ此れを見届けて。その後僕らは如何するのか。
世界から閉ざされたこの箱庭から、脱出する手段を見つけ出すことは出来るのか。其れはまだ分からない。]
今は――
[振り下ろされんとする爪に思わず身を竦めて、けれど目はしっかりと見開いた侭。]
[なら、何故安堵を感じたのか。
問われれば]
……カティアの声が聞こえたからさ。
それに……。
[陽気な少年が死なずに済んだから。
それは、言葉にせずに。
ただ、目の前を。
見つめる]
[低く呟いた]
…Libera (赦しを)
[今は、神父も、シスターも同じなのかと思う]
[あたしと同じ、神の駒]
[まだお互いを庇い合えることだけがうらやましいと思ったけれど]
…Libera me (我を赦したまえ)
いいえ、Libera nos (あたしたちを解き放ちたまえ)
[祈る]
[祈る。箱庭の支配者ではない、誰かに]
[祈りの声が届く。
無意識の内に、左手は胸元へ。
そこにはロザリオはないと、わかっているけれど]
……カティア。
……お前に祈ったら……また……逢えるか?
[それは。
蒼が心の奥に抱える、唯一の、願い]
[――歪んだ王国に ぼくたちは住んでる
ほかに住めるところが 2人にはない
あの唄がまた過ぎった。]
違う。
僕の居るべき所は此処じゃない。
[だから僕も祈る。
誰にかは分からないけれど。]
[生き残った者は、どこへ行くのだろう]
[閉じ込められていたベアトリーチェ]
[目覚めぬままのあたしたち]
[残酷な神は生贄たちを何処へ誘う?]
[伸びをして大あくびをすると、ポケットから木の実を取り出して、ぽりぽりと食べた]
味気なーい。
っていうか、味しなーい。
ま、これはこれで。
望まれてもないのに
殺されもしなかった
部屋の外に出たけど
立ち尽くすだけだった
育てた花でさえ
わたしなしで生きてる
お水は要らないの?
雨を飲んで
空を向いて
口を閉ざし
途方に暮れる
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