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ああ。よろしく。マテウスだ。
[と、自衛団員に接していたような刺々しさは消し、アマンダと名乗る女性に会釈を返し。
その後ろで集会所の場所を聞いている青年には鷹揚に頷きだけ返しておいた。]
村の外れ…か。ぶしつけに聞いてすまなかったが、どうやら同じだな。俺も何かの事件だ。とだけでここにきた。詳しいことは何も聞いていない。
[そして長引くかどうかはこちらも聞きたいぐらいだ。とノーラに向けて肩を竦めてみせながら、どういう基準で集められてるんだろうか。などと考え、他の人にも視線をそっと向けている]
うう、さむぅ。
さいしょから持ってっときゃよかった。
[空は既に薄暗くなり、踏み締める地面は白い。何度目かになる言葉と共に吐き出された息もまた白い。
それなりの量の荷物を抱え、元来た道を行く。傷こそないものの、額や鼻の頭が赤い辺り何処かで転んだのかもしれなかった。]
あー、やっと・・・あれ。
人、またふえたのかな。
[目の前に見えた黄の灯にほっとしたのも束の間、賑やかにも思える気配に僅かに首を傾ける。]
……生き返る。
[はぁ。
開かれた扉から室内に入り、大きく息をつく。
白く染まらないのって、素晴らしい。
手袋をして来なかった手は、赤くなっていた]
紳士?
[被疑者という単語より、そちらの方が引っ掛かってしまって、呟いた。
声の主の動作は、幾らか大げさで、どこか滑稽……というと言い方は悪いが、憎めない]
[いい匂いと言われて、釣られて鼻をひくつかせた]
[机の上に置かれた大荷物に目を向ける]
[陶芸家に軽く会釈をする]
やっぱり被疑者、なのね。
被疑者・・・
[言葉をかみしめるように繰り返す]
[俯いて床を見つめている]
[マテウスと名乗る男の話しかける女性に目を移す。
特徴的ななきぼくろには、見覚えがあった。]
たまに市場で見る気がするな。
いーい女だって、おっちゃんたちの憧れの華。
[誰に言うとでもなしにそう呟いて、不躾に彼女を眺めていたが、
青年が厨房から広間に入ってくるのを見れば、笑って声をかけ。]
アーベルも来てたのね。
カレー、あたしにも頂戴ね。
─集会場・広間─
[広間に戻り、ひょい、と手を差し伸べる。
カラスはばさり、と椅子から腕へ。
ぐるり見回せば、知った顔、知らない顔がそこにあり]
……なんていうか……一体なんの被疑者の集まりなんよ、これ……。
[ぽつり、零れるのはこんな呟き]
[アマンダの紳士。という言葉に苦笑しながらも
被疑者という言葉には神妙な顔つきになり
ひょっこりと顔を出した青年の言葉にひっそりと同意するように頷いていた]
そう、紳士よ。
レディに扉を開けてくれるなんて、紳士じゃない。
[少年も見習いなさい、と「レディ」は笑い。
窓の外に、見覚えのあるカチューシャが見えると、
扉を開けてやろうと近づきながら、佳人に話しかける。]
身に覚えがなきゃ堂々としてりゃいいのよ。
あたしは村の薪であたたまりながら、ろくろでも回すとするわ。
[ばさり、][耳に届く鳥の羽音]
ん?
[振り向くと、青い髪に、黒い鳥]
あれ。
アーくんだ。
呼ばれたの?
[暖炉の前に陣取ったまま、片手を挙げる。
へらりと笑みを浮かべた]
研究生 エーリッヒ が参加しました。
[陶芸家の声に気づき顔を上げる]
[自分を眺める視線に、作り笑いを浮かべる]
[陶芸家の声が向けられた先に視線を送る]
[そこには教会で何度か見た青年の姿]
[青年に向かって軽く会釈をする]
アーベル君、って言うのね。
[陶芸家の言葉から知った青年の名前をつぶやいた]
[サクリサクリ。
白銀の世界に小さな足跡が伸びてゆく。
一度は被ったフードを脱いで目を細めた]
気持ちがいい…。
[冬の空は冴え渡り、吸い込まれるように動きを止めた。
そのまましばらく動かずに、じっと空を見つめて]
『…………』
[無意識に唇が動く。
その声は自分の耳にも届かない]
ただいま。
と、こんばんは?
[勿論此処は家ではないが、広間に入る前に一時停止。見知らぬ人も見知る人もいたようだが、取り敢えずは挨拶らしきものだけをして、後は暖炉の前に一直線に進む。]
あー、あったかい。
[ほぅと息を吐いて眼を細めた。]
小説家 ブリジット が参加しました。
……善処します。
[先程の動作を見ると、レディというより――
なんて突っ込みは入れず、そう返した]
ユリアン=ラックスという名がありますので、
少年ではなくて、そちらで呼んで頂けるとうれしいです、レディ?
[カラスが青年の腕に乗る。
疑問は解決。この青年のね。と思いながら]
本当の紳士ならレディの荷物ぐらい持つものさ。
だから俺は違う
[など緩く否定しながら次々入ってきて、暖炉のほうに向かう若い子などを目で不審に思われない程度におっていた]
[元気のようアマンダの様子は気づかぬように装いつつ。
声をかけるユリアンに、よう、と声をかける]
ああ、何か知らんがな……。
しかし、お前まで呼ばれてるとか。
本気でなに考えてんだ、あのじーさん。
[呆れたように呟いて。
自分の名前が呟かれれば、ふとそちらを見やる]
……あ、どーも。
[月に一度通う教会で見かける女性の姿をそこに認めて、軽く一礼]
神父 クレメンス が参加しました。
ああ、いえ。すみません。
だいじょうぶですよ、ええ。
お見苦しいところをお見せしまし…
[ぱりん]
[さっきよりも幾分か小さい音]
…いえ、靴ですから。
[藪柑子の赤い実がふっくらと熟れていた。]
[だから思わず外へ出た。咳止めが切れかかっていたのも背中を押した。]
『 銀の月が煌く夜に外へ出るな。 』
[あの無口で、自分をまるで居ないかのように扱っていた父が残した、たった一つの遺言。]
[その言いつけを破って外へ出た結果がこれだ。]
[すぐ前を自衛団の男が歩いて行く。連れられるようにその後ろを、大袋を背負ってついてゆく。]
とりあえず出ていってください、ええ。
危ないですからね。
とても。
[いやそちらがやった方が危ないですよと自警団は言った]
[それは気にせず、追い出した]
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