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[赤い髪をみとめ、後ろ姿に向かって歩きながら、声をかける。]
無事だったのだな。損なわれたとは、思っていなかったが。
いや、無事では無いか。血の臭いがするな。
[ダーヴィッドの顔の半分、殆どを濡らす血の、香りを夜風が届ける]
……いるみたいだな。
よし。
[小技で倒せる相手じゃない。
覚悟を決める必要がありそうだ。]
今から、ここにいる大蛇に大技をぶちかましてみる。
出来るだけ、被害を食らわないようにしといてくれ。
[こちらも、声を落として。]
……蛇の下にいるんだよな?
[一応、確認。]
[注文を済ませてしばらく、眼の前に置かれたのは綺麗に整えられたチョコブラウニーと薄く湯気を立てるホットミルクでした。フォークでそっと崩して、口の中へと運びます。]
―Kirschbaum・二階・ティルの部屋―
[...はそっとティルをベッドに横たえた。
あちらこちら傷つき、壊れているカラダ]
ティル、今日はゆっくりおやすみ。
[ただそれだけを声に乗せて、...は立ち上がる]
[三つ花の蝶はひらひらひらり。
主人を心配するかのように辺りを舞ったかと思うと、
額に止まって姿を消した]
[アマンダは、座る者のない指定席にふと視線をめぐらせ、何か頼もうかと考える。確か、彼は言っていた]
疲れた時には、甘いもの…?
[そうは言っても長々と水と果物しか頼まなかったアマンダに、メニューなんてわからない。
ベアの持つそれを、首を傾げて見つめた]
[甘いものを食べると元気が出ると云いますが、たしかにベアトリーチェの沈んだきもちは紛れていたのでした。こちらを見るアマンダに、反対向きに首をかしげます。]
食べる?
うー。
[軽く唇を噛んで。画像の消えてしまった岩の表面を見ていたけれど]
今はさきにエーリヒさんのこと、だね。
[どうにか気分を入れ替えて。
少し考えた後、左手の鎖を一本だけ外して。
陽光の気配を纏う彼の額にそっと手を触れた]
均衡を。影と光の間にも。
[力を少しずつ注ぎ込んでゆく。
そのまま巡ってきた力は自分の中へと導いて。
ある程度均一になるまでそれを続け]
うん、これであとは疲労さえ抜ければ。
[きっと大丈夫、と手を離して]
う?
[途端に今度は自分が横に倒れこんだ。
確かに取り込まれる前よりも力は使いやすくなっていたけれど、反動もまたそれ以上のものが返ってきて。
取り込まれたときの疲労もまだ回復しきっていたわけではなく。
そのまま再び意識を*手放した*]
…ちーと無茶しに行ったら巻き込まれた。
ぶつけただけだからたいしたこと無いさね。
ちょっと休めば大丈夫。
[背中にかけられた声に、端的に答えてKirschbaumへ。
店内に入ればおそらく驚かれるだろうが、本人は気にせずソファーへ身を預けて*目を閉じるだろう。*]
『……師匠(先生)?…いや、違う、けど…誰?』
[額に僅かに感じる、何かの気配にゆらりと睫毛が震える。
やがて時をそれほど隔てること泣く目を冷まし、そこにハインツではなくブリジットがいることにきょとんとして]
…あれ?
[蒼を通り越して白かった肌は漸く赤みを取り戻すか]
[ベアの食べる茶色くて四角いもの。
店内に漂う甘い香りに、アマンダは二連の首飾りを撫でる。
そう言えば、千花が食べたがっていたけど、身体に良くないと――長生きを疑われる元になると禁じていた品]
ハーヴ、私に…
[頼もうとして、ベアに食べるかと訊ねられ。素直に頷く]
[岩清水と合うかは不明]
…何だ?
[訳が一番わからないのはきっとギュンターなのだろうけれど。
倒れ混んでいるブリスを少しだけ眺めたあと、きちんと横にしてやる]
……ねー、おじいちゃん。オジサマは?
[ケースから水筒を取り出してほんの少しだけ自分の唇を湿らせながら*事の顛末をたずね*]
―Kirschbaum・一階―
[下に降りてきた...はベアトリーチェがブラウニーを食べているのを見てぽつん]
あーあ、豚になった。
ちなみにこのまますぐ寝たら牛になるから気をつけろ。
[変な脅しをかける。そしてアマンダがベアトリーチェからブラウニーをもらうのを見て]
もう一匹増えたかな……?
[そんなことを*真顔で言った*]
[小さく呪文を呟き、右の拳に雷の力を。
それを確認し、大蛇をきっと睨む。]
手加減できねえからな、覚悟しやがれ!
[そのまま、大蛇に向かって突っ走り……]
喰らえっ!!
[力一杯、殴り飛ばした。
大蛇の骨が折れる音と、雷の音。
それらが交じり合う。]
[東へ向かうダーヴィッドとは道を分かれて、自分の泊まる宿へ向かった。夜の通りはすっかり静まり返っている。]
せめて拭えば良いものを。
[部屋へ入り、窓を開く。
窓際に腕を置き、その上に頭を寝かせて、髪を夜風に*吹かれるままに。*]
牛も食べられてしまうから嫌だよ。
[ユリアンの呟きにそう返してから、アマンダにこくんと肯きますと、フォークで器用に切り分けて刺して差し出します。]
あーん?
[けれどもその動きは入って来たダーヴィッドの様子に途中で止まり、緑の眼がまん円になりました。びっくりしたふうなベアトリーチェは、しばらくそのまま*停止していたでしょう。*]
……ふう。
[大蛇の死を確認し、ようやく一息つく。]
んで、ランプ屋の姉さん。
自力では、這い出せないよな?
俺、大技使った後はしばらく力出ねえんだ。
救助は、数時間後に……なるかも。
[ぐったりと、大蛇の傍に*倒れ伏し。*]
[ベアに差し出されたなら、素直に口を開けて食べさせてもらい、美味しそうに笑うはず。
口の端から零れた欠片も、指で拭って舌先で舐めて。
耳に届いたユリアンの言葉には、茶色の目を丸くして]
…食べたいの、私を?
[不思議そうにそんな言葉を返して、*首傾げ*]
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