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― 雑貨屋前 ―
……そうですか。
[アーベルの説明に、ふむっと頷きを一つ。
人が死んだ――しかも不自然に、というのに、
表情は無表情のままかわらずに]
嗚呼、では、私はそろそろこの辺りで失礼しますね。
[そう云ったのは、血縁二人の会話に邪魔をしても、
と気を利かせたわけではなく。
向かおうとした先は海の方だけれど、
状況を確認するのは不自然な死ではなく、
日課のフィールドワークの為で。
二人と一匹に一礼の後、マイペースに歩き出す。
しかしながら、海に辿り着く前に、
自衛団に捕まり、宿に向かうように*云われるか…――*]
―雑貨屋前―
まあ。俺も直接見たわけじゃないし。
今はまだ、とりあえず気をつけとけよってだけ。
嵐の土産で怪我なんかもしないようにね?
[小さく鳴くぶち猫の頭をぽふりとして立ち上がる。
不安そうな従妹には話の方向をずらすよに言い笑って]
ああ、それじゃまた。
[港の方に向かうライヒアルトに軽く手を上げ見送った。
狭い島ではどうせ会う。その程度のつもりだったのだが]
で、煙草の方は在庫ある?
まあ無きゃ無いで仕方ないけど。
[リッキーから「気がつかなかったんですか?」と呆れられながら一部始終を聞く。それは嵐の話。死体が見つかった話]
ふーん、それで自警団がお仕事中ってわけね。
[立ち上がり、港の方に行ってみるかな、と思いながら宿を出る。
ぶらぶらと歩く途中、見知った顔を見つけて立ち止まる]
んお、クロエの店ってここにあったのか。
[挨拶にクロエとアーベルにひらりと手をあげて]
─雑貨屋・前─
ああ、んじゃまたね、ライ兄さん。
[歩き出す背に声をかけ。
それから、軽く首を左右に振る。
半ば無意識のそれは、強引に思考を切り替えようとする時の癖]
……だね。気をつけとくわ。
[どうにか笑みを作って頷き。
次の問いには、首傾げ]
ああ、そっちは大丈夫。
この様子だとしばらくは次入らないだろうし……値上げする前に、買ってくといいよ?
[冗談めかした言葉はどこまで本意か。
ともあれ、頼まれたものを用意するべく、*店の中へと*]
―雑貨屋前―
よぅ。そうだよ、ここが村の雑貨屋。
そういや昨日見なかったな。部屋に篭ってたのか?
[ユリアンの声が聞こえて振り返る。
あの嵐と、賑やかさとに気づかなかったとはまさか思わない]
値上げされると痛いな。纏めて頼む。
[冗談めかされてても、やる時はやるだろうと苦笑して。
シャツと煙草を受け取れば代金と交換した]
―港―
よぉ、災難だったな。
……いやいや、サボってねぇって。
[まだ年若い船乗りなどを見つけて立ち話]
あぁ、そいやここいらで死人が出たって話だが……
なんだ、お前見たのか。
道理で顔が青いと思ったら。
は?なんだそりゃ。
[詰所へ運ばれる遺体を見たという船乗りの話に、眉を寄せる]
― 雑貨屋前 ―
んー、久しぶりに腹いっぱい飯食ったせいかな。
ああ、昨日はなんだかすごかったらしいな。
自警団の奴ら、ばたばたうるせーのなんのって。
変死体だって?
[アーベルとクロエのやり取りを眺めながら。
その表情には不似合いな言葉を漏らす]
―雑貨屋―
…らしいね。
普段が平和なだけに自衛団の連中も慌ててるんだろ。
買うモンあるのか?
俺はとりあえずこれだけだ。じゃな。
[無ければ場所を変えろ、と指で示す。
そしてクロエの頭をぶち猫にしたのと同じよに、ぽふりとなでて店から離れていった]
― →広場―
嵐のせいじゃねぇってのは聞いてたが。
不自然な傷ってなんだよ。
[言いつつ煙草を出し、火を点けた。
相手の表情などお構いなしだ]
なんかの見間違いじゃねぇのか?
あの嵐だ、獣なんかは早めに悟って隠れるだろうし。
人間だってそうは動き回……
……いや、約1名飛び出してった阿呆はいたか。
[嵐の中飛び出して行った少女のことらしい。
先程子供から聞いたのを思い出したのだが]
まぁ、ともかく。
その辺は自衛団に任しときゃなんとかなるだろ。
[軽く首を振って締めた]
…なんつーか、ほんっと信用ないのなー。
別に取って食ったりしねえっつーのに。
[やや大げさに肩をすかしてアーベルを見送る]
せっかくだから見たいんだけど、冷やかしはごめんなんだっけ?
ちょっとだけ、いい?
[それは半ば強引気味ではあったが]
[それはクロエが頷いたよりも先か、ひとつひとつを手にとっては感心したように。クロエとは刺繍工の娘の話、先日の真珠細工の話を少しだけ交え]
へえ、そのゲルダって子、若いのにいい仕事するなあ。
ヴィリーもあんなこと言ってたけど、これなら安心して頼める。
[並べられた作品をあれこれ見ながらモチーフはあれかこれか、と思いを巡らせる。
宿に戻ったら、フーゴーのコレクションも見せて貰おう、などと考えながら]
ま、あんまり長居すると誰かさんがやきもきするらしいから。
次は何か買いにくるよ。ツケじゃなくてね。
[にっと笑って、「んじゃまた。」と店を後に]
さぁて。
……流石に、船大工にゃ修繕は頼めないかねぇ。
[などと、遠くに見えた建物を見ながら呟きつつ]
戻っかな。
[煙草を片手に持ったまま、振り返る]
―広場―
…違ぇよ。まあいいけど。
それならゆっくり見てくんだな。
[自分の店でもないのにユリアンに言うと店から離れて]
ったく。女の前で詳しくする話かっての。
[広場を歩きながら呟く。自分に兄弟がいない分、従妹のことになると多少煩くなっている自覚はなくもないが。
端まで移動して足を止めると、買い求めたばかりの煙草を取り出し火をつけた]
―広場―
教会は壁をやられてるのか。
っとに、嵐ってのはいつでも厄介だ。
[苛立ちを散らそうと一気に煙を吐き出した]
…親父さん。どんだけ無念だろうな。
[一抹の後ろめたさを散らすよにもう一度。
誰かに声をかけられるのと火を消すのはどちらが*早いだろう*]
─回想・ゲルダの家─
[ダーヴィッドから自分の申し出を受ける旨を言われれば、遠慮するな、と言い。]
困った時は、お互い様だ。
定期便がそろそろ来る頃合だし、港まで行く船があるならそれに乗っていってもいい。
ただ…この嵐のせいで、海が荒れた。
しばらくはどっちも、身動きが取れないはずだ。
あんたの国が、どこかは知らんが…連絡がつくまでは、うちに居れば良い。
…仕事をしているから、少しばかり煩いかもしれんが、それは、我慢してくれ。
[そう言うと、恐らく本人は申し訳ないと思っているのだろう眉を少し下げた表情で頭を下げ。
顔を上げると、ゲルダがうとうとしているのに気付き、そっとタオルケットをかけてからダーヴィッドを促してゲルダを起こさぬよう傍を離れた。]
さーて、どうしたもんかなあ。
[店を出た後、港へ向かおうかと足を向けるも、大して目新しいことも聞けず。ぶらぶらと歩くうちに村はずれまで]
ああ、この辺りは別荘か。
[一瞬尖らせた視線を遣って、ふと何かに思いあたり足を止める]
…あ。あー…そうだよ、ヘルのこと……!
[しかし、何から聞いたらいいか。
相手の出方を待つべきか、無策にこちらからカードを開くのは躊躇われた]
別に死神を見た、って顔でもなかったかな…。
[あちらに変わった動きがないのなら、こちらも騒ぎ立てる必要はない。但し、もし敵だとするならば――。
ため息混じりに再び歩き出したのは、宿の方へか*]
[そうしている内に夜が白み始め、夜通し暴れていた嵐も治まり。
ゲルダの店に避難して来た者達もそれぞれの家の安否を確かめる為帰っていった。
全員が帰ったのを確認した後簡単に片付けを済ませ、自分もダーヴィッドを伴って海辺にある自宅へと戻ろうとして。]
…そういえば。
[カヤの所は父親が留守にしていたはずだ、大丈夫だろうか。と思い出し。
ライの安否も気に掛かる為、ダーヴィッドを自宅に案内した後様子を見に行ってみようと思った。]
─ゲルダの家→自宅─
俺の家は、海辺にあるから…少し、手伝ってもらうかも、しれない。
[自宅へと向かう途中の被害の大きさに、少しばかり眉を寄せて。
途中途中で老人や子供に、後で手伝いに来る、とだけ声をかけている様子をダーヴィッドは見ていただろうか。]
…ひどい、な。
[かろうじて家屋の損傷は無いものの、工房の看板や側にあった小船などがまるで割られた様に壊れている様に、ただ一言呟いて。]
…まぁ。物は、直せば良い。
入ってくれ。…古い家だが、手入れはしている。
[自宅自体の損壊は無かったので片付けは後回しにして、ダーヴィッドを中へと促した。]
[ダーヴィッドに家の中を簡単に説明した後、一室を提供し。
少し歯切れが悪く(といっても彼をよく知っていたら気付く程度)頼みごとを切り出した]
…疲れている所に頼んで、悪いんだが。
知り合いの所を少し回ってくるから、留守番を頼まれてもらえないか。
腹が減っていたら、適当にあるものを食ってもらって良いし。
来客があったら、待っていてもらえば良い。
夕方には戻る。
[そういうと、予備の鍵を渡して出ていった。
まずはカヤが居るだろうドックの様子を見にいくつもりだ。
そこで自衛団員や漁師達から、死体の話や壊された船の話も聞くことだろう**]
[途中で誰かと擦れ違ったかも知れない。
港を後にし広場へ向かう。
煙草は途中で揉み消した]
……んぉ。
確か雑貨屋の従兄だっけか。
[広場の隅、立ち上る紫煙を見る。
相手が気付いたなら挨拶代わりに片手だけ上げて、自らは*教会へ*]
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