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[城の玄関先までやって来て、目に入ったのは『番人』の姿]
また、誰か来たってのか?
[問いに返るのは、肯定。
特に強い興味があった訳ではないが、『番人』が扉を開ける様子を一歩引いた位置で眺める。
開いた扉の向こうに見えたのは、まだ若い女の姿]
……これで、何人目だ?
[問いは『番人』へ。
蒼氷の瞳は、そこに立つ女へと向けられた]
[声が2つ聞こえて、また音がしました。
建物の中に見えた2つの色。
先程の低い声から察するに、多分男の人なのでしょう。]
…あの、勝手に入ってごめんなさい。
道に、迷ってしまって。
[言葉は2人に向けていましたが、鈍色の眼はどちらとも合っていなかったかも知れません。]
[問いに、『番人』は答えず。
それは自分で確かめろ、という意味合いなのかそうでないかは定かではなかったが。
何れにせよ、この男と話していても埒が開かないのは感じていたので、大げさな息を一つ吐き出すに留め]
道に迷った……か。
どうやら、そちらも御同輩で間違いなし、と。
勝手に入るのは、構わんだろ。
この『番人』とやらも、来る者は拒まず、といった所らしいしな。
[女の言葉に答えつつ。
焦点の定まらぬよな視線に、微かに眉を寄せた]
[緋色の裾を靡かせ、女は軋む床を進み、階段を上った]
[適当な部屋の扉を開け、白の繊手はその窓を開ける]
[リィン]
[また小さく鈴の音が零れた]
絵画のようにも見えますのね。
[碧眼は門の向こうを捉え]
[また、小さな話し声をも捉えた]
[扉も窓も開け放しのまま、緋色の靴は階下の玄関へと向く]
[溜息が聞こえました。
わたしに対してなのかと思いましたが、どうやら違うようです。]
ご同輩?
あの、それはどういう…?
[続いた声は、今度こそわたしに向けられたものでした。
わたしは僅かに首を傾げて、言葉を発したらしき茶色のひとへ眼を向けます。
相手の表情は見えるはずもありません。]
どういうも何も……。
お前も、気がついたらここの……花の中にいて。
道を辿って、ここに来たんだろ?
俺もそうだし、他にもそんな連中が集まってるんだよ、この場所は。
[首を傾げる女に答え。
近づく気配と、微かな音に振り返る。
微かな音は、先にも聞いた、鈴の音色]
[近付いた先には三人の人影]
[向いた視線に気付いてか、くれないは薄い笑みを模る]
ごきげんよう。
番人殿以外のお二方は、はじめましてですかしら?
[優美にドレスを摘み、一礼を]
[薄闇から現れたのは、鮮やかな金と緋と。
その色彩は、この場に似つかわしいよな、異なるよな。
そんな事を考えつつ、一礼と共に投げられた問いに、頷く]
ああ。
恐らく、初対面だろうな。
貴方も、他にも?
…では、此処が何処なのかは分かりませんか。
[わたしの言葉には困惑と落胆が混じっていたでしょう。
問う最中、別の音が聞こえました。]
鈴?
[男のひとが振り向いたような気配に、わたしも眼を凝らしました。
金と、花のような赤い色でした。
女のひとらしき声質に、わたしはただ頭を下げました。
挨拶と肯定、二つを含めて。]
ふふふ。
[転がる音は笑みの形]
確信が無いのは、記憶が無いからですかしら?
きっとそちらの彼女もなのでございましょう。
[僅か影を帯びた声は、そう思わせた]
ええ。鈴は私のもの。
その音の傍らには、私が居るとお思い下さいませ。
ああ。
そして、知ってそうなのはだんまり決め込み、って訳だ。
[困惑と落胆。それを滲ませる声に、蒼氷は鋭く『番人』の方へと向けられ、すぐに逸らされる]
……そんな所、かも知れんな。
[逸らされた蒼氷は、金へと向けられ。
問いに返すのは、曖昧な言葉]
[記憶。
女のひとの声は聞こえていましたから、眉を寄せて、杖代わりにしてきた棒を、両手できゅっと握りました。]
貴女の音、だったんですね。
[鈴に関しての言葉には、一つ頷きました。]
知ってそうな…?
[この場にいるもう1つの色に、眼を向けました。
そのひとがこちらを見ていたかどうかは分かりませんけれど。
わたしはそれから暫く黙って、話している2つの色の間で視線を*彷徨わせていました。*]
記憶が無いのは、幸か不幸か。
番人殿がご存知であるならば、それはどちらに傾いておられましょうか。
[小さく鈴を鳴らし、呟きは歌のように紡がれる]
[曖昧な答えを気にする風でもなく、女は薄く笑んだ]
そう。あれは私の音。
そしてこれが私の声。覚えていただけると嬉しいですわ。
[滑らかに、女は言の葉を紡ぐ]
さあね。
どちらともつかず、揺れて振れて、って所か。
[鈴の音と共に紡がれる呟きに、軽く、肩を竦め]
ともあれ、ここで立ち話をしていてもなんだろ。
どこか、落ち着ける場所……広間にでも、移動した方が良くないか?
[二人の女を交互に見て、問う]
ああ。
必要なら、手くらいは、貸せる。
[思い出したよに付け加えたのは、外から来た女の縋る棒を見たが故。
もっとも、仮に要とされても包帯に紅を滲ませる左の腕は*使われはしないのだが*]
共通項に関する見当ですか……。
[とろんとした右眼が、クインジーを見つめる。
明後日の方を向く、左眼の鋭利さとは対照的。]
それについて言及するには、まだ情報が足りませんね。
だって、まだ顔も見てないgood fellowsが大半だし
私、貴方のことすら知らないですもの。クインジーさんね?
[手帳を開き、名前と特徴を書き留める。]
ごめんなさいね。顔と名前を覚えるのが苦手で。
馬鹿にしているわけではないんです。
私はイザベラ。好きなように呼んでくださいまし。
[ぐっぐっ、と詰まったような微笑。]
そうね。カードさえ集まれば何かわかるかも。
生年月日、血液型、職業、趣味や食べ物の好き嫌い。
最近、イイコトしたか…とか。ウフフフ。
[シャーロットを左眼が一瞬捉えた。]
まぁ、そんなこと誰も忘れてしまっているでしょう。
揺れて振れて、行きて戻りて。
停滞は無く、無為な繰り返しが番人殿には?
[答えを求める態でも無く、問うて]
[沈黙を以って、質疑は終わる]
[男の勧めに、豊かな金色を揺らし女は城の奥を見る]
案内をしていただけませんこと?
まだ、此処には不慣れなままですゆえ。
[首を傾げ、胸に手を置く]
[*リィン*]
村の設定が変更されました。
村の設定が変更されました。
気にするな
髪の色で覚えるわけにもいかないしな
わかった、好きによばせてもらおう
[男の髪はラッセルの髪よりも暗い赤であったが、赤に変わりは無い]
[イザベラの片目を捉える男の目は、彼女の左より険はない]
[その鋭い左目を追い、言葉を聞きながらシャーロットを見た男は、低く笑った]
ククッ
あんた、それはまずいんじゃないか
初心そうな女に言う台詞じゃないだろ
[シャーロットの反応がどうであろうと、男が笑わぬ訳も無い]
[暫しの後にそれは潜み、重い声が*吐き捨てられた*]
だが、忘れているという事には同意だ
己もどうやってここに居るのかが、わからないからな――
[うろついてくると言うラッセルには頷きを返し、その後姿を見送った。紅茶を口にする間はどこか穏やかな時間が流れているように感じ、自然表情も和らいでくる。クインジーから賛辞の言葉が漏れれば、嬉しげに微笑んだ]
[しばらくの間はクインジーとイザベラの会話に耳を傾け。ふと、クッキーに意識を向けた時に二人から視線を向けられた気がした。交互に見やるが、二人は笑うのみ。イイコトと言われても分からず、ただ小首を傾げた]
[その行動は言葉の意味することを知らないのか、はたまた覚えていないだけなのか。その仕草からは判別がつかなかったことだろう]
流れ者 ギルバート が参加しました。
[赤、朱、紅――
森を抜けると、男の視界に鮮やかな色が飛び込んできた。]
[つま先をギュッと絞り、踵を上げる。
ふくらはぎの筋肉が締まるのを、いつものように感じる。]
[一歩踏み出せば、そこは緋色の舞台。
泉、古城――夢幻の中で咲く花々。
眼前に広がる景色は、彼にとって初めてのものだった。]
[彼の右目には、闇に浮かぶ赤い花が映る――]
[そして、彼の左目には、薄汚れた眼帯が巻き付いていた――*]
―とある部屋―
[稲妻のようにひとひらの映像が閃く。
緋く赫い色。
伸ばされた白い手。
そして、
男は少し離れた場所にあった長椅子に飛びつき、掛けられていた布を剥ぎ取った。]
『……何故俺はそんなふうに思うんだ?』
[この椅子の上で誰かが怪我をしただけかも知れない。
閃いた映像は必ずしも死を示してはいない。]
『いや、そもそもどうしてこの染みが血だと分かるんだ?』
[これは本当に血なのだろうか。]
[それよりもこの記憶?――は真実なのだろうか?]
[蒼白の面を押さえ、男は夢遊病者の足取りで部屋を出た。
ぐらぐらと視界が揺れる。
隧道のような回廊の、壁が急に迫ったかと思えば遠ざかり、床もまた波打って定まらず。
男は壁に手をつき、蹌踉いて延々と続く闇の中を彷徨った。*]
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