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[髪に触れる、手の感触。
童は僅か、身を震わせ]
いらぬ子といわれるのはよいの。
風漣はいらぬ子、隠されなければならない子だから。
[それは、自身に言い聞かせるかのよに]
……でも……泣いてしまうと。
舞弥のにいさまが案ずるから……。
[そのひとは今ここにいないと、わかっていても。
そう、呟くことは止められず]
誰そにはいらぬ子でも、
誰にでもいらぬ子は居らぬよ。
[髪を柔らかに梳いてから手は離れて]
なかぬでも、左様な貌をしていたら、
心配してしまうのではないのかな。
……そうなの?
[紅緋の瞳をやや、上げて、そう、と問う。
確かに、かの人は。
露草色の若人は。
いらぬとは、一度も言わなかった、けれど]
……心配……させて、しまう?
[続く問いは、どこか不安げに]
こらこら熱いよ、ねいろ坊。
[跳ねかけ返されれば、逃げ出す素振り。けれど隠れて手桶を掴んで、今度は、ばしゃりと頭から]
ほうら、だいぶ、ぬくいだろう?
[届かぬ呟き小耳に挟めば、僅か首を傾け湯殿を見やる。]
はてさて、他にも濡れたがおったか…しもうたの。
…ほんに我は気がきかぬ。
[呟きは小さく、夕餉の支度にさざめく童子にかき消されよう。]
それにしても、よう懐いたものじゃ。
我にも怯えはせぬじゃろか…。
[座敷の片隅、邪魔せぬところに、ふわり被衣揺らして座し。
躊躇いがちに、仔うさぎを手招く。
新たに来たに興引かれたか、仔うさぎその手に擦り寄った。]
[ばしゃーっ]
[頭から掛けられて、思わず目を瞑って]
[ふるふるぷるぷる]
……からすにいさまっ!
[温かさに顔は赤いか]
[それとも怒りで赤くなったか]
[湯気の向こうの大兄の体にぽかり]
[ぺちぺち]
いじわるっ!
はっはっは、悪かった悪かった。
[怒って向かってくるねいろに、笑いながら、気が済むまで、ぺちぺちと叩かれるままに任せて、頃合いを見て、湯船に沈む]
ほら、肩まで浸かって、十数えて。
そうさ。
[返す言の葉は事も無げに]
無理にわらうことはなけれども、
無理になかぬのもまた宜しくない。
素直でいるのが一番なのだけれども、
はてさて、難しいね。
[白布を持つ童子を中へと呼ぶ]
さて、ここにあるはもう要らぬ布、
けれども此方にとっては要り用だ。
なにゆえかと言えば、これから晴れを呼ぶためにね。
[湯気だけでか、動いたからか]
[既に体は薄紅に]
[だけれど呼ばれて、むぅと膨れたまま]
[こくり]
[うなずいて、おそるおそる]
……あつぅない、あつぅない……
[呪文のように繰り返して、そっと足を湯船に入れる]
[ゆっくりゆっくり、ゆっくりと]
……よく、わかんない……。
[ぽつり、呟く。
それは、どの言葉に向けられたものか、定かではなく]
……晴れを、呼ぶ……ため?
[つがれた言葉の意をはかれず、紅緋はきょとり、とあやめを見つめ]
てるてる坊主、というてね。
雨の日にはよく作ったものさ。
[丸めた布の上から別の布を被せて]
これに顔を書いてやって、
出来上がった人形を軒先に吊るすと、
明日には晴れを呼んで来てくれるのだと。
[紐で括ればそこには小さな坊主の姿]
きちんとこの子らにも役目があるのさね。
てるてる坊主……?
[不思議そうにまばたきつ、作られたそれを見て、わあ、と声を上げ]
晴れを呼んでくるのが、このこの役割なのだね。
[初めてみた、と。
感心したよな声を上げる様子は、やや、陰りも薄れ]
好きなんじゃぁ……
[こくり]
[頷きは、後半に]
からすにいさまは物知りじゃぁ。
じゃけ……天狗さまは、かなしいんかなぁ……?
[ぽつり]
[それは大兄へと投げた言葉ではなかったかもしれない]
[ちいさく、口唇から落ちて]
薬屋は、物知りでないといけないからねえ。
[物知りという言葉には、そんな風に返して。続く呟きに目を細める]
天狗は…かなしいのかい?
そりゃぁ、大変じゃぁ……!
[薬屋はそうでなければいけないのかと]
[驚いて、目をぱちくり]
なんだか、かなしう聞こえたんじゃ
……よう、わからんけど。
歌も、踊りも、一人じゃのうて、みんな集まるものじゃろう?
みんなで集まりたいんかのぅって、思ったん……
[小さく、もごもごと]
[自分でもよくわかっていないのか]
そういうことさ。
この子も要らぬ子ではないのだよ。
ほぅら、風の坊が顔を入れてみるかい。
筆と墨とを借りて来なければいけないね。
それにそろそろ小腹も空く頃かな。
ああ、そうだねえ。そうかもしれないねえ。
ねいろ坊は優しいな。
[微笑んで、湯船の外に抱いて出る]
さて、そろそろ夕餉だ。お腹が空いたろう?
[さあ、と手ぬぐいを差し出した]
いらぬ子では……ない。
[その言葉を、小さく繰り返して]
風漣が、かくの?
やったこと、ないよ?
[てるてる坊主を見つつ、どこか心配げに言い。
小腹が、との言葉に、今更のようにそれを思い出す]
……そういえば、ずっと、食べていない……。
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