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心の魔、ですか。
それはまた、物騒ですねえ。
[言いようとは裏腹に、男は笑みを保ったまま。
視線を投げた先で動きがあったことに、目を留めた]
お加減は如何ですか。
[時の竜の姿は、思いもかけず近くにあって。
かけられた声に私は安堵の息を零し、小さく顎を引いて応と返す]
…ええ、あの…わたくし、何か御迷惑を…?
[なんとなく既視感に状況を察しながら、しゅんと眉を下げる。
くらりとするのを抑えながら身を起こし、広くなった視界で探すのは愛し仔の姿。やはり姿が見えない事に、不安を宿した瞳で問いかけずにはいられない]
セレスは、見つかりましたか…?
了解です。正式な人数とかも分からないですしね。
それじゃ、先に運び始めます。
[仕上げのような部分は素人の自分では大して手伝えないだろうと、皿やカップを乗せた盆を持ち上げて台所から広間の方へ]
いや、そういうわけじゃないから、気にせずに。
[しゅん、とする様子に、苦笑しつつ返して]
ああ、セレスは、相方と一緒にこっちに向かってるから、大丈夫……って。
[安心させるよに言いかけた言葉は、ふと聞こえた言葉にぶつり、と途切れ]
……て、あの。
……今、なんというか物凄く、聞きたくない言葉が聞こえた気がしたんです、が。
[雷撃の王を見やる表情は、ちょっと真剣だったかも知れない]
ん、頼む。
[広間へ向かう姿を見送り。
時空王との会話で途切れた仕上げにかかろうとした所に感じる、新たな気配]
……ん?
[微かに覚えのある波動に、貴紫がゆる、と瞬き]
……ヴィオ、ちょっと、見て来い。
[短い言葉に応じて、すみれ色のふわもこ、きゅ、と鳴いてぱたぱたと]
[とてとてとてて。
そんな感じで、廊下を歩くは白梟を頭に乗せた少年。
その足取りは、どこかおっかなびっくり、という所か]
……ねー、白もふさん。
『……ヴィンターです、機竜殿』
[何度目なのか、このやり取り]
……ねー、白もふのヴィンターさん。
ここ、なんか、ふわふわするね?
『ふわふわ?』
……んと……空気の、感触?
ふわふわでゆらゆら。
時空竜に近くて、遠い感じ。
失礼しますよー。
[盆を抱えて、広間に入る。
顔見知りである雷撃王や翠樹王に深く一礼し。
見覚えの無い人物(ハンス)には若干軽い会釈を。
そして時空の竜らには僅か目を瞬くか]
えーと。その節はウチのがお世話になりまして。
そちらもお茶会メンバーだったんです、か?
[食器をテーブルに置きつつ、軽く首を傾げた]
[こわい感じはないのですけれど、やっぱり見覚えはない場所でした。
しばらくして、子どもの(といっても、ベアトリーチェだってもちろん子どもですけれども)声が聞こえた気がして、ぱっと足を止めます。どこからだろうとぐるり首を巡らせて、今度は曲がり角まで進んで、また足を止めました。
その先をそうっと覗きます。]
[返される苦笑は、哀しい事に見慣れてしまいつつあるもの。
ますます小さくなりながらも、告げられた言葉に目元が和む]
…それはようございました。
……?
[急に変わった様子を訝りつつも、旧知の方とのお話であろうと口を挟まず。
旅人からかけられた声に、こくりと頷きを返した]
はい、もう大丈夫にござりまする。
とんだ姿をお見せしてしまい、申し訳ございませぬ。
ああ、麒麟殿…ナターリエ殿だったか、お加減はいかがかな?
[聖獣の乙女に視線を向けて気遣う言葉をかけながら、嫌そうな顔の時空竜には、肩を竦めて見せる]
…あくまで、まだ噂にすぎない、のだがな。
どうやら、姿形も、あの時のまま、ということらしいぞ。
12人目、月闇王 カミーラ がやってきました。
―Kirschbaum―
[...は困った顔。]
[ハーヴェイとともにお茶会の準備に向かおうとしたのだが、双子(主に女の子が、だが)が「一緒にいくのーーーーっ!!!」と駄々を捏ね。]
[仕方なく、先にハーヴェイを見送って。]
もう……この子達は一体誰に似たのやら……。
[溜息一つ。]
[もしかしたらユリアンが心の中で突っ込んでいたかもしれない。「カミーラさんに、でしょ。」と。]
[膝を屈め、二人の子供の目線の高さでにっこり笑う。言葉遣いこそ変わねど、其処にあるのは月闇王としての顔ではなく、二人の母親としての顔。]
あのな、お父さんもお母さんも遊びに行く訳ではなく、お客様の御もてなしのお手伝いをするんだよ。
だからね、いい子で待っててくれるか?
[言い聞かせた後、カウンターの中のユリアンに向かって。]
この子達にもパフェ作ってやって。
[そう言った瞬間、双子達は顔を綻ばせながらカウンターの席によじ登るように座り、足をパタパタ。]
現金な子達だなぁ……一体誰に……。
[呆れたような、微笑ましげなような表情を浮かべつ、双子達の頭を軽く撫で。]
ま、すぐ帰って来るさ。ユリアン、後は任せたよ。
それじゃぁ、行ってくる。
……あれ?
[不意に、前方に感じた人の気配。
一つ瞬いて、足を止める]
……だーれ?
[首を傾げつつ、問う。
白梟は何か感じてか、ばさり、と一つ羽ばたいて]
おやおや。
お知り合いですか。
それも相当、因縁のありそうな反応で。
[途端、真剣に隻眼の男を見る青年へそう言うさまは、他人事だからと面白がっているに違いなかった]
ま?
[私は、とりあえず聞こえた言葉を復唱して、クインジーの首に腕を絡めた。]
いつ着いたの。
それに虚の子まで。そちらはうちの子の言ってた麒麟さんかな。
それと、あちらの方は誰?
何だか沢山お客様が増えたのね。
[私は挨拶の言葉を口にしてから、見たことのない男性を少し眺めた。*]
おや。どうも。
支度が出来ましたかね。
お手伝い、いたしましょうか。
[食器を運んで来た赤髪の青年に申し出る。
初めましての挨拶はない]
[入ってきた影輝の気配。
や、と言いつつ、手をひらりと振って]
いつぞやはどうも。
……いや、直接招かれた覚えはないんだけど、ねぇ。
[軽く返した後。
雷撃王の言葉に、凄く、物凄く、嫌そうな顔をした]
……出てこんでいいっつうの……。
[顔を半分だけ壁から覗かせて、じいぃ……っと見つめておりましたが、声をかけられて、思わず引っ込んでしまいました。
けれど、今度は三分の一(片目だけ、ってくらいです)だけ顔をだして、]
……ベアトリーチェは、ベアトリーチェだよ。
ベアトリーチェ=ブルーメンガルデン。
あなたは、だぁれ?
[羽ばたきの音に、眼差しが引き寄せられました。]
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